梅田の天神様

大阪梅田の、阪急やロフトがひしめく中心地に綱敷天神社御旅社はあります。

ビルの谷間の小さな神社。

この、ある種浮世離れしたロケーションに合わせて、こんな絵馬が用意されていました。



ちょっとシュールな取り合わせです。
現代の梅田の風景に、パラレルワールドをほのめかすような霊芝雲を配して天神様。御神木の梅も一緒。
梅田という地名は、この神社が由来とのこと。

天神様といえば、撫で牛もしっかりいました。

目がくりくりしてて可愛い感じです。なでなで。

大都会の喧騒の中、ちょっと立ち止まって深呼吸できそうな静かな一角でした。

鷲神社・熊手を買う人(東京・浅草)

鷲神社・商人

浅草の酉の市で有名な、鷲神社の絵馬です。ここの絵馬は、境内の景色にちなんだものや干支など色々な絵柄を出しています。その中でも、酉の市の様子を描いた絵馬は、屋根つきという力の入れよう。

実はこの型の絵馬、2種類ありました。もう一方は、歌舞伎役者のような伊達男二人が熊手を物色しているというなんともカッコイイ絵。それなのになぜか、やる気なさげな何ともさえない男の絵を選んで買ってしまうのは、マヌケ物収集好きの悲しい性といえましょう。

顔も覇気がなければ足取りもおぼつかない。熊手を買っていくくらいだから商人でしょうが、ハッキリ言って、もうかってなさそう!熊手のデザインも、なんとなくイケてない!こういう絵馬は、早々に在庫が切れたらそれきりなくなってしまう可能性があります。レッツ保護(笑)

ていうか、伊達男のほうは江戸時代で男二人というだけにソレげな展開を疑ってみてもよかったかも、ということに今更ながら気付きました。今度改めてチェックしに行こうと思います。

平等院(京都)

平等院1

雲中供養菩薩に鳳凰ときたら、もはやベタなほどに平等院。
10円玉でおなじみの鳳凰堂と、そこにおさまる定朝の阿弥陀如来像よりも、どういうわけか土産の世界ではこっちのほうが人気者だったりするようです。

この平等院、ミュージアムのグッズがかなり豊富。そのほとんどが、鳳凰と法相華文と雲中供養菩薩モチーフだったりします。とにかくオサレなのです。ただ、その中でも個人的に出色だと思っているのは、雲中供養菩薩トランプだったりするわけですが。雲中供養菩薩全52躯(13×4!)+ジョーカー鳳凰一対(つまり2躯!)という絶妙のピッタリ感がたまりません。やっぱり平等院グッズといえばこの組み合わせが最強!

それはさておき、ある程度寺社巡り慣れしてくると、ここで「おや?」と思うポイントがひとつ。なにしろ「授与所のお守り」じゃなくって、「ミュージアムのグッズ」ですから(いつのまにか通販までしてるし!)。とはいえ仮に「授与所」であったとしても、昨今はほとんどグッズコーナー化が進んでいることに変わりないような気もするので、逆にこの潔さは素敵だと思います。まさに時代の最先端!

そんなグッズコーナーに並ぶ、黄金コンビなこの絵馬はかなりのミニサイズ。キーホルダーのように鞄に提げてもいいくらいの可愛らしさです。裏面はこのとおり。

平等院2  平等院の袋

はじめから文字が入っているので、あまり願い事を書くことは想定されていない雰囲気だし、境内に絵馬掛け所らしきものも見当たりません。そして購入すると右の写真のような、これまた可愛い脱力系の袋に入れてくれます。一応は寺社の公式の絵馬でありながら(絵馬型の根付でもないのに)、これほどまでにどこからみても土産物であることを貫いているのは平等院の絵馬くらいではないでしょうか。

戦後の観光ブームに乗って、絵馬そのものの土産物化という動きが避けられなかったのは確かです。けれど私が思うに、寺社巡り観光がブームになったからといって、そこでよりよい人生を願う気持ちがなくなったわけではありません。絵馬も同じ。たとえ本来の目的とズレていたとしても、色んな楽しみ方があっていいんだと思います。それはきっかけにすぎないのですから。可愛い絵馬で、ほっこり幸せに。自分なりにお洒落で楽しい使い方を考えてみるというのもオススメです。

こんにゃくえんま源覚寺(東京)・塩地蔵

関連記事→こんにゃくえんま源覚寺(東京)

源覚寺・塩地蔵

えー、コレはなんでしょう?

雪だるま、じゃないですよ。


実はこの白いのは、塩です。

そしてこの、なんか塩の柱みたいな謎の物体の中には、お地蔵様が隠れていたりします。

それが、塩地蔵。
正確には、塩を塗って願掛けするお地蔵様なわけですが。

塩地蔵というのは都内に何箇所かあって、塩を普通に品良くお供えするものから、こんなふうに原型を留めないほど完膚なきまでに塗り込めまくるものまで様々です。少なくとも、こんなありさまで絵馬の絵柄になっているのは、ここだけですけどね。

塩を供えて祈願し、叶ったらまた倍にして供えるとか、自分の体の悪いところと同じ箇所に塗り込むとか、そんなのいいからとにかく塗って塗って塗りまくって祈願するんだとか諸説紛々ですが、ひとつだけ言えるのは、やりすぎだということです。

こういった願掛け地蔵というのは、時としてこのやりすぎ感がたまらないわけですよ。縄だらけの「縛られ地蔵」とか、顔におしろいを塗られまくる「化粧地蔵」とか、削られすぎてなんだかわからなくなってる「かんかん地蔵」とか、数を挙げ出すとキリがありません。いつだってやられ放題で、しかも喜んでそいつらの願いを叶えてやっている地蔵たちは間違いなくマゾです。

そして地蔵を描いた絵馬は数あれど、こんなやられすぎな姿で絵馬になっているのは、やはりここだけですよ。金町(東京都葛飾区)の縛られ地蔵の絵馬でさえ、少なくとも顔ぐらいは出ていますから。そもそもこの塩地蔵絵馬、もし何も説明がなかったら、何の絵だか見当が付かないんじゃないかと思います。この唐突さにまさる絵馬を、私はむしろ知りたいくらいです。

東伏見稲荷神社(東京)

東伏見稲荷境内図

東伏見稲荷神社は、戦前、東京にも伏見稲荷をと創建されたところ。
本家の伏見稲荷までとはいかないが、拝殿・本殿の裏は森になっていて赤い鳥居が林立する中に「お塚」とよばれる祠が点在し、ちょっとした「お山めぐり」を体験できるようになっている。

この絵馬は、境内のそんな風景をあらわしたもの。社殿裏の鳥居群が左右対称に配列されている。実際はもっとごちゃごちゃとした印象だったはずだが、そんなことはもはや関係ない。画面中央に雲が配されていることから、ここに描かれているのはある種の理想化された別世界だということがわかる。

神社の境内が描かれるのは、ただの風景画としてだけではない。鎌倉時代に多く製作された宗教画の形式のひとつに、宮曼陀羅というのがある。誰もいない神社の風景を鳥瞰(ちょうかん)図的に表すことで、その聖地性を際立たせ、またその空間に凝縮された小宇宙を見出す。この絵馬の絵柄は、そういった描き方に近いように思う。

実際に境内を歩いてみると、本殿を中心に小さな稲荷のお塚が取り囲み、その祠の周りをさらにおびただしい狐の像などが埋め尽くすさまは、曼陀羅の構造とよく似ているように思う。そんな不思議な空間をさまようと、なんだかミニマルな浮遊感にとらわれて、そのまま異界へ飛んでいってしまいそうな気がしてくる(本家・京都の伏見稲荷はもっと飛び抜けてすごい)。

こういった感覚をすっきりと表現してくれているこの絵馬は、見ているだけで鳥居などの配置のテンポが心地よく、目と心を異空間へと誘ってくれる。
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ(グラフィック社刊)」発売中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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