人形系おみくじをナメたらあかん。

陶器の人形などに入ってるおみくじ、大人気ですよね。今日立ち寄った某寺で、私好みの可愛いのを見つけたので軽い気持ちで受けてみました。


見たところ中身は量産型おみくじのようだし、大体当たり障りのないことが書いてあるんだろうなあ、とか思いながら特に何かを占いたいわけでもなく何気なくです。


それも授与所ではなく、お土産なども売っている境内の売店ですよ。本当に、普通に、可愛い雑貨を買う気分で。


まあどうってことないだろうと思って、開けました。





思いっきり凶でした。


ご丁寧に5ヶ国語で、凶が並んでましたよ。
べりーばっどらっく!


はい、すみません。
完全にナメきってましたから。
そんな態度への、仏様のお叱りかも(´・ω・`)





それにしても、ショックというよりは驚きでした。人形などに入っていたりプチ御守り付きだったりするタイプで、中身が各寺社オリジナルでない新しめの量産型おみくじなら、大抵凶は抜いてあるかなと思ったので。


人形タイプの人気を受けて今年中に登場したばかりの新しいおみくじだったこともあり、もしかしたら凶抜きの流れから凶入りの復権?!みたいなことも少し考えたくなりました。


陶器人形系おみくじって大体500円以上はするから凶だと気分的な痛手が大きいし、人形を1体手に入れたらリピートすることもないじゃないですか。だから、わざわざ凶入りにすることにはそれなりの思想というか気骨というか、そういうのを要すると思うんですよね。


特に昨年あたりから、おみくじ自体にじわじわと人気が出てきているのを私自身だいぶ感じてきました。その中で、凶抜きにする風潮はメディアでずいぶん報じられてきたわけです。一方、人形系おみくじの人気で、各地の寺社が新しくオリジナリティのある人形を登場させています。


これからは、可愛さを全面に出したおみくじも、その中で差別化が必要になってくるのではという気がしてきたり。もしどこへ行っても無難に凶抜きだったら、言う割に意外と大して辛くないロシアンたこ焼きみたいで面白くないよね(謎)みたいな流れも出始めてくるのでは?などと勝手に予想してみたりしてしまう次第です。





そういえば、昨日は夏越しの大祓の日だったというのに、今年の私は忙しくて茅の輪くぐりに行きそびれていました。


6月末は一年がちょうど半分ということで、たまったケガレ(気枯れ)を祓う茅の輪くぐりの行事が各地の神社で行われます。実際、急に暑くなり疲れが出やすい時期でもありますからね。

ケガレ溜めすぎて凶出しちゃったかしら。


7月に入ってもまだ辛うじて売っていた夏越しの大祓にちなむ季節の和菓子「水無月」を食べて、多少祓ったような気になってみるなど。大掃除もしてみましたよ(←どうでもいい)


読んでくださった皆様も、この時期特有の疲れや夏バテに気を付けてお過ごしください!




スポンサーサイト

オマケのルーツはおみくじにあり?!食玩の元祖でたのしいお正月♪

前回その前の前で触れてきた、日本のおみくじのルーツのひとつ「辻占(つじうら)」。その一貫としての「辻占菓子」は、フォーチュンクッキーのようにちょっとした占いが出てくるという、江戸時代から続く楽しいお菓子でした。

今回紹介するのは、これの豪華版みたいなもの。



その筆頭は、「辻占福寿草」と同じ金沢「諸江屋」さんの「福徳煎餅」。

毎年11月の終わりから1月上旬にかけて、諸江屋ネットショップで買うことができるお正月の縁起物です。


形は打出の小槌・砂金袋・米俵の3種で、どれも中に幸せが詰まっていそうなモチーフ。黄色と白の2色を表裏で合わせているのは、黄金と白銀を表しているとのこと。


何も知らなければ、見た目はただの最中。




ところが、割ると…




↑中から可愛いサイズの土人形が!
(こちらは食べられませんw)

どれもカラフルで、ゆるかわで、郷土玩具好きにはたまりません。フルコンプした~いっ!



↑「金華糖」というお菓子が出てくる、中まで食べられるバージョンもあります。

素朴な形の中に、和菓子らしい色彩の美しさ。

これ、一見するとただの砂糖の塊みたいですが、サクッと軽くかじれて口の中でほろほろ溶けていく優しい食感に、あっさりとした上品な甘さで、驚くほど美味しいです。ものすごく質の良い砂糖を使ってると思います。

まわりの最中の皮と一緒に食べるとさらに美味。っていうか、これがなかったら本当にただの最中の皮ですな(;´∀`)

ちゃんと合うようにできてるんですね~。



土人形バージョンも金華糖バージョンも、何が出てくるかは開けてのお楽しみ。

江戸時代に考え出され、子供たちへのお年玉にされてきました。


出てきたものから新しい年の運勢を何となく占ったりもしたというので、やはり辻占の豪華版なのでしょう。

どれもハッピーなものばかりなので、占いと予祝(未来の幸せを先に祝い幸運を祈ること)を兼ねていると思われます。


家族団らんの場に、初笑いの楽しいおしゃべりと幸福感をもたらしてくれる素敵菓子です!

そして今時、私のようなおひとりさまにはコレクションしてニヤニヤする幸福感を(ry



七福神の土人形が出てくる「ふくとこ宝船」というバージョンもあります。

こちらは中身が決まっているのでドキドキワクワクはないけど、とにかく豪華。

箱や包装も凝っていて素敵な上に、オマケも豪華です。

↑オマケのひとつ、手刷りの宝船版画。しかも、初夢祈願として枕の下に敷いて使っちゃってもいいように2枚セット!気がきくなあ。

他に、ポストカードと江戸情緒な錦絵風のすごろくもついてました。


お菓子を割ると、土人形のほかに和三盆まで入ってます。至れり尽くせりです。でもって和三盆むちゃくちゃ美味しい!
(実際は、衛生面を考慮して人形はビニール袋に入った上で最中の皮に入れられてます)


全員集合で撮ってみました(*´ω`*)




他に似たような趣向では、山形県の伝統菓子「からからせんべい」というのがあります。




こちらも、中から色々な民芸品が出てきます。
(衛生面から薄紙に包まれて入っています。
       でもって、食べられませんw)

やはり元は子供たちへのサプライズだそう。
干支などお正月っぽい縁起物も。

「福徳煎餅」と比べて辻占的な要素は薄まってきていますが、「何が出るかわからない」という点は神託としての「くじ」や天からの「授かり物」に通じるので、根底に流れるものは同じだろうなと思います。

種類はこちらのほうが、キリないほどものすごく多そうです。

素朴で昭和レトロな風情がなつかしく、大人でも童心に帰ってしまいます。

個人的に、上の写真の中では右上のメンコ2枚セットが特にツボでした(^o^)

プラ物とかもあるけど、どれも昔のグリコのオマケみたいな絶妙な味わいを醸し出してます。


ちなみにお煎餅の味は、黒糖の風味が力強くて、かなり美味しいです。これだけでも時々ムショーに食べたくなりそうな勢い。

「からからせんべい」は楽天で買うことができます。


今回紹介した昭和レトロな「特製おもちゃ(民芸)」バージョンと、今時な子供向けプラ物しか出てこない(単に)「おもちゃ入り」バージョンの二種類あるので、買うときは間違えないように気を付けてください(上記リンクからなら大丈夫です)。




それにしても、この、何が出るのかわからないオマケのワクワク感、そしてお菓子とオマケのどっちがメインかわからない加減。

これって、食玩のルーツかも!

しかも、「福徳煎餅」と近いルーツをもつ辻占には、オマケカード/トレカの元祖的な性質もありました。

というわけで、お菓子のオマケ/食玩は日本の伝統文化なのかもしれません(オチ



続きを読む

辻占煎餅3番勝負

前々回は辻占(辻占)を紹介し、辻占菓子についても触れました。

では、その一種、「辻占煎餅(つじうらせんべい)」って知ってますか?


↑写真は、「いなりや」さんの辻占煎餅。

この見た目の通り、フォーチュンクッキーの元になりました。中にも同じように、ちょっとしたおみくじ(こういうのが「辻占」)が入っています。

アメリカで日系人の売った辻占煎餅が中国系移民の間で広まり、材料や製法などを変えつつ中華料理屋の定番になっていったのがフォーチュンクッキーです。


さて、フォーチュンクッキーではなく昔ながらの辻占煎餅は、今でも伏見稲荷参道の味噌煎餅(甘い小麦粉生地にほんのり隠し味の味噌が香ばしい瓦煎餅)のお店で手作りされ、さかんに売られています。

今のところ3店舗を確認できたので、全て食べ比べ、独断と偏見で通信簿をつけてみました。



1ヶ所目は「いなりや」さん。

店頭では、焼いて、曲げて、と製作工程を実演中。


で、こんな感じで売ってます。

一個ずつバラ売りのものは、当たりつき!
当たれば「金きつね」がもらえます( ☆∀☆)




割ってみました。
フォーチュンクッキーと同じように、中から出てきます。

おみくじ(辻占)は、こんな感じ。

「辻占」煎餅なのに「おみくじ」と言っているだけあって、運勢の解説がきめ細かく現代的。

なんと250種類もあるそうです(゜ロ゜;ノ)ノ
これならよく当たるかも?

昔ながらの辻占の風情はありませんが、来るたびに占ってみたくなっちゃいます。何より、当たりも狙いたいし!

いなりや「辻占煎餅」
おいしさ★★★
美しさ★
楽しさ★★★★★






2ヶ所目は「宝玉堂」さん。

ノスタルジックな佇まいがいい感じ。
伏見稲荷参道で一番古くから開業している味噌煎餅屋さんです。

こちらも製造実演してます。

買ったらオマケで割れ煎をちょこっと試食させてくれたのが嬉しかったなあ(^.^)



昔ながらの形には、占いの紙がフォーチュンクッキーみたいに中に入ってるのではなくこうやって挟まってるものもあるんですね~。

といっても、かなりぎっちりと挟まっているので、引っ張って抜こうとすると破れちゃうことがあります。けっこう硬いですが、がんばって割りましょう!


辻占はこんな感じ。

レトロな手刷り風の印刷が味わい深い!

昭和10年の創業当初から変わらないスタイルを貫いているそうです。スバラシイ(*´ω`*)

文言が都々逸(どどいつ)の七・七・七・五調で統一されている、まさに伝統的な「辻占」スタイルです。

それにしても左下の、

「さぞやさぞさぞさぞ今頃や
 さぞやさぞさぞさぞやさぞ」

って、ものすごく気になる言葉!

謎めいた言い回しも魅力です。


そして、特筆すべきは、そのお味。

胡麻と芥子の実の香りが効いてるのは3店舗中ここだけ。味噌風味は抑え目で、より優しい甘味が引き立ちます。

好みの問題もあるかもしれませんが、私はこちらのものがダントツ一番美味しいと思いました(*^^*)

宝玉堂「いなり煎餅」
おいしさ★★★★★
美しさ★★★★
楽しさ★★★






3ヶ所目は、「松屋」さん。

こちらも昔なつかしい店構えです。


「鈴せんべい」も、占いの紙は挟まってるタイプ。


割ると中には大豆が入っています。
このため「鈴」の名の通り、振るとコロコロやさしい音がします(^.^)

お煎餅の表面には鳥居や狐さんの絵が型押しされていて綺麗。「いなり煎餅」も似たような感じだけれど、こちらの「鈴せんべい」のほうが柄の出方が鮮明です。


辻占はこんな感じでした。
こちらもレトロな印刷の都々逸調です。

個人的に一番気になる言葉はコレ。

「こうすりゃこうしてこうなるものを
    知りつつこうしてこうなった」

なんでこれが大吉なんだろう(^o^;)
深そうで深くない言葉選手権に出れそうw

「いなり煎餅」の辻占との内容的な違いについては、まだどちらも一度買ってみたのみなので、もっと集めてみないことにはわかりません。

ですが、何となく、「鈴」になっていたり見た目が綺麗だったりと趣向が凝らされているからなのか、こちらのほうがやや全体的に情緒豊かで洗練されているような気がします。

松屋「鈴せんべい」
おいしさ★★★
美しさ★★★★★
楽しさ★★★★




以上、あくまで独断と偏見での比較なので、ぜひ自分の目と舌で味わってみてください!

いずれにせよ、昔と変わらない形の辻占は、昭和初期のレトロな雰囲気が好きな人にはたまらないはず。

未来につないでいきたい駄菓子遺産(造語)です。





何も考えずにおみくじ引くのもアリ。

前回は、おみくじの「効果的な引き方」について考えてみました。

でも、べつに何か知りたいことがある時にしかおみくじ引いちゃいけないわけじゃないし、常に真剣に効果を出さなくたっていいじゃん、とも私は思っています。

「正しい」引き方にこだわるのもいいですが、時と場合によっては、ゲーム感覚でおみくじを引いて仲間と盛り上がったりするのも、べつに間違ってはいないです。


最近では、可愛いオマケとかついてたり、ゆるキャラをフィーチャーしていたりと、街を歩けば楽しく気軽に引けるおみくじがたくさんあります。

そういうものを邪道だとか言うつもりは私には毛頭ないって言うか、むしろ大好物です。



日本のおみくじの歴史には、お寺や神社の硬派なおみくじとはちょっと別の流れも実はあります。

それが「辻占(つじうら)」です。

辻占というのは本来、黄昏時に辻に立ち、たまたま通る人々の様子や話し声からインスピレーションを得るという古代からの占いでした。

これが江戸時代に、紙に書いたものを引く「おみくじ」式の軽い占い指すようになります。基本的に神社仏閣とは関係なくて、遊びとしての性格が強く、花街などで売られていました。役者絵のついていたものなどもあったそうで、何だかお茶漬け海苔やキャラメルのオマケカードみたい。日本のトレカの元祖?!

もとの意味と共通するのは、偶然の出会いで出てくるものから占うということくらいでしょうか。


こちらは、新年にデパート等の粗品として配られる「つじうら」。こんなところにも名前が残っているんです。

写真のものは内容的には「おみくじ」とそう変わらないですが、あえて特徴を挙げるならば、「おみくじ」で和歌の載るべき部分が、七・七・七・五の俗曲「都々逸(どどいつ)」になっていること。


今でも江戸時代の辻占の雰囲気をよく残しているのが、諸江屋さんのお正月限定のお菓子「辻占福寿草」。



薄く砂糖をからめたカラフルな餅種(最中の皮)を開くと、中には謎かけの言葉の書かれた紙が入っています。

なにやらちょっとオトナな妖しいものもw

諸江屋ウェブサイトには、方言や掛け言葉など、わかりづらい言葉の解説も載っています。

花街と関わり深かった辻占は、宴の場での風流な話のタネとして楽しまれたので、艶っぽい文言も多いのです。

辻占福寿草のように言葉が短くて謎めいているものなら、3回引いて自分なりに意味をつなげてみる遊び方もありました。




それにしてもこの絵のタッチと文字配置、何かに似てませんか?








どうでしょうね?

「点取り占い」も「占い」と言うからには、辻占の直系じゃないかと思うんですが。ゲーム性やジョークとして仲間と楽しめるところとかも似てるし。


それはそうと、辻占菓子は、北陸地方ではお正月の初笑いの縁起物として現在もポピュラー。他にも色々な種類があり、スーパーなどでも普通に売っているそうです。

他の辻占菓子としては、フォーチュンクッキーの元になった辻占煎餅も有名。伏見稲荷の参道に今でも昔ながらの製法で売っているお店が残っています。先日、食べ比べをしてきたので、辻占煎餅3番勝負をご覧ください。



辻占菓子の豪華版みたいなものもありました。
オマケのルーツはおみくじにあり?!食玩の元祖でたのしいお正月♪
↑こちらもぜひお読みください!



こんな感じで、辻占はお菓子のオマケになったり、ときにはトレカのようにコレクション対象になったりしながら、大衆文化にそっと息づいてきました。

都々逸が使われていたり、内容が艶っぽかったり、という以外にも、何かのオマケだったり、エンターテイメント性が強かったり、一言占いっぽかったりするものなどは、「辻占」の特徴を受け継いでいるのではないでしょうか。

現在ではこうした「辻占」的な要素も「おみくじ」に吸収され、大抵は区別なく普通に「おみくじ」と呼ばれています。あえて辻占っぽいおみくじを探すのもたのしいです!



そんなわけで、おみくじの中には軽い気持ちで引いていいものもあるという話でした。



ここから先は完全に私見なのですが、最近はポップなおみくじも多いですから、モノによっては辻占と同じように考えてもいいんじゃないかと思います。

とはいえ辻占だって、昔から物思いにふけるときの気軽な相談相手みたいなものとしても使われてきましたから、占いの要素がないわけではないです。

それに、偶然の出会いというのは不思議なもので、そのときたまたま自分の前に現れたものが、びっくりするくらい今の自分を表している、みたいなことは占いに限らずよくあるのではないでしょうか。

時と場合によっては「おみくじ」も、そういうもののひとつとして利用するのはアリだと思うのです。



私自身、特に知りたいことがなくても何となくおみくじを引いてしまうことはよくあります。

そういうときってどうも、大体「今のあなたは全般的にこんな感じですよ」というのが自動的に「出てしまう」のではないかな、と最近気付きました。

特に悩みがないときに何も考えずに引くと大吉や吉、

つらいことはあっても自分自身が前向きに頑張れているときは末吉や小吉でも希望のある内容、

疲れていたり悩んでいたりとりとめもなくもやもやした気分のときなどは凶や小吉などで内容も大体悪そうなものが出る、

なんてことが多いような気がします。


何の気なしにおみくじを引いてしまったことがきっかけで、逆に自分を振り返ることを促されるといったところでしょうか。こんなふうにセルフモニタリングとして使って、ライフログ的に記録を取ってみても面白いのでは。



だから初詣のときに「今年は大体どんな感じ?」というお題で引くのも別に問題はないと思います。

ですが、たまたまそのとき体調や気分が悪かったりするとうっかり凶など出してしまったりするかもしれません。

それでも希望をもった新年を迎えたいなら、新年の目標について、今はどうで、どうすればより良く進んでいけるでしょうか、という質問内容のつもりで読んでみれば、たとえ悪そうな結果が出たとしても気持ちを新たにしていけると思います。

そんなあたりを意識してみると、初詣のおみくじがもっと有意義になるのではないでしょうか。

おみくじの効果的な引き方。本気なら生年月日を念じるべし!

おみくじの正しい引き方とはなんぞや、ということを最近よく訊かれます。


まず、参拝後に引く、というのは最低限のマナー。

そもそもおみくじは、神様仏様に「何か一言ください!」とリクエストするものです。

誰だって、何の挨拶すらなしに頼み事をされたら、いい気はしませんよね。神仏も同じです。



さて、今回は、ここからもう少し踏み込んでみましょう。

「正しい引き方」、というのには少々語弊を感じるのですが、それならおみくじ発展の系譜的にみて「本来の引き方」とはどのようなものだったのか。


おみくじの最も古いルーツを辿ると、それは「託宣」、つまり神仏から直接お告げが降りてくることに行き着いてしまいます。

現在でも、神仏と直接交信できるというシャーマン=霊能者さんの中には、何かを引くわけではなく、単にお告げのことを「オミクジ」と呼ぶ人がいます。これは特別な才能のある人にしかできないことです。



では、もう少し簡単にするにはどうすればいいでしょう。

そこまで才能がなくても、特別な修行を長い間がんばればできるようになる方法を人々は考えました。

これに当たるのが、天台宗系のお寺で僧侶さんの引くおみくじです。僧侶さんたちは「みくじを取る」と言います。依頼者のかわりに引き、悩みに応じて解説を行うのです。

お寺によくある、「元三大師百籤」と呼ばれる漢詩のおみくじは、今でこそ自分で引いて自分で読み解くセルフサービス式ですが、かつては僧侶さんに引いてもらうものでした。

僧侶としてこれができるようになるまでには、大変な修行が必要です。それに、いざ「みくじを取る」ときは、まず全身を清め、観音経を三回読み、御真言(仏様を讃え、その力を引き出すための呪文のようなもの)を計999回唱える、などを始めとした大変な時間とエネルギーを要する複雑な儀式を行ってからでないと引くことが許されません。引くときも願文を読んだり様々な所作を行ったりしながら精神統一を必要とするなど、やはり大変です。それでも色々な調子などでインスピレーションのようなものが降りてこないときには、最初からやり直さなければならないことさえあるとか。いずれにせよ、一般人の精神力でマネするのはとても不可能なのです。

今でもこの「本来の引き方」を行える僧侶様がいらっしゃるのは、私の知る限りでは、比叡山元三大師堂と廬山寺です。ただし、現在は特に関係の深い限られた信者さんに対してしか、この方法での「おみくじ」は行われていません。各お寺様へのお問い合わせなどもご遠慮ください。

ひとたびこの大変さを思えば、おみくじも有り難みが増すというものです。さすがにここまでできなくとも、せめて参拝前に手水舎などでお清めをしてみてはいかがでしょうか。


ちなみに東大寺の二月堂では、おみくじを引くときに仏前で一人ずつ座れるよう、文机を並べてあります。

各机にはおみくじ筒とともに、般若心経や観音経の載っている経典と木魚が。これはもう、引く前に読経したほうがいいよ、ということで置いてあるのが明らかです。

ゆっくり座って参拝し、読経まですれば、気持ちが落ち着いて、今おみくじで知りたいことについても心の中が整理されてくるはず。お寺ならば、他の所でも時間に余裕のあるときは取り入れてみてもいいかも。よくわからないなら般若心経だけとかでも充分すぎるくらいだと思います。要は心の持ち方の問題ですから。



ところで、私は行く先々でおみくじを引いてきましたが、最近気付いたことがあります。

数ある神社仏閣の中には、おみくじを引くときにセルフサービスではなく、依頼者のかわりに筒を振って引いてくれる所が案外存在するのです。



まずは戸隠神社。この場所で江戸初期の天海大僧正の夢に、平安時代の元三大師こと良源大僧正が現れて「元三大師百籤」を授けたとの伝説がある同社は、この筆頭と言えます。明治の神仏分離以前には、お寺と同じ元三大師百籤を使っていました。

今でこそ神社らしく和歌のおみくじを使っている戸隠神社ですが、引くときは神職さんが祝詞を唱え、願文を読み上げた上で引いてくれます。そして興味深いことには、願文に依頼者の生年月日を盛り込んで読んでいるそうです。なお、戸隠神社のおみくじについては、成蹊大学の平野多恵先生にご教示いただきました。


次に、私は旅先で何度か、おみくじをお寺の職員さんがかわりに引いてくれる所に行き合っています。思い出せる限りでは、布施弁天(千葉県)と雨引観音(茨城県)です。
いずれも元三大師百籤で、そのとき職員さんには生年月日をきかれました。


それと、浅草の酉の市で有名な鷲神社の隣にある「酉の寺」長國寺では、酉の市の日に、僧侶様がものすごい気迫で「善星皆来悪星退散!」と唱えながらおみくじを引いてくれます。

何度となく足を運んでいますが、毎回同じ僧侶様でした。こちらは、生年月日をきかれないし、元三大師百籤ではなく法華経を使った日蓮宗のおみくじですが。


いずれも、かつてのおみくじが専門家に引いてもらうものだった名残と言えるのではないでしょうか。


さらに、先ほどおみくじ「本来の引き方」を受け継いでいる所として挙げた廬山寺では、テレビ番組中でこれを特別に行うとき、出演者に「名前と住所と生年月日と願い事(ききたいこと)」を書き出させていました。やはり願文に盛り込むためではないでしょうか。長國寺のような例外はありますが、セルフサービスでないおみくじでは総じて生年月日をきかれることが多いように思います。これも、もしや「本来の引き方」の名残なのでは、と思うのです。



もしそうだとすれば、私たちがセルフサービス式おみくじを可能な限り本気で引くときにできることも、引く前に参拝するとき「名前と生年月日と住所」を念じて、神仏に自分が何者かを伝えることではないでしょうか。普通に参拝して祈願するときのマナーとしても、よく言われていることですよね。そして、どうやら中でも生年月日の重要性は高そうです。



最後に、忘れちゃいけないのはやはり、おみくじで何をききたいのか、具体的に念じること。


このときの質問内容は「できるだけ具体的」なほど良いです。そのぶん、結果の読み方も具体的に解釈できるようになるので、占いとしての意義が深くなります。

おみくじの漢詩や和歌や運勢全般解説はそのままでは抽象的なものでしかないので、自分で「具体的な質問」という輪郭を与えることではじめて、具体的な自分自身の物語として機能するようになるからです。

こうすれば、思わしくない結果が出たときなども、丁寧に読み解いていくことで自分なりの現実的な対策が浮かんでくるようになります。





そして、出たおみくじは持ち帰り、大事に読み返すことで開運に役立てると良いでしょう。持っておくか置いてくるかは自由ですし、個人の好みや考え方によりますが、持ち帰るほうがより日々の指針として「使える」ものになることが多いと思います。せっかくおみくじを引いたなら、自分なりの「生かし方」を考えたいものです。

それか、最近は結んだり納めたりすることで願掛けできる所も増えています。読んだ内容をしっかり心に刻みつけてさえいれば、あえて願掛けに「使う」ことで、決意を強めることもできるかもしれません。そのときの自分にとって、しっくり来る方法を選ぶと良いでしょう。



以上のことから、最も効果的なおみくじの引き方は、こんな手順になりそうです。

1.手水舎などでお清めする。

2.参拝。「名前・生年月日・住所・質問」を念じる。
 (お寺なら、できる範囲で読経も)
 質問内容はできるだけ具体的に!

3.頭をからっぽにして引く。

4.結果は吉凶だけでなく内容をよく読む。

5.とりあえず持ち帰ってさらに噛みしめる。
 または、しっかり心に刻んでから、願掛け。



引くときの本気度が強いほど、神様仏様も本気で答えてくれるのではないでしょうか。悩んでいたり、どうしても役立つアドバイスがほしいときは、ぜひ参考にしてみてください。

検索フォーム
最新記事
おみくじたんbot
  (取扱説明書はコチラ)
リンク
最新トラックバック
最新コメント
オススメ記事
プロフィール

鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

当ブログの著作権は著者に帰属します。引用するときは引用元記事もしくはブログトップページへのリンクを必ず行ってください。

おみくじ関係のお仕事をご依頼の方は、必ずこちらの記事を読んでから依頼・質問等してください。

仕事依頼・連絡先
(ご依頼は有償となります)
kabura@gmail.com

カテゴリ
QRコード
QR
   
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる