【再録】海を見守る復興のシンボル 釜石大観音

釜石駅周辺から晴れた日には遠くかすかに見える町のランドマーク、釜石大観音。前回の三陸鉄道南リアス線で一駅乗って歩くか、バスを使えば簡単にそこまで行けます。近付いてくると、いよいよ海に向かってそびえ立つ身長48.5mの観音様の勇姿が。
2014年11月12日掲載分01

幹線道路から階段を降りて少し歩くと、参道に突入。
観光はもちろん、初詣などには地元の人でにぎわう憩いの場です。
2014年11月12日掲載分02
仁王門をくぐり、受け付けをすませて、いざ境内へ。


すると最初に待ち受けているこの建物…
2014年11月12日掲載分03


中は、なんとエスカレーターです。
2014年11月12日掲載分04
ここを通り抜ければ仏の世界…の前に。


2014年11月12日掲載分05
エスカレーターの手前には、釜石で津波の真っ只中を耐えた「奇跡の石」。津波の被害をもろに受けた釜石の町は、更地になってしまっている所も多く、仮設住宅やプレハブの復興商店街などで何とか暮らしている状況、いまだ復興しているとは言い難い実状があります。呑気な旅人の私たちとしては、この石に触れることで平穏な日常に感謝するとともに、被災した方々の一日も早い物質的・精神的な復興を祈らずにはいられません。触れる人の除災招福・強運無事を祈って水晶や降魔の剣が埋め込まれているこの「奇跡の石」、ぜひ触って、感じて、祈りを交換し合ってみてほしいと思います。



エスカレーターを上りきると、目の前に開ける美しい海のながめ。
2014年11月12日掲載分06

真っ赤な欄干が別世界を演出する浄土橋は、傍らの階段を降りれば観音様の撮影ポイントにもなっています。
2014年11月12日掲載分07




観音様の右に目を移すと、インド式の仏舎利塔。
2014年11月12日掲載分08

スリランカから贈られた仏舎利が奉安されています。

2014年11月12日掲載分09
中はお釈迦様の生涯を表したドラマチックな空間。
ここを参拝すれば、仏舎利のパワーで心身が清められ、悪い因縁などもすべて浄化されると言われています。



仏舎利塔を地階に降りると、アジアの菩薩たちの部屋へ。
2014年11月12日掲載分10
中国の菩薩と、インドネシアの菩薩です。両国から贈られたこの繊細で美しいお像は、震災で一度は損壊したのですが、奇跡的な修復でよみがえり、再び安置されたとのこと。



地階には、シルクロードの石窟寺院を思わせる八宗祖師堂も。
2014年11月12日掲載分11
日本仏教の主要な宗派の創始者たちをお祀りしています。壁はインドから運んできた赤い砂岩。だからエキゾチックな雰囲気なんですね。

2014年11月12日掲載分12
祖師堂の一角には、縁結びの仏様「愛染明王」。忘れずに拝んでおきましょう。

この八宗祖師堂も震災で壁が崩落してしまいましたが、やわらかい砂岩の砕けた赤砂に守られたおかげで、祀られていたお像はなんと全て無事でした。現在はこの壁も見事に修復されています。
2014年11月12日掲載分13
この崩れた壁から出た赤砂を詰めた「ブッパウ・ストラップ」は、ここだけの縁起物。あの大災害から仏像を守ってくれた砂だけに、どんな危機も乗り越えられる強運を授けてくれそう。小瓶を包むレースの巾着は、すべて釜石市内の仮設住宅の人たちが手作業で編んでくれています。復興にも役立っている、心強いお守りです。



2014年11月12日掲載分14
さて、そろそろメインに行かなければ。これだけ大きな大観音ともなれば、一番の楽しみはやっぱり胎内巡りです。ご利益がいっぱい詰まった観音様のお体の中を、ぐるぐる探検しながらお詣りしちゃいましょう。

2014年11月12日掲載分15
観音様の足元から、いざ中へ。



2014年11月12日掲載分16
入って最初に祀られているのは、この巨大な観音様を造るために必要な原型として作られた「芯仏」、姿形は釜石大観音そのままに等身大になっているお像です。海を守るのにふさわしい、魚を抱いている「魚籃観音」という珍しいお姿。

2014年11月12日掲載分17
復興祈願の絵馬もここで。自由にメッセージを書き残してみてください。

ひとつ上の階に上がると、観音様の心臓部ともいうべき拝殿があります。ここの観音様の魂をお祀りし、震災の犠牲者を悼み復興を祈る神聖な道場です。合掌。


さらにこの上に上がると、七福神めぐりがスタート。
2014年11月12日掲載分18
最初は弁財天。ここからぐるぐる上りはじめますよ。



ほどなくして、色んな観音様がずらりと一周並ぶ階へ。
2014年11月12日掲載分19

これは三十三観音といって、観音様が色々な救いの形に応じて様々に姿を変え、人々の前に現れるということを示しています。釜石大観音の「魚籃観音」もその一種。
2014年11月12日掲載分20
どの観音様も、とても個性的で見飽きません。たとえば上の写真。上段右の「蛤蜊観音」はハマグリの中から突如出てきて食物に宿る命の大切さを教えてくれる観音様だったり(このお像では閉じたハマグリに乗っていますが)、下段中の「楊柳観音」は楊枝に使う柳の枝を持っていて、衛生面を得意とし病気から守ってくれたりします。水面に映った月を見つめる穏やかな心を表しているのは下段右の「水月観音」、鎌倉にも有名な仏像がありますね。一体一体のキャラクターを想像しながらお詣りしていけば、自分にピッタリの救いをもたらしてくれる観音様に出会えるかも。


ここから上では、ぐるぐる上るたびに残りの七福神が登場してきます。
2014年11月12日掲載分21

七福神も三十三観音も、表面に鉈の彫り跡が残る素朴な風合い。実は釜石大観音の原型も、全部同じ作者。現代の円空との呼び声高い、長谷川 昴(はせがわ こう)さんです。ワイルドな造形感覚からにじみ出るスタイリッシュさと繊細さが素敵。

2014年11月12日掲載分22
ゴールが見えてきました。この瞬間がたまりません。
海抜120mの大パノラマがすぐそこに。



2014年11月12日掲載分23
展望台は、観音様が抱いている魚の上。
だから巨大な尾びれが見えているんです。

2014年11月12日掲載分24
お顔もドーンと間近に。大迫力。


2014年11月12日掲載分25
リアス式海岸と港の織りなす絶景を堪能。
先ほどの仏舎利塔も、はるか眼下に。


2014年11月12日掲載分26
入口まで戻ると、参拝記念証や七福神の結願記念お札を有料で発行できます。七福神のハンコを自分できれいに押せたら、願いが叶うかも。

2014年11月12日掲載分27
御朱印は、お釈迦様のシンボルマークだそうです。梵字をデフォルメしたというインド風の複雑な図柄が神秘的。


2014年11月12日掲載分28
参拝の前後にほっと一息、観音様の足元の食堂で釜石スイーツ。釜石市内の小島製菓さんが作っている「くるみだれアイス」と「ごまだれアイス」。隠し味に塩を使っているので、そのぶん香ばしい風味や甘味が濃厚に感じられます。


まだまだ復興の途上にありながら、楽しい観光や豊富なご当地グルメで旅人を迎えてくれる釜石。力強く立ち上がろうとするこの町を、大観音は今日も静かに見守っています。

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●釜石大観音 公式サイト http://www.kamaishi-daikannon.com/
≪アクセス≫
・JR/三陸鉄道 釜石駅より岩手県交通路線バス上平田方面行で約10分、「観音入口」下車徒歩約10分
・三陸鉄道南リアス線 平田駅より徒歩30分
岩手県釜石市大平町3-9-10193-24-2125
拝観料:大人 500円 中・高生300円 小学生100円
AM9:00~PM4:30(季節により変動あり)
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【再録】三陸鉄道南リアス線に乗りに行こう!絆の聖地 恋し浜駅

2014年10月29日掲載分01
釜石駅に着いたら目に飛び込んでくるのが、ドラマ「あまちゃん」でもおなじみだったこの車両。ドラマに登場した三陸鉄道は北リアス線と南リアス線に区間が分かれており、こちらは南リアス線です。平成26年4月5日に全線運行再開したばかり。

2014年10月29日掲載分02
前回はSL銀河を追いながらJR釜石線を花巻~遠野と乗ってきました。その終点が釜石駅なので、上手に予定を立てればSL銀河と三陸鉄道を丸一日で一気に楽しむぜいたくな鉄旅もできちゃう。

2014年10月29日掲載分03
三陸鉄道南リアス線の魅力は、アテンダントさんがガイドや車内販売で旅気分を盛り上げてくれること。イベント列車なども定期的に開催。目の前は「あまちゃん」の世界そのものです。

2014年10月29日掲載分04
おなじみ三鉄カラーだけでなく、こんなお洒落な新型レトロ調車両もやってきます。全線復旧に合わせて新たに導入されました。

2014年10月29日掲載分05

内装も豪華。「これ乗るのに予約とか追加料金とかいらないの!?」なんて戸惑いそうになりますが、何もしなくても通常料金で普通に乗れちゃいます。

2014年10月29日掲載分06
2014年10月29日掲載分07
車窓からは、いまだ津波の爪痕生々しい被災地が垣間見えますが、これが今まさに復興へ向けて一歩一歩がんばっている姿です。皆さんとても親切な三鉄のスタッフさんたちも、お一人お一人が心に抱えておられることは様々なはずですが、それにもかかわらず、まばゆいばかりの笑顔であたたかく旅人をもてなしてくれます。

そんな真心のこもった電車で向かう縁結びの名所が、この「恋し浜」駅。
2014年10月29日掲載分08
もとは「小石浜」駅でしたが、2009年に改称されました。ロマンチックな駅名標です。


2014年10月29日掲載分09
ホームからは海も見渡せる、こじんまりとした可愛らしい眺め。

2014年10月29日掲載分10
こちらには、地元の人が1985年に駅の開設を喜んで詠んだ短歌「三鉄の藍(愛)の磯辺の小石(恋し)浜 かもめとまりて汐風あまし」が記されています。「小石浜」駅は地元民の要請で造られた一番新しい駅でした。ホタテの養殖が盛んな土地なので、この短歌にちなみ命名されたのが「恋し浜ホタテ」のブランド。全国屈指の大変美味しいホタテとして有名です。駅名の改称は、この「恋し浜ホタテ」の漁師さんたちのアイデア。開設当初から地域住民が主体となって守り、盛り立ててきた元気な駅なんですね。

そして、恋し浜駅といえば、何と言ってもこちらの待合室。
2014年10月29日掲載分11



近づいていくと、窓からのぞくものは・・・


2014年10月29日掲載分12

中にはホタテの貝殻絵馬がびっしり。もちろん恋し浜ホタテ使用。
2014年10月29日掲載分13

恋し浜ホタテの養殖は、牡蠣の養殖と同じように穴を開けて紐で吊るしておくのが特徴。こうすることで、貝が砂を吸い込まずにすむそうです。絵馬もこれと同じ吊るし方になっているのが密かなポイント。


2014年10月29日掲載分14
床にまで、びっしり。

2014年10月29日掲載分15
こちらの机で、絵馬を書いていけます。いつも貝を洗って準備してくれる三鉄のスタッフさんさまさまです。当初は縁結びの願い事が主でしたが、震災後は復興を願うメッセージや日常への感謝などが中心になりました。念願叶って全線復旧した三鉄を、積み重なる想いでそっと支え続けるホタテ絵馬。全国から訪れる人々と被災地との心をつなぐ、もっと大きな縁結びの形が、ここにあります。

2014年10月29日掲載分16
片隅の本棚に、何気ない日々の面影。

2014年10月29日掲載分17
栃木の市民団体から贈られた、折紙の千羽鶴ならぬ千枚ホタテも。たとえ何もできないとしても、何かを伝えることで少しでも力を取り戻してほしい。そんな温かで純粋な祈りが、全国各地から次々とこの場所に集まってきます。こういう感じこそが本来的なパワースポット、聖地の趣きに思えてなりません。

2014年10月29日掲載分18
ホームには、天使やバラの透かし模様が美しい「しあわせの鐘」。
恋し浜駅では停車時間が少し長めになっているので、終点まで途中下車しなくても鐘を鳴らしたり絵馬を書いていったりと充分楽しめます。一人で来ても、アテンダントさんが記念撮影のシャッターを押してくれたりするので安心。


ここでは、せっかくだからもう少し降りてみます。

2014年10月29日掲載分19
小さな無人駅ならではの佇まいにくすぐられる旅情。


2014年10月29日掲載分20
よく整備された花壇には、バラの花が咲いていました。実はこのバラ、地元出身の人が命名した新品種「恋し浜」。つまりオリジナルです。これも密かなロマンチックポイント。「しあわせの鐘」のモチーフも、これにちなんでいます。

以前は鉄道ファンがホームで結婚式を挙げたこともある恋し浜駅。幾多の悲しみを乗り越えて、再びそんな幸せの花が咲く日も確実に近づいてきています。それはきっと、もっと大きく深いものに違いありません。



再び電車に乗り込みます。終点が近づいてくると、車内で二人のアテンダントさんが宮城県の海の民謡「斎太郎節(さいたらぶし)」を歌いながら手躍りを披露してくれました。
2014年10月29日掲載分21
お客さんたちと一体になって、車内のテンションは最高潮に。


2014年10月29日掲載分22
終点では、最後まで乗客の一人一人を最高の笑顔で見送ってくれる姿に感涙。旅人を楽しませながら被災地の記憶を広く伝えていく試みの数々、実際に一度その場で触れると応援せずにはいられなくなります。むしろ生きる力を分けてもらったような気持ちで、忘れられない旅になりました。ちなみに窓の下に書いてあるアラビア語は、震災にあたり東北に多大な支援をしてくれたクウェート国への感謝の言葉。三鉄の心は世界につながっていきます。


2014年10月29日掲載分23
終点(起点)の盛駅の通路も、復興への熱いメッセージでいっぱい。

2014年10月29日掲載分24
「盛駅ふれあい待合室」は、地元の人や旅人の憩いの場。同時に、三陸鉄道南リアス線のイベントや地域の色々な支援活動の拠点となっています。豊富なお土産グッズを選んだり、お茶を飲んでおやつを食べたりして、ほっと一息。付近にはグルメスポットも色々あるので、ぜひスタッフさんたちに教えてもらってください。
2014年10月29日掲載分25
地元の人たちによる手芸品も色々売っています。写真は、ちりめんで作られた「盛の椿」ストラップ。ブローチもありました。和のテイストが良い感じです。

2014年10月29日掲載分26
記念に切符をコレクションしてみるのも、鉄旅のお楽しみのひとつ。盛駅と釜石駅では、昔ながらの紙質と印刷のレトロな硬券切符を発行してくれます。しかも台紙つき。窓口で気軽にお願いしてみてください。恋し浜行きの硬券が手に入るのは、盛駅だけ。あとは起点から終点までの通し切符と、釜石駅・盛駅の入場券です。乗るとき使えるタイミングで買えるのが一番ですが、場合によってはそのとき実際に使わない切符でも寄付だと思って買ってコレクションに加えてしまうのはアリですよ。

次回は、再び三陸鉄道南リアス線で釜石のひとつ前の平田駅まで戻り、もうひとつの沿線パワースポットへと向かいます。

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●三陸鉄道 公式サイト http://www.sanrikutetsudou.com/
●盛駅ふれあい待合室 公式サイト http://santetsufureai.web.fc2.com/

テーマ : 鉄道旅行
ジャンル : 旅行

【再録】SL銀河で民話の世界へディープな縁結びの旅、ついでにカッパ 花巻・遠野

宮澤賢治ゆかりの花巻と民話のふるさと遠野を結ぶJR釜石線。この物語性にあふれた路線を走るSL銀河の誕生で、起点となる花巻もそれまで以上に盛り上がりを見せています。

2014年10月15日掲載分01
今年4月に運転を開始したSL銀河に合わせてリニューアルされた駅名標には、各駅ごとに宮澤賢治が愛した夢の世界共通言語エスペラント語の愛称が付けられています。花巻駅は、「チェールアルコ=虹」。

さて、なんとこの花巻には、古くから人々に伝承されてきた知る人ぞ知る強力な縁結びアイテムがあるとか!?そんなわけで、さっそく制作元を訪ねてみました。

2014年10月15日掲載分02
花巻駅から歩いて、毎年の干支や郷土色あふれるお土産用などの張り子人形をすべて手作りで生み出している「小田島民芸所」さんに到着。

2014年10月15日掲載分03
店内には、自家製になる鹿踊り人形を囲んで、各地の民芸品が所せましと展示されています。なお、普段はお店を開けていないので、じかに訪ねてみたい人は必ず事前に連絡を。

2014年10月15日掲載分04
お目当ての品はこちら。かつて円万寺というお寺で、片思いをしている人が誰にも見られないようにこっそりと奉納していたことから、「忍び駒」とよばれています。願をかけるときは裸のワラ馬ですが、恋が叶ったときにはお寺から一旦自分のところに戻し、写真のように色とりどりの布で飾って、もう一度お礼参りとして奉納していたそうです。ひそやかな想いを育ててそっと花を咲かせるような、美しい風習ですね。現在ではお寺に奉納することはあまりなく、自宅の神棚に飾ります。

2014年10月15日掲載分05
制作元だけで購入可能なのが、この裸状態の「忍び駒」。本来は自分で布を着せるものなので、飾り付け方に決まりはありません。自由にデコって願掛けしちゃいましょう。好きな柄のリボンなどで可愛くできて、しかも恋に効くということで、地元の女子中高生に大人気です。最近では、願をかけるときに想いを込めながら布やリボンを結び、神棚に置いて祈るのが主流。男子中学生が5色のリボンを一頭ずつの「忍び駒」に結んで「幸福戦隊ゴレンジャー」を誕生させた、なんて微笑ましいエピソードも。時代に合わせて形を変えながらも愛され続ける身近なパートナーとして、「忍び駒」は今日も誰かにこっそり幸せを運んでいるのです。

2014年10月15日掲載分06
最初から飾り布のついた「忍び駒」は通常、観光案内所とお土産グッズショップを兼ねた「まちなかビジターセンター」で求めることができます。花巻市街地で川沿いに立つ、蔵造りの建物です。ただ、いずれにせよ完全に手作りのため作れる数がとても少ないので、ここでも制作元でも在庫がない場合があります。つまり、レアモノ。確実にほしい人は、事前に問い合わせて在庫を確認したり、予約したりするのが良いでしょう。

「小田島民芸所」さんでは「忍び駒」の製作体験講座を小グループ~団体の予約で受け付けています。自分でイチから作れば、想いの強さがもっと伝わるかも!?なかなかそこまでは難しいという人は、遠野の「伝承園」に行けば、だいぶ小ぶりですが似たタイプのワラ馬「遠野馬っこ」を個人でも気軽に予約で手作り体験できますよ。しかも遠野には、これまた知る人ぞ知る強烈な縁結びスポットがあるんです。これはもう、遠野に行くっきゃない!



2014年10月15日掲載分07
JR釜石線は景色がとてもよく、車窓から森や渓流や牧場が見えて、絵本のような世界に浸れます。土日祝の運転日なら、SL銀河に乗れたり出会えたりというお楽しみも。遠野駅では約1時間にわたる補給停車もあるので、乗れなくてもたっぷり見られるチャンス。

2014年10月15日掲載分08
遠野駅の愛称は、その名も「フォルクローロ=民話」。柳田國男が遠野で民話や伝承を聴き集めた「遠野物語」で有名です。遠野といえば、もちろんカッパも登場。

2014年10月15日掲載分09
駅のホームから、すでにカッパだらけ。


まずは例の縁結びスポットに向かいます。駅から約2.5km、これも「遠野物語」に出てくる場所。「卯子酉様(うねどりさま)」という変わった名前でよばれる小さな祠です。どうやら川の神様らしいのですが…謎が多いのも民間伝承の魅力。
2014年10月15日掲載分10
なんかもう、とにかく効きそうなこのビジュアル!問答無用って感じです。赤い布に願い事を書いて左手だけで結べば「不思議に男女の縁が結ばれた」と「遠野物語」に書いてあるくらいですから、効果は実証済み!?右利きの人にはちょっと難しいですが、ここはプチ修行と思って気合いでミッション完了を。


残すは、「伝承園」での「遠野馬っこ」作り。こちらは路線バスなどで行くことができます。

2014年10月15日掲載分11
入り口には、巨大なカッパが鎮座。

2014年10月15日掲載分12
園内には、古民家や水車など、昔の建物がたくさん立ち並びます。

2014年10月15日掲載分13
やはり古民家を使った工芸館で作れる「遠野馬っこ」。同じく予約で、絵馬の絵付けとお手玉作りも体験できます。

花巻・遠野をはじめとする岩手の南部地域では、人々の生活を助ける馬を大切にしてきました。「伝承園」にも、「曲がり家」という馬小屋とくっついた作りの古民家が残されています。馬の健康を祈って、家の中には馬の姿を描いた南部絵馬が飾られていました。

「遠野物語」には、馬と人間の少女との恋の物語まであるくらいです。現世で引き裂かれた馬と少女は抱き合って天に昇り、オシラサマという養蚕を守る神様になりました。
2014年10月15日掲載分14
「伝承園」には、蚕のえさとなる桑畑に囲まれた「オシラ堂」も(上写真)。堂内には、千体ものオシラサマがひしめくように祀られています。オシラサマの服に願い事を書いて着せることもできるので、ここまでやれば縁結びミッション達成度も相当なものに!



せっかく遠野まで来たんだから、カッパスポットも巡ってしまいましょう。

伝承園から歩いてすぐのところには、カッパ狛犬の常堅寺。
2014年10月15日掲載分15
頭にお皿のある、カッパ狛犬。お寺の裏に流れる小川「カッパ淵」にたくさん棲んでいたカッパが狛犬になったと言われています。

2014年10月15日掲載分16
そしてこちらが、「カッパ淵」。いたずらなカッパがよく馬を水中に引きずり込もうとしたとか。時々、馬に負けて引きずり出されることもあるというのがなんともお茶目。

2014年10月15日掲載分17
「カッパ淵」には、お乳の出がよくなるというカッパの祠があります。

2014年10月15日掲載分18
祠には、伝承園で買ってきたカッパ絵馬を奉納。らくがおしたくなっちゃう。子供の字で、カッパハンターになりたいって書いてあるのが目立ってました。

2014年10月15日掲載分19
誰かがキュウリでカッパを釣ろうとしてる!?

2014年10月15日掲載分20
カッパ捕獲許可証は、遠野駅前の観光協会で発行しています。
裏面記載のルールを守って、めざせゴールド免許。

2014年10月15日掲載分21
SL銀河でたどる縁結びの旅、次回は終点の釜石から三陸鉄道南リアス線に乗り換えてもう一足、今話題のLOVEあふれるスポットを目指します。

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●小田島民芸所 公式サイト www.odasima.com
≪アクセス≫
・JR花巻駅より徒歩約10分
岩手県花巻市材木町10-20
0198-23-4856
営業時間 AM09:30~PM05:00

「忍び駒」制作体験の予約窓口は花巻観光協会になります(小グループ~団体のみ)。

●卯子酉様
≪アクセス≫
・JR遠野駅より約2.5km、車で約8分 レンタル自転車で約15分
・定期観光バスやタクシーの利用が便利です。
岩手県遠野市下組町11

●遠野伝承園 公式サイト www.densyoen.jp
≪アクセス≫
・JR遠野駅から早池峰バス附馬牛線(つくもうしせん)大出行き「足洗川」バス停下車徒歩3分
・JR遠野駅から早池峰バス土淵線恩徳行き「伝承園」バス停下車(本数極少注意)
・JR遠野駅より車で約20分 レンタル自転車で約30分 上記いずれにしてもバスの本数が少ないので要注意
岩手県遠野市土淵町土淵6地割5番地1
0198-62-8655
開園時間 AM9:00~PM17:00
入園料 大人320円、小中高校生220円

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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。巷間の多種多様なおみくじを収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・カード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐(悪癖?)。

当ブログの著作権は著者に帰属します。引用するときは引用元記事もしくはブログトップページへのリンクを必ず行ってください。

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