あけましておめでトリん♪

あけましておめでとうございます。

なんだかんだで今時、細々とですが当ブログが続いていることに驚かなくもない今日この頃です。

まるで昔の「ほおむぺえじ」というやつのままじゃないかぐらいの時代に逆行っぷりですが、まあなんか、べつにいいやと思ったり思わなかったりしております。

本年もよろしくお願いいたします。


年末には、お伊勢参りに行ってきました。


伊勢神宮では、鶏を特に大切にしています。

夜明けを告げる鶏は、アマテラス大御神の岩戸開きにも一役買っているからです。


そんな伊勢神宮の、酉年の絵馬というのは何ともぐっとくる気がします。

夜明け、つまり闇からの復活再生を表すということで、酉年は一陽来復の年とも。

というわけで、今年の消しゴムはんこ自作絵馬は鶏をパワーアップさせて火の鳥とか鳳凰な感じを狙ってみました。

数年ぶりに細かいのをがんばった。けど、微妙にただの変な怪鳥という気もする( ̄▽ ̄;)



気を取り直して、お気に入りの鶏な郷土玩具でも載せていきます。


まずは伊勢の一刀彫り。

宮大工が神宮の余った御用材で作るという伝統の品です。

やはり伊勢ですから、干支と関係なく鶏が主役っぽい感じ。雌鳥がちょこんとしてて可愛いです。


伊勢神宮で授与される、毎年変わる伊勢一刀彫り干支守りはこちら。

大胆な造形がかっこいいです。

新鮮な楠のアロマが効いているので、しばらくは手近に置いて森の香りに癒されたいところ。

神宮の干支守りは、毎年受けると強運になるという噂もどこからとなくあったりします。

一巡して同じ干支になっても必ずデザインが変わるので、集めていても飽きないそうですよ。


もうひとつ鶏がイチオシなのは、秋田県米沢市の笹野一刀彫。

同じものがモチーフの干支絵馬をバックに飾ってみました。

こちらの特徴は、何といっても、木を繊維の向きに沿って薄く削り、繊細にカールさせていく「削りかけ」という技法。

しっぽや羽の、ひだのような表現にこれが生きています。

そして、この「削りかけ」を最強に極めたのが、こちらの「尾長鶏」。

幾重にも重なる、今にも壊れそうな尾が美しいです。笹野一刀彫は「お鷹ぽっぽ」が有名ですが、私はこの「尾長鶏」が間違いなく最強だと思います。

まあ何というか、今年もこんな感じで、ゆるゆると好きなものを愛でていきたいです。




猿な絵馬色々。

あけまして遅くなりましたが。なんだかんだで今年も年賀用けしごむはんこ絵馬、作りました。

猿に桃を持たせるのは絵馬の世界では定番で、豊穣のシンボルです。あと、昨年、千葉市美術館でみた「唐絵もん」という展覧会の紹介映像に出てきた林ろう苑(←漢字が出ない)という人の猿の絵のぶら下がらせ方がかっこよかったので、おぼろげな記憶で真似(にすらなってないと思うけど)しつつ、ついでに(たぶん桃の)花も咲かせてみました。花を10個くらいまとめて彫ったのを適当に押してグラデーションつけようとしたら、位置が思い通りにいかないし果てしなくめんどくさかったので、どうせなら何段階か多色刷りのつもりで最初から全部彫ればよかったのにとか思ったり。

最近の桃持ち猿の絵馬では、こんなんがあります。

ミニサイズ。12年前に上野公園の五條天神社で購入しました。汎用っぽいので、他のところでもあるかも。今でもあるかはわかりませんが。古式絵馬のは今すぐ出てこないので、また今度。


こちらは武蔵野地域に伝わる古式絵馬、飯能絵馬の御幣持ち猿。山王様か庚申様のお使いとしての猿の姿。すねた顔がお気に入りです。同様のものは、川越の本多商店さんや府中駅前フォーリス内の「中万」という文房具屋さんで取扱いがあります。本多商店さんのほうが時期に関係なく作っているので確実に置いているはず。


庚申さんのお使いなら、見ざる聞かざる言わざるの三猿。写真は柴又帝釈天の参道のお土産屋さんで買ったもの。これも12年前かも。


今年の正月に一番面白いと思ったのは、こちら。

兵庫県の西宮にある廣田神社の干支絵馬です。作者は画家の武井泰道氏。過去のを調べてみたら、ここ数年同じ人が描いていましたが、べつに阪神タイガース仕様ではなかった模様。猿ならいじりやすかったとかで今年だけなのでしょうか。とはいえ寅年に期待!

ぶっとく生きようぜ!午年の三嶋駒

もう1つか2つ寝るとお正月。来年の干支、午年の絵馬も各地の神社でちょいちょい出始めてきましたね。

静岡県の三嶋大社では、毎年12月25日から、お正月の縁起物として、他では見られない独特の干支絵馬を授与し始めます。それがこの「三嶋駒」。



木のかたまりかってくらい、ぶっといです。
将棋の駒のように分厚いので三嶋「駒」といいます。

ルーツは絵馬にあるようですが、資料などは全く残っておらず、なぜこうした形になったかは謎だそうです。ただ、太く大きいほうがより力強くめでたい感じがするということで自然とこうなったのではということでした。

そもそも絵馬というのも、お焚き上げされてしまったりして昔のものはなかなか実物が残りませんし、わざわざ編まれた資料も決して多くはないので、謎が多いジャンルです。とはいえ、わからないからこそ想像の余地も広がるし、ロマンがあるのかも。

絵馬といえば馬、駒もやっぱり語源は馬。この機会に、今しかない馬の絵柄の三嶋駒を初詣で入手してみては?

円珠院(東京都江東区) 干支・龍

円珠院 手描き干支 龍

手のひらサイズも可愛らしい、この手描き絵馬は深川七福神の大黒天を祀る円珠院というお寺で出されているもの。お正月には元旦から15日までの七福神めぐりでにぎわう中、おとぼけ顔で温かみのあるタッチの龍が目に入ると心もなごみます。干支なので毎年絵柄が変わるのも楽しみ。境内に絵馬掛け所のようなものは特にないので、持ち帰って飾り、新年のワクワク気分を高めて気持ちを新たにするのが良いと思います。

ところで龍って、小絵馬の世界では実は新参者の部類なんです。というのも、美術的な派手派手しさが求められる大絵馬ならともかく、個人が願いを込めて密かに奉納したり家に持ち帰って祀ったりする量産型の小絵馬は庶民の生活と信仰に密着したもの。龍の絵柄の手描きの小絵馬というのも一見すると古くからありそうな感じを受けますが、干支の絵馬が登場するまでは、意外にもそういったものは見当たらないようです。龍は想像上の動物ですし、そのへんにいる蛇だとか家畜なんかに比べるとそれほど身近ではなかったのかもしれません。

馬の絵にはじまると言われる絵馬にはさまざまな絵柄がありますが、かつての小絵馬はその絵柄ごとに意味が込められていました。今日のように文章で願い事を書くのではなく、絵がその役割をはたしていたのです。そして文章も自分の名前も書かずに、年齢あるいは生まれ年の干支と性別だけを記すのが普通でした。絵柄によって奉納先の寺社が決まっていることもありました。

これでは面倒だということで、どこの寺社にでもどんな願い事にでも対応できるオールマイティーな小絵馬が登場してきます。そのひとつが、干支を描いた絵馬。現在ではお正月にその年の干支の絵馬で願い事をするのが普通ですが、これは実は戦後に絵馬が機械で量産されるようになってからの話。それ以前は、その年の干支とは関係なく、その人の生まれ年の干支の絵馬に年齢と性別だけを書いて奉納していました。願い事は、自分自身と神仏だけの間の秘密ということなのでしょう。そんな経緯ですから、龍と犬と兎と羊を描いた小絵馬をみるには干支絵馬の登場を待たなければなりません。特に羊は日本であまりメジャーな家畜とはいえないので、現在でも絵馬の絵柄としては干支以外ではまず見られないと思われます。

ですが、やはり龍は縁起の良い動物で絵的にも美しいので、小絵馬として手元に置いても嬉しいもの。にらみをきかせた凛々しい龍もいいですが、この円珠院の手描き絵馬のような、一目でほっこりするお茶目な龍も新年のハッピーな気分を盛り上げてくれそうです。


※残念ながら、描き手が高齢のため2013年か2014年頃廃絶してしまいました。

鶴岡八幡宮(鎌倉)・2011年卯の干支絵馬と大銀杏

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2010年3月10日、鶴岡八幡宮の大銀杏が倒壊してしまいました。このご神木は、源公暁(くぎょう)が源実朝(鎌倉幕府三代将軍)を暗殺するとき後ろに隠れていたことで有名。いわば歴史の生き証人です。それだけに、失われてしまった寂しさは相当なものではないでしょうか。あれ以来、私は何か胸の詰まるような感じをおぼえ、ずっと鎌倉には足が向かずにいました。

ですが、夏も盛りの先日、たまたま用があって鎌倉を訪れた折に、ふと鶴岡八幡宮の授与所で絵馬をチェックしてみたら、気付いたのです。2011年の干支のうさぎの足元に、銀杏の新芽が描かれていることに。芽が出はじめたのは2010年4月だそうです。絵馬のわきには、大銀杏の枝で奉製されたお守りも置かれています。この様子を見て私は急に少し救われたような心地になり、かつて大銀杏のあった場所をこの目でしっかり確かめてみようと思い立ちました。

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黒いカバーがかけられ痛ましい大銀杏の姿。二箇所に分かれているのは、倒れた大銀杏を3つに分けて、元の場所には上のほう2つを保存し、根元から高さ4 メートルまでを7メートル先に移植したためです。近づいてみると、根元を移植したほうには、大きな絵馬が掲げられていました。

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「大銀杏の芽吹きを祈る大絵馬」鶴岡八幡宮鶴の子会による奉納ということです。がんばれ、元気になってね、もとのように大きくなってね、と子どもたちの温かなメッセージが寄せ書きされています。復活再生への力強い願い。それは2011年の今を生きる私たちの思いとシンクロしているように見えてなりませんでした。奇しくも大銀杏の倒壊から丸一年、そしてその向こうがわに続いているこの夏。無力な私には祈ることしかできません。

何ともいえない気分になった私は、せめて新芽を見たいと石段を昇っていきました。この黒い幕の裏側を、大銀杏が元あった場所の少し上あたりから見下ろします。すると、たしかに見えました。幕の合間に目をこらすと、幹の周りに天を向いて生え出た何本もの細かい枝を、小さな緑の葉が覆っています。この瀕死だった大銀杏に皆の祈りが届いて命が芽吹いたということ、それ自体がまた祈りであるかのように思えてなりません。世界中あらゆる喪失からの再生あらんことを。
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ」(グラフィック社刊)もうすぐ発売。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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