スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

和の言霊に癒される「歌占カード ねこづくし」

おみくじになぜ和歌が出てくるのか、その原点は古代から受け継がれる「歌占(うたうら)」に。

我が国における歌占研究の第一人者にして、ときわ台天祖神社の歌占復刻も主導された、成蹊大学の平野多恵先生が、ついにやってくれました!

しかも、まさかこんなキュートなものが出てくるとは思いませんでした。


完全解説付き 歌占カード 猫づくし

かわいい。どう見ても、かわいい。
むちゃくちゃ好みな絵柄。

しかもこれがオラクルカードと来たらもう。
おみくじ好き、且つ、カード好きのハートど真ん中じゃないですか。
手に取らずにいられませんですよ(*´ω`*)



というわけで、さっそく開けてみます。



こんなに和小物が似合う占いカードって、ちょっと他にないです。

カード界隈には由来的に和モノであってもモダンなテイストの絵柄が多い中、粋な浮世絵/江戸絵画風で和を感じられるのは貴重。

見ているだけでほっこり落ち着いてきます。


ちなみに写真左上は、伊勢神宮の御朱印帳袋。
保管や持ち歩き用にマイベストマッチです。

こうやって自分なりにお気に入りの色柄など見つけて合わせてみれば、ますます占いの世界に気持ちが入っていきやすくなるのでは。



占うときは、ときわ台天祖神社の歌占と同じく、最初に質問を思い浮かべながら唱えごとをします。


「ちはやふる神の子どもの集まりて作りし占はまさしかりけり」
こちらを3回です。わかりやすい所に置いて。

さあ、精神集中!集中!唱えごとは大事!

にしても、このカードの何が凄いって、後で説明していきますが、本気で「神の子ども」が集まって作られてる感が半端ないところです。

まずは心を鎮めて唱え、この手元に集まった「神の子ども」たちに全力で呼びかけていきましょう。必ず応えてくれますから。



次に、カードを8枚並べます。
1列でも2列でもOKです。



室町時代の歌占では、引くための短冊を弓に8枚ぶら下げていたからだそうです。八卦の8でもあるとのこと。

2列でも割と細長めに並ぶことになるので(写真ではもっと細いテーブルマットですが)、お好きな和柄の手拭いとかを敷物に使うの、ほんとオススメです(*^^*)

こういう占いって、特に気持ちの問題だから、自分が嬉しくなる環境作りは何気に重要だと思ってます。

そして、あとは1枚引くだけ!
シンプルイズベスト。


カードに直接書かれた和歌と絵だけで大体なんとなくわかる、というのもポイント高いです。




とりあえず、個人的に好きなカードをいくつかご紹介してみますね。


まずは堂々の、第一番。

これ、神話好きな人なら絶対見覚えあるはず。
何をかくそう、古事記に日本最初の和歌として登場する超有名どころですから。

スサノオノミコトがクシナダヒメを妻に迎えるとき、立派な家を作ろうという意気込みを表し自ら詠んだ歌。
何かの基盤を打ち立てるとか、大切なものを守っていくとか、そういうイメージがこれだけでもバリバリ伝わってきます。
古事記って、繰り返しを多用するリズミカルな語感が愉しいです。



こちらも、神様が詠んだという歌。あの三輪山の三輪明神、超大御所じゃないですか!

どんなエピソードか気になった人は、ぜひ付属の解説書を。詳しく占えるばかりでなく、元になった色々な物語も、わかりやすく教えてくれます。

それをきっかけに古典を知ることが、より深く占うコツでもあり、ひいては日本独特のスピリチュアルな世界を探究していく道標にもなっていたりします。とても奥深いカード=本です。



日本の神様は、とにかくよく歌を詠みます。

これは、和泉式部が夫との関係に悩んで詠んだ歌に対して、貴船神社の神様が返歌の形でお告げをした歌。水の神様だけに、魂の苦しみを滝のしずくになぞらえながら、そんなにくよくよ悩むことはないよ、と励ましています。

和歌というのは元はといえば、言葉に乗せた、言霊を通した、神と人とのコミニュケーション手段なのです。平安貴族が和歌で愛を交わすのにも、自分たちを八百万の神々の世界の一部として、お互いの魂に直接呼びかける意味があったというわけ。

まだ短冊を引く形に簡略化される前の古代の歌占では、専門の巫女がインスピレーションだけで歌を詠んだり、それより前の時代に神々がお告げとして詠んだ託宣歌をパッと思い浮かべて出してきたりしたんだそうです。

平安時代のそういう面白いエピソードも、付属の解説書に色々載ってます(余談ですが、巫女による歌占は院政期に特に流行したとのことで、大河ドラマ平清盛が好きな人なら絶対ムフフなあたりの人物が盛り盛りでしたよw)。

和歌そのものや古語にも興味が出てくる構成。
自分が受験生の頃にこれがあれば、さぞや古典好きになれたろうにと思うと、マジ悔しい(笑)



上は、超ざっくり言えば、状況を邪魔しているものがあるから何とかしようよ、という意味。

ていうか、「ふしづけ」って何じゃい。
それって、うまいの?お漬物みたいだけど。

調べてみると、いわゆる「すまき」のこと。
いわゆる「沈めちゃる!」ってやつです。

でもなぜか柴漬けの意味もあったりして、やっぱりおいしそうでした。
日本語って面白いです(ナニカチガウ


冗談は置いといて、言葉に色々な意味が含まれているというのも、和歌の大きな魅力です。

色々なことを連想して想像を広げ、自由な解釈をすることで占いとしても幅が出てきます。


ですからこの「ふしづけ」だって、もしかしたら困難を乗り越えた先においしいことが待っている、みたいに思ってもべつにいいんじゃないかと…(だからもうええわ!と、どこからともなくツッコミの声がw)

キモカワな猫鬼も、いい味出してます。


時々ちょっとユーモラスだったりシュールだったりもする猫絵たちは、引くタイプの歌占がポピュラーになっていた室町~江戸期あたりのトレンドをイメージして作られているそうです。

動物など色々なものを擬人化した絵が、当時の人々に親しまれていました。
元祖ゆるキャラブームの時代。

百鬼夜行・付喪神絵巻あたりから鳥山石燕などに通じていく面白い妖怪絵も同時期ですね。サントリー美術館所蔵の鼠草子絵巻とか、国芳の猫絵とか、そのあたりが好きな人にはたまらない感じになってます。



こちらは、行き場のない情熱とか、もやもやとした希望めいたものとか、そんな感じでしょうか。誰もがいつぞやの自分の思いを重ねられるような、日々の中でよくある人生の機微を、繊細に詠み上げています。

絵的にも、やさぐれた妖艶な表情に、猫ならではの魅力がよく出ていて素敵です。

着物の柄が蛇というのも、粋な大人の色気を醸し出しています。蛇は執念などを表すというのも意味深。絵からも占いとして細かく読み解いていけるという、こだわりのモノ作りです。何度占っても、毎回違ったインスピレーションを与えてくれるはず。



以上は、ほんの一例。
どれも、神話や中世説話の中で神様が詠んだ歌や、近世の歌占本で実際に使われた和歌ばかり。ひとつひとつに、神々のお告げとしての特別なパワーが宿っています。まさに唱えごとにもある通り、「神の子ども」たちです。

そんな神秘的な和歌の数々を、編者の平野多恵先生は製作過程でまず約400首も歴史上から網羅したとのこと。
もはや現代の歌占の巫女になってますやんΣ(゜Д゜)

歌占カードは、そこから厳選に厳選を重ねた32首というから、その濃密さたるや。
これさえあれば一家に一人、歌占の巫女がお抱えで来てくれたようなものです。そう思うと、どんだけ贅沢な!

同時に、カードと解説書を手がかりにしながらも自由に解釈するのは自分自身ですから、占う本人も歌占の巫女になり(弟子入り、か!?)、言霊の力をやりとりして、神々の世界と自分の心を通わせることになるわけです。

その過程自体が、自分の心の声を丁寧にきく豊かな時間となり、感受性を磨いてくれます。言葉を媒介に天地自然と響き合う和歌を、心、ひいては自分自身の存在と重ねたとき、もっと大きな視座への気付きがあるかもしれません。

いわゆる今時の「おみくじ」と違って吉凶がないのも、歌占本来の面白さ。一見ネガティブそうな歌にこそ、その時々の気持ちに繊細に寄り添い、包み込むような癒しの世界があります。それは決して「悪いコト」ではないのです。日常の中で、自分をとりまく世界に潜みながらそっと共感してくれる神々の、優しい気配を感じることができるのではと思います。



もう少し辛口にズバッと答えを出したいときは、吉凶ハッキリめな他の占いカードを同時に引いて補うのもオススメです。たとえばルノルマンと合わせている人をネットで見ましたが、私はよくトンパタロットを合わせています。あくまで自分に合う、使い慣れたもので(^-^;

そのへんは、自分の性格やそのときのニーズに合わせて加減してみると、より幅広く活用できます。そんな占いとしての自由度の高さや懐の深さも魅力的なカードです。



こちらからお試し占いもできます。
↑クリックで公式サイトへ♪↑

これでピンとくるものがあったり、気になってもっと知りたいと思った人は、ぜひ実際に手に取ってみてください!

スポンサーサイト

高野山の秘儀が降臨!?「仏さまカード 秘密のメッセージ」

仏像ファンでなおかつ占いカード好き(って私のことやんかw)にとって、まさに
待ってました!
としか言いようのないこのカード占いブック。




仏さまカード 秘密のメッセージ ([バラエティ])

高野山開創1200年記念企画の一環ということだったのですが、ずっと楽しみにしていたにもかかわらず遅ればせての購入。


ともあれ届いてすぐに実践してみたところ、占い方の説明を一読するやいなや、ガツーンと衝撃が。


これをいわゆる単なるオラクルカードと一緒にしてはいけないというか、格が違うかも。少なくとも私は、大真面目にそう感じました。


これはたぶん、気軽な占いの形を借りて、しかもごく自然と日常に溶け込ませることで、一般人へのハードルを下げまくった仏道修行の手引きなんじゃないかという気がいたします。


なぜって、特に5枚引きで占うときの手順が、カードを1枚選ぶごとに心と体でイメージを駆使するあたり、まるで本格的な密教の観想行に足を一歩踏み入れているかのようなんです。


なにしろ作者の北川宥智先生は高野山で厳しい修行をされた上に教学も深く学ばれた正真正銘本物の阿闍梨様ですから、きっと何かそうしたエッセンスを取り入れておられるに違いありません。

高野山の本気をバリバリ感じます。

それに、密教には投華得仏(とうげとくぶつ)といって、目隠しをして曼陀羅に蓮の花を投げ、偶然落ちたところに描かれている仏さまとご縁を結ぶ儀式が実際あります。そんな要素をさりげなく盛り込んであるところも、このカードの大きな魅力。


個々のカードの意味も、精神性や抽象度が非常に高いので、目標を決めた長期的展望や複雑な悩み事についてじっくりアドバイスをもらうのに向いています。そういう点で、フルに5枚引きが納得いきやすく、私としては一番オススメです。


占うというよりは、今の自分のためにカードを通して駆け付けてきてくれた仏さまが守ってくれるような感じがします。今より良い方向へと向かっていけるよう、生き方に指針を授け、力強く背中を押してくれます。


さらに気分を盛り上げたい人は、こんなオプション品も使ってみてはどうでしょう。

それはですね、京都の東寺のグッズショップで売っている曼陀羅ハンカチ

↑特にこの、四角いタイプです。
  (金剛界曼陀羅風?)


というわけで、5枚並べてみましたよ。

どういうわけかサイズもぴったり。

カードをめくれば自分だけのための曼陀羅ワールドが!

占いを終えたら、出てきたカードは開いて並べたまましばらくお祀りすることになっているので、粗末にならないようにという点でも曼陀羅ハンカチ非常にオススメです!(少なくとも何かしら敷物は必須と思います)

ていうか、そもそも歴史上の凄い仏像や仏画や寺院装飾の類いは、様々なイメージを使った修行を手助けするために発展してきた面も強いわけですから、つまり気分を盛り上げるのは大事ということで。


そしてさらに、イメージを豊かに盛り上げ仏さまの世界へと誘ってくれるのは、尼僧漫画家の悟東あすか先生によるカードイラスト。

見てくださいよ、表紙の千手観音様の神々しさ。本当はカードの写真もこちらに載せたいところなのですが、一度真剣に占ってしまうと、なぜだかどうも1枚1枚が自分自身と不可分でなおかつ仏さまとしての魂が宿っているかのような不思議な気分になり、気軽に撮るのがためらわれてしまいまして。いっそ実物をお手に取り、実践していただければ、こんな気持ちも少しはわかっていただけるかと…スミマセン!(>_<)

…などと悩ましく思っていたところ、作者様による補足サイトでカード全種の絵柄を見ることができました。本に載っていない追加情報も読めますので、ぜひご覧ください。

寄り添うような優しさとユーモアに溢れた絵柄は、眺めているだけでも心強く、それだけで瞑想しているかのようにほっこりと落ち着いてくる魅力があります。

漫画っぽくて愛らしいタッチなのになぜか神々しいのは、やはり悟東あすか先生もまた高野山で厳しい修行を乗り越えられた本物の阿闍梨様であり、その研ぎ澄まされた魂のなせる業なのだと思います。ただ神仏の造形をまねただけの絵と、深い精神性を伴っていて拝みたくなる絵とは、全く違うのだということを痛感する次第です。

仏典の渉猟やご修行の成果から得られた独自の解釈による絵は、細かいところさえ何かを語りかけてくるようで、見飽きることがありません。

ちなみに、今の私的に一番ツボに入ったのは、大威徳明王様の疾走感でした。これから先の人生でも、折に触れて眺めるたびに発見やツボがどんどん変わっていきそうなのが楽しみ。


なお、作者の北川宥智先生がご住職をされている岐阜県の高家寺では、御縁日の法要の際に、この「仏さまカード」のアイディアの元となったお札を一人一枚ずつ授与していらっしゃるとのこと。何か悩みがあるときなどに思い切って訪ねてみれば、そのときの自分にご縁のある仏さまに出会わせていただけるはずです。

これもおみくじ的なものの一つの形ということで、あえてご紹介してみました。心のお守りのような頼もしい占いなので、色々な人に活用してみてほしいなと思います。


当たり方が怖いトンパタロット

今回は、中国の少数民族シャーマンに伝わる「おみくじ」的なものを紹介してみます。

占いの最も原始的な形を簡略化して受け継いでいるのが「おみくじ」式ということになりますから、広めの定義で探すならば、もっと世界中に隠れているのかもしれません。




トンパのアサバイブル―今日のヒントになるトンパタロット。


トンパ文字ブームを作った浅葉克己さんによる、トンパ本のひとつの集大成がこの本だそうです。トンパ文字というのは、世界で唯一、原初的な絵文字の形のまま今も現役で使われている象形文字。中国南東部、雲南省に暮らすナシ族のシャーマンだけが真に理解できるという、大変に神秘的な文字なのです。


トンパ入門としてもよくできているこの本ですが、おみくじ好き・カード好きの私としては、やはり付属のトンパタロットに惹かれての出会い即買いでした。





カードは大体こんな感じ。プリミティブなゆるいタッチが愛らしいです。また、絵と文字との未分化具合が自然と抽象的なアートになっていて、折々に豊かな印象を投げかけてくるので、いくら眺めても飽きることがありません。


このカードは、ナシ族シャーマンに伝わる「抽縄卦」という占いを忠実に再現しているとのこと。「抽縄卦」は、紐つきの絵札の束から一本選んで引っぱり、どれが出たかで占うというものです。これって、ほぼ「おみくじ」ですよね。


ここでは現存する絵札29枚(かつては33枚あったらしい)を忠実に再現しているとのことなので、資料性・観賞性としてもかなりオイシイと思います。


しかもそれだけじゃなく、
当たるんだな~、これが。


個人差や相性などはあるかと思いますが(占いって結局は人生観の問題なので、誰かにとっては当たるけど他の誰かにとってはからきし、みたいなことはよくありますし)、私はこのカードに関してはあまり具体的に「この問題に対して答えを出して」という形で占わないほうがいいような気がしています。


というのも、このトンパタロット、何か問いたいことに関してはなかなかピンと来づらいのに、「そんなのべつにきいてないよ!」みたいなところでおせっかいなくらいに思いもしなかったようなことを当ててくるんです。



私は今月2度も、運気が沈むから休息しなさいと促すこのカード「日没」が出たその日の晩に突然、思いっきり風邪をひきました。しかも「体調に不安を感じていたのなら、それだけは甘く見てはいけません」とあるのに寝とけばいいやとナメきっていた1度目はこじらせ異様に長引いてしまい、2度目は「このカード来たらやばいぞ」とばかりに反省、すぐ病院にかかって事なきを得たという。ただの偶然だと思いたい…。怖い。


逆に、豊かさや予想外の幸運を表すカード「白い大鵬」が出た直後には、長かった夏風邪も治った上に、臨時収入があったり、思いがけず友人や親戚から美味しいものをたくさん頂いたり。あとで確認したところ、カードの意味に「食生活の充実」とも書いてあったのがまた驚きでした。やっぱ怖い。自分はそんなに不思議体験するほうでもないから、余計に。


だからこそ出たら大変なのは、最も凶意が強いこのカード。

↑「虎と白鹿」。
鹿、すでに半分喰われてます…。
きゃー、いやん怖い。
でも見た目は、ゆるい。


そんな怖すぎるカードも、対策がしっかり解説されているので、前もって身構えたり最小限の被害に止めるための予防策を講じたりするのに本気で役立ちそうです。なにしろ、当ててきますから…。


人生に災難はつきものですし。同じ困難でも、先にわかっていて上手くやり過ごせるか、そうでないかでは大違いです。



トンパタロットを作った、イーチンタロットなどで有名な占い師の真矢茉子さんは、この占いをそのまま翻訳すると現代に合わないのでアレンジを施したといいます。現代人の人生に寄り添った象徴解説は的確で素晴らしいです。よく当たるのは、その功績でもあります。


ですが、うまく説明できないけれど、最近の色んなカード占いと違って、何か特定の複雑で現代的な問題に答えることには、もはや翻訳とかの話と関係ないレベルで最初から微妙に合ってないのかもしれないです。それだけに「今日の運勢」や少し先の「うまくいくか・いかないか」みたいに普遍的で単純な問題のほうが妙に当ててくるような…。占的とは全く関係なく「おまえ今とにかく調子悪いぞ!」…ハイ、ソウデスネ…みたいな。そこはシャーマンの神秘としか言いようがないのかも。何か宿りすぎてるよコレ。やばい。

欲を言えば、いくら現代に合わないからといっても、もう少し原典の直訳的なものや神話的な背景まで詳しく触れてくれていれば、自分で解釈して占う幅が生まれたのではと思います。他のトンパ関係の本を使って、幅広い文化的な事柄や、せめて各カードに直接書かれた象形文字の意味だけでも調べれば、もっと深く占えるのかもしれません。

そういうわけなので、とりあえずはあまり占的を絞らずに「今の運気の流れはこんな感じ」くらいの使い方のほうが合うようです。あまり先のことにも向いてないかも。どうやら翻訳者もそのへんを理解している上で、タイトルに「今日のヒントになる」トンパタロット、と付けたのかな、と妙に納得したりしました。難点は、当たりすぎて怖いので気楽に引けないことくらいでしょうか。トンパタロット、おそろしい子!





おみくじ参考文献ゆるゆるレビュー

ここ二年くらい、どういうわけか、メディアでおみくじについて尋ねられることが多くなってきました。特段、専門家というわけでもなく、単に各所でおみくじを引いては集めつつ、路上観察的/考現学的な感じで個人的にゆるく(時には真面目に…!?)愉しんできただけのことなんですが、ともかくそんなときはわかる範囲でお答えしています。

自分の足で見つけてきたことや誰かにきいたことなど有用そうな独自情報と思われるものはもちろんなるべく多く盛り込めるよう心がけていますが、一般的なおみくじ豆知識や、特におみくじのルーツに関することなどについては大体、以下の本を参考にしてることが多いです。この際なので、独断と偏見でゆる~く紹介します。



「日本おみくじ紀行」
島武史 ちくま文庫

私がおみくじを行く先々で引いてみるきっかけとなった本。当時、私自身たまたま巣鴨のとげぬき地蔵でちょっと面白い内容のおみくじを引いてしまい(下の写真)、以来おみくじというものが気になり出していたところ、ちょうど出会ったのがこの本でした。

あのときの↑とげぬき地蔵のおみくじに書かれていた気になる文言とは、「五十六十(←注:年齢)は鼻たれ小僧との気概を持って」「枯木に花が咲くのたとえで」というものです。お年寄りの街だから、おみくじも対象年齢を絞ってきてるのか!?と急に興味をおぼえました。場所に合わせて個性が出てくる面白さ。他にもそういうことってないのかなー、とうすうす思っていたのですが、この本に載せられた各地のおみくじを見て、それは確信に変わったのでした。以来、自分でも、おみくじを各所で収集する癖がついてしまったという思い入れ深い一冊。

ただ、難点としては、如何せん、情報が古い。この本は、この寺社ではこんなおみくじが引けます的なガイドブックとして編まれたものなんですが、現地を訪れても今はもうないというケースが結構多いです(マイナーチェンジくらいならまだいいほうで、悲しいのは業者製汎用のものに置き換わってしまったパターン)。そんなわけだから、昔はこんなんもあったのか、という参考にはなりますが、気が付いたら実際全くあてにしないで勝手に探し歩いてる自分がいました。この本が発売されて間もない頃に買っていたはずですが、当時からしても既に情報が古かったです。

おみくじって案外、生モノ。古風なものが減り業者製(特にオマケ付き)が増えたのは時代の流れと諦めるにしても、汎用ではなく、その中でその場ごとの特色を出してくれたほうが、おみくじウォッチャーとしては嬉しかったりします。そんな想いはおそらく共有しつつも、新事情までは全然フォローできてません。著者自身、実は業者製汎用なものを当地オリジナルと混同して載せてしまっているケースも散見。現在はよく見かけるタイプのおみくじでも、当時としては目新しく珍しかったということでしょうか。まあ仕方ないか。古いし。それに、実を言えば私自身も、そこを見分ける難しさには困惑し通しなのです。

それにしても、この著者の取材の丁寧さは脱帽もの。ご自身が何度も足を運び、誠実につながりを築き上げ、敬意を持って話をきいてくる、というスタイルは、特に今時では、なかなかできるものではありません。色んな意味での時代感も、資料としてオイシイ一冊です。



「一番大吉!―おみくじのフォークロア 」
中村公一 大修館書店

おみくじの歴史について、詳細な研究をもとに書かれた最も読みやすくかつ信頼の置ける本。特に、著者が中国史の専門家だけあって、漢文おみくじの中国での発展の経緯についてかなり詳しいです。易占いとの関連性にも踏み込んだ言及あり。そして日本への伝来と受容についても、それ以前にあった日本のおみくじ的なものを踏まえた上で、的確に網羅されています。

今の日本の漢文おみくじで最もメジャーな「元三大師百籤」についても、ぼんやりとした一般的な認識を越えて深く掘り下げられているので、ちゃんと知りたい人には絶対オススメです。それに、見慣れない漢文のおみくじを見て何だこれと思ったときには、この本を参照すれば大抵は何だかわかります。日本古代からの辻占・歌占の流れと江戸時代におけるそのポピュラー化についても触れられているのはさすが。現代日本のおみくじを理解するには元三大師百籤だけではなく、これらについて語らなければ不充分だと私も思います。素晴らしい本です。



「福を招くお守り菓子」
溝口政子 講談社

お守り菓子とは著者の造語で、いわばお菓子でできた食べられる縁起物。色とりどりで形も愛らしく、眺めているだけでほっこりしてきます。この本の元になったwebサイト「いとおかし」も素晴らしいです。著者が全国を巡って集めた、美しくも密やかな日本の古きよき習俗が集大成されています。

で、この本の何がおみくじと関係あるのかというと、(意外にも)フォーチュンクッキーのルーツである、日本の辻占菓子・辻占煎餅をめぐる歴史と文化について詳しいということです。それって何なのか一言で言えば、ゆるいおみくじが入ったお菓子。これだって、やっぱりおみくじです。ちょっと「点取り占い」っぽくもあるような。謎な言葉や艶っぽい文句を軽く面白がるものもあれば、何が出てもちょっと幸せな気持ちになれる縁起の良いものもあり。むしろ現代人が旅先で軽く引くおみくじは、こっちのメンタリティに近いんじゃないかと私は思っています。



「江戸の占い」
大野出 河出書房新社

現代にかなり先駈けて、大衆に空前の占いブームがやってきたのは江戸時代のこと。ちょうど時を同じくする巡礼ブームや流行り神ブームなんかは、ほとんどパワースポットブームじゃないですか。日本人の神々をめぐるレジャーの感覚って、この頃から連綿と続いてきているものだと思います。

この本で触れられているのは、安倍晴明占い、夢占い、人相占い、そして、おみくじ。ほらほら、何だか親近感がわいてきませんか?

中でも特に、江戸時代のおみくじについては詳細なデータに基づいてかなり詳しく言及されています。同じ筆者の作に、元三大師百籤に関する専門書(後述)もあるくらいなので、相当なものです。当時の図版も豊富で、そうした占い本に特有のへろい素朴絵を眺めているだけでも楽しくなってきます。



もっともっと掘り下げまくりたい向きには、
「元三大師御籤本の研究」大野出 思文閣出版
「辻占の文化史」仲町泰子 ミネルヴァ書房
の二冊があります。かなり専門的な学術研究書です。

以上、おみくじについて深く知りたい人に、少しでも参考になれば幸いです。

テーマ : 占い
ジャンル : 趣味・実用

怪処5号



世の中のあらゆる不思議な場所に斬り込む、日本一ユニークでディープなミニコミ誌オカルト探訪マガジン 怪処 5号 - 特集 奇怪なるハコモノ/つくりびと知らずアートの世界 -に記事を執筆させていただきました。


一口にオカルトと言っても、怪談や廃墟は言わずもがな、ソウルフードに温泉にと、そのストライクゾーンの広さには舌を巻くばかり。様々な角度から人間の心の深淵を覗けること間違いなしです。


さて、私が担当したのは特集「つくりびと知らずアートの世界」の中の「おもしろ絵馬」コーナー。江戸時代からの姿を今に伝える手書き絵馬の素朴美に始まり、現代的だけれど少し突っ走ったデザインの絵馬やら、絵柄をつくるのに自分も参加できちゃうラクガオ絵馬やら、ときにヘタウマだったりシュールだったりするのも人々の心が込もりすぎてる証と思える絵馬の奇妙な魅力を、愛情をもって眺めてみました。


他にも、漠然と生きていたら見過ごしてしまいがちな(←これが「オカルト」の本来の意味ですから!)、くすっと笑える路上観察的なものから、土俗信仰的な不思議オブジェに、激情渦巻く驚きのハンドメイドスピリットまでと、広い意味でのアールブリュットな世界が満載です。


特集「奇怪なるハコモノの世界」も、気になるけどなかなか行けない(あるいは扉さえ開かない!?)謎だらけなミュージアムの潜入記が山盛り。また、個人的に最も推したいのは、週刊誌の心霊特集などで活躍している編集長の吉田悠軌さん自らによる、現役最年少イタコへのインタビューです。先入観にとらわれず、とても丁寧な聞き書きをされており、先祖を供養することと現代社会との間の微妙な現実が克明に描き出されています。


オールカラーで紙質も良くて72ページと結構な厚さもあるのに(しかもミニコミなのに!)、たったの1000円というのも「怪処」の凄いところ。ぜひぜひ、こちらからお求めください!

検索フォーム
最新記事
おみくじたんbot
  (取扱説明書はコチラ)
リンク
最新トラックバック
最新コメント
オススメ記事
プロフィール

鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。巷間の多種多様なおみくじを収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐(悪癖?)。

当ブログの著作権は著者に帰属します。引用するときは引用元記事もしくはブログトップページへのリンクを必ず行ってください。

おみくじ関係のお仕事をご依頼の方は、必ずこちらの記事を読んでから依頼・質問等してください。

仕事依頼・連絡先
kabura@gmail.com

カテゴリ
QRコード
QR
   
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。