中国からやってきた学問の神様たち!

せっかくだから、前回載せた折りたたみ式以外の湯島聖堂の絵馬もここでご紹介します。

 

 

 

まずはこちら、言わずと知れた儒教の開祖、孔子です。

道徳にもとづいた理想の政治について思索をめぐらせた人。

 

江戸時代にはこの儒教が重要視されたため、もとは幕府の昌平坂学問所だったこの湯島聖堂には孔子が祀られているというわけです。

 

政治経済や哲学など文系の学問を目指す人は、あやかってみるといいかもしれません。

 

そして何と言っても、もう一枚には、珍しい神様が。

 

 

 

角が生えていて、葉っぱを着ているという怪しい風貌です。一体何者?!

 

実はこのお方、「神農」といって、古代中国の神話の時代を生きたといわれる伝説の皇帝です。その名のとおり、農業をつかさどります。

 

また、世界中の草を全て毒見し、人間に薬と毒の知識をもたらしたとか。この葉っぱの服を脱げば、なんと体が透明で、内臓が透けて見えるそうですよ!

そして、草を食べたときの、内臓の色の変化で毒を見極めたということです。

 

このため、神農は医学・薬学の祖とされています。日本でも、薬売りなどの間で伝統的に信仰されていました。湯島聖堂の奥には神農廟もあり、定期的に祭礼もなされています。

 

医療や自然科学などの理系を目指す人には、こちらが良いかも。

 

ひとくくりに学業成就/合格祈願でも、こうして意味合いによって絵馬を使い分けてみると、より神様へのパーソナルな親近感が増してくるような気がしませんか。

 

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大仏様におたよりを書こう!

 

霞ヶ浦のほとりの広大な平野にそびえ立つ、120メートルの牛久大仏は、余裕で日本一の巨大仏。創建当初は世界一の高さだったので、当然ギネスにも載っています。ちなみに左下の一見すると謎な物体は、螺髪(らほつ)という大仏様のパンチパーマみたいな髪型の中からたった一巻き分を再現したもの。これだけでも、両手をめいっぱい広げたくらいの幅があり、牛久大仏の大きさを実感することができます。

 

そんな牛久大仏にも、絵馬が用意されています。説明書きには英語も。世界的にも現在2番目の高さということで、諸外国からも訪れる価値は充分ですね。

 

 

 

 

 

 

裏側(写真右)をみると、「阿弥陀様へのおたより」となっているのが、温かくて心の込もった雰囲気を醸し出しています。そんなところは絵馬の原点をふと思い起こさせてくれるかのよう。願い事を書き込む欄の左側に書いてある漢文は、日本の阿弥陀信仰において最も重要な書物のひとつとされる「浄土論」の一説。これがわざわざ書いてあるというのも、なんだかそれだけで写経を奉納した気分になれそうです。

 

書かれたものをざっと見てみると、色々な願い事に混ざって外国の文字がたくさん目につきます。

 

 

 

よくよく見ると、これはタイ語。外国語で書かれた絵馬のほとんどが、タイ語です。そんなにタイ人が多く訪れるのは一体なぜ!?

 

それは実際に牛久大仏の胎内を参拝し、エレベーターで最上階(!)まで上ってみるとわかります。そこに安置されているのは、タイの仏像。

 

 

 

 

明治三十三年に、タイ国(当時はシャム国)から仏舎利が贈られたのです。左写真の仏像の左下にみえる舎利容器に収められています。また、約一千年前に造られた仏像も二体、シャム国王から贈られました。

 

仏教への信仰篤いタイ国民、これだけ自国と縁深く仏舎利が祀られているとあらば、日本へもツアーを組んで巡礼に訪れます。そんな人々の思いが、仏様への「おたより」として絵馬にしたためられていくというわけです。こんなところから、絵馬の精神が国を超えて伝えられているのかもしれないと思うとなかなか意外ですね。

 

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イケメン文殊に合格祈願!

 

 

 

 

このオールバックのイケメンは一体何者?こんな髪型でカッコつけてるからって、不良少年じゃありませんよ。実はこのお方、仏様なんです。それも知恵と学問の仏様、文殊菩薩。

 

菩薩なのに変わった髪型の文殊菩薩は、東京都目黒区の五百羅漢寺にいらっしゃいます。五百羅漢寺は、江戸時代の仏師・松雲元慶が十数年かけて彫り上げた五百羅漢像を安置するお寺です。現存するのは300体以上!すべて等身大で顔も表情もしぐさも違う羅漢さんがずらりと並ぶ圧倒的な衝撃を都内で体験できるのは超貴重。

 

その中心におわしますのが羅漢さんたちのお師匠様、ひときわ大きな釈迦如来像。その両脇を固めるのが、文殊菩薩と普賢菩薩。このお二方はさしずめ学級委員長と副委員長といったところ。教室もといお堂には、「比丘たちよ・・・」とお釈迦様の説法がテープで延々と流れます。なんだかそれだけでもう、賢くなったような気がしてしまいそう。

 

そんな仏の知恵が充満する空間で、おずおずと合格祈願。委員長、じゃなかった文殊菩薩様の絵馬を手に取ります。そしていざ願い事を記入すべく裏返すと・・・。

 

 

 

裏面にはなんとご丁寧に、志望校を書く欄まで!ていうか他にもなんか色々細かい!さすが委員長、髪型が最先端のオシャレのみならず、几帳面でいらっしゃる。なんというパーフェクトな心強いイケメンっぷり。こんな抜け目なく素敵な文殊菩薩様に応援してもらえば、重箱の隅をつつくような受験勉強もバッチリ乗り切れることでしょう!

住吉さんの猫で事業発達!

寺社のマスコット的なキャラクターをかたどった変形絵馬は、見ていて楽しいものばかり。

 

 

元祖ゆるキャラ?この裃を着てすました独特な姿の招き猫は、大阪の住吉大社境内の楠珺社(なんくんしゃ)で授与される縁起物の土人形がモデル。樹齢千年を超える楠のご神木が青々と茂るこの末社は、生き生きとしたエネルギーにあふれていて、いるだけで元気をもらえる場所です。

 

ここの土人形の招き猫は本来、毎月最初の辰の日にお参りして商売の発達を願う初辰参り(はったつまいり)に訪れたしるしとして授与されるものでした。偶数月には右手、奇数月には左手を上げている招き猫をいただくのがならわし。そうして48体集めると、四十八辰(しじゅうはったつ)→始終発達ということで大変縁起がよく、スペシャル版とでもいうべき大きな招き猫一体と交換してもらえます。こんなところでも、駄ジャレ縁起かつぎが大活躍ですね。

 

こんなに何度も通って、レア開運グッズと交換するためにせっせと招き猫を集めてしまうほどの熱い信仰が息づく楠珺社ですから、絵馬にも気合が入るはず。絵馬も招き猫もたくさん奉納されていて、ここで商売繁盛を願う人々の生命力をいっそう盛り上げています。そんなポジティブな願いのうずの中で一緒に祈願すれば、やる気がわいて商売も仕事の業績もぐんぐん発達していけそう!

 

丸い形には神様が宿る!?

丸い絵馬といえば、誰でも修学旅行などで一度は訪れそうな京都の超メジャー観光スポット三十三間堂にも、縁結びではないですが少し変わったものがあります。

 

 

切り抜きまで施されたスタイリッシュなデザインなので、一見すると気のきいたグリーティングカードかお洒落なオーナメントのよう。大勢の人たちが観光記念に、思い思いの希望を託して奉納していきます。真ん中に描かれた仏画の千手観音が40本の脇手を扇状に広げる姿も、丸い形に収まりがよく、すっきりとした印象。周りを取り囲む梵字も、なんだか曼陀羅のようで神秘的です。この一枚だけ飾っても美しく心地よい感じは、もしかすると懸仏(かけぼとけ)をイメージしたのかもしれません。

 

懸仏というのは、丸い銅板に仏のレリーフを施したもの。日本の神様は神社や神棚などでも丸い鏡で表されますが、この鏡をかたどった円盤の上に仏様の姿を重ねることで、神と仏が一体だということを表現しているのです。神仏習合がごく自然な感覚だった頃を偲ばせる品です。

 

ここをクリックすると千手観音の懸仏を見ることができます。

 

今でも古くからの観音霊場など神仏習合の雰囲気を残すお寺では、お堂の正面上方や鴨居の上などに大きめの懸仏が掲げられていることもあるので探してみるとよいでしょう。

 

 懸仏は、平安時代に絵馬とごちゃまぜで祀られている様子を描いた絵が見つかっており、絵馬との区別が曖昧だった時期もあるとされています。つまり、それほど絵馬の形には案外決まりがないということ。特に丸い形はその名残りと思えば、妙にしっくりくるような気もしてくるから不思議です。

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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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