東伏見稲荷神社(東京)・卯年2

三段うさぎ

卯年3発目にして、3段重ね。

だんご3兄弟?はたまた鏡餅?

それとも亀の重なりっぷりに対抗意識を燃やしてるの図?
あのとき負けたのが悔しいからって、そんなとこで張り合おうとせんでも。

ブレーメンの音楽隊並みの無理な体勢。組み体操も、ほどほどに。

みんなで協力してがんばろうみたいなメッセージなのか、それとも亀のまねなんかしてるよりも得意なことで勝負せいっていう教訓なのか。妄想すればするほど、謎は深まるばかり。何を思って描かれたのか、気になる一枚です。
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亀戸香取神社(東京)・卯年

うさ宝珠

卯年2発目。神社名は朱印で直接押してあるので、たぶん他のところでも使われている絵柄なんだと思います。

丸まって、今度は宝珠になってしまいました。てっぺんでお尻がとんがってたりするのがまた、桃みたいで可愛いです。どうもうさぎは丸まりさえすれば色んなものになれるということで、いじりやすいキャラなのかもしれません。

宝珠は、仏舎利(お釈迦様の骨)を象徴し、望むものをなんでも出してくれるという不思議アイテム。
悟りを表すというタテマエのもとに、どういうわけか何とも俗世っぽくて、ワクテカしてしまいます。
形もなんとなくエロティックだし。いかにも宝物っぽいめでたげな色使いで、いいことありそうな雰囲気。

もしかして桃っぽいというのも意識してるとすれば、桃は実の形が陰陽マークや女性器(ってお尻か?まんまだなオイ!)に似ているとされ、そこから生産力が強まるとされる信仰もあります。中国では仙人の果物だったりと、これまた縁起の良い物。

画面上部の赤い雲は、どことなく幔幕を意識しているようなデザイン。
古い絵馬に出てくる絵柄の定番ともいえる幔幕は、のれんとかカーテンみたいなものですが、女性のあそこのアレを表すともいわれています。まあそのうちここでも出てくるので、今しばらくお待ちを。

そんな感じで、さりげなく色々と欲望の渦巻くうさぎなのでした。

東伏見稲荷神社(東京)・卯年1

月輪のようなうさぎ

なんか遅くなってしまいましたが、多少はタイムリーに今年の干支の絵馬を上げてみます。

まずはこれ。なんかうさぎが、赤マルになってる!

うさぎは古来から月の動物とされてきたので、この丸は月輪を表したかったんじゃないかと。赤いから、なんか太陽みたいな気がしちゃうのがちょっとネックだけど。そして投げたり蹴っ飛ばしたりできてしまいそうな、いい丸まりっぷり。でもこんな色だからって、べつに野球のボールになりたかったというわけではない、はず。

うさぎそのものが丸まって、月になるっていうのはなかなか大胆な意匠だと思います。禅の世界では月あるいは円というのは悟りの境地の象徴。このうさぎが自分の全身を使って月を表しているように、悟りのようなすがすがしい生き様を体現できたらいいなっ、みたいなメッセージをこの絵の作者は込めたんじゃないかとか、私としてはつい深読みしたくなってしまうのでした。なんにせよ、そんな感じで今年も色々がんばっていきたいものです。

ミニ蒔絵!?

おひなさま

裏(ベース)は七福神

浅草の羽子板市でみつけました。「松菊」さんという江戸節句人形のお店が出している屋台に、なにやらキラキラしたミニ絵馬がたくさん並んでいます。大体、横5センチくらい。小さいです。黒光りして、どうも蒔絵のよう。鳳凰や芸者のようないかにも和風でめでたそうなものから、おや、キティちゃん?果てはドクロまで・・・これは一体!?

よくよく見ると、このバラエティに富みまくった絵柄は全部、携帯電話用の高蒔絵シールでした。裏をみると、なぜか七福神。きいてみると、この七福神ミニ絵馬を土台に、まず裏側をマジックで塗りつぶし、そこに高蒔絵シールを貼った上からニスを塗ってつやを出しているとのこと。たったそれだけなのに、一見するとなんだか本当に漆で蒔絵を作ったかのような重厚感がっ!お好みでラメをまぶすと、それはもう螺鈿や雲母のような輝き。

私が選んだのは、ひな人形が描かれたもの。このお店は本来ひな人形のお店だし、そもそも絵馬に立ち雛というのも、伝統的に婦人病の平癒や健康祈願に用いられてきた絵柄ですからね。最近は縁結びの絵馬にもよくみられますが。こじんまりとした大和絵風の意匠は、それだけでシンプルな格調高さを感じさせます(←気のせい?)。でもそれだけじゃ少しさびしいからとオプションでラメを入れてもらったら、たちまち幻想的な日本画の世界に。単純なようだけど美しく魅せる工夫が詰まった、手のひらにおさまる小さな美術品。持ち歩けばいつでも、心の潤いです。

伏見稲荷大社(京都)

伏見稲荷・表

全国の稲荷神社の本家本元、伏見稲荷大社の絵馬は、狐の顔をかたどった三角形。
線だけで描ける糸目はまさにキツネ顔。なんだかあっさりしています。

伏見稲荷・裏

裏も、願い事を書くスペースは少なめ。なにも住所なんかにそんな割かなくても、と思うくらい。
これではちょっと書き足りないのでは・・・?


と思いきや、なんと文字だけでは終わらない!

伏見稲荷らくがお

そのあっさりした顔は、好き勝手にいじりたおすためだったのです。
化粧映えする顔なんてよく言ったもので、手を加えてはじめて完成・・・っていうか、もう描かれたい放題。
実にいろんな顔があります。まん丸お目々のオトボケ顔から、キラキラのベルばら風少女漫画フェイスまで、千差万別。いくら見ても見飽きるということがありません。まるで一人一人の姿も心も願いも、すべて違っていながら、それぞれがかけがえのない生命力を放っているように。

「らくがお」式の絵馬には、こんなふうに、顔を描くことで言葉以上の思いを込める機能がいつしか備わっているように思いました。同様のものでは、日本一の大黒像が有名な妙義山大黒神社にうさぎの顔の形の絵馬があるそうです。やはりこんな糸目をしています。うさぎなのに(笑)。この顔って、つい落書きを誘うのかしら。

成田山出世稲荷(千葉県)

成田山出世稲荷・表


とにかく、赤い。稲荷神社の長く連なる鳥居のように、しつこいまでに赤いです。
なにしろ絵馬の側面まで余すところなく、しっかり赤くツヤツヤに塗ってあるんですから。

初詣の人出ベスト2で知られる千葉県の成田山新勝寺の片隅に、禍々しい鳥居のトンネルとたくさんの赤い幟が異彩を放つ、寺とも神社ともつかないお堂が出世稲荷です。そんな現世の欲望を象徴するような空間に上がる絵馬だけに、ひと味もふた味も違っていますよ。

成田山出世稲荷・裏

裏面の右下に注目。「名刺もはれます」とは如何に!?
見るとたしかに、名刺を貼って出世や商売繁盛を願っているものが散見されます。

狭いなかにも色々なところから納められた稲荷の祠が密集する境内に、ひとつだけ賽銭箱に名刺を奉納すると出世するというところがありました。前にはここに奉納するのと絵馬に貼るのとが併用されていたはずですが、いつのまにか名刺を奉納する箱は撤去されており、「名刺は絵馬に貼ってください」とのハリガミが出されていたのは割と記憶に新しいところです。うーん、なんだかゲンキンな・・・。どこまでも現世チックな絵馬なのでした。

晴明神社(京都)

晴明ブームに乗っかってすっかり大きくなった京都の晴明神社。
ここの絵馬は、晴明の「桔梗紋」の五芒星に合わせた五角形型です。

晴明神社


魔除って書いてあるけど、神社に掛けてきちゃったら意味なくね?

・・・なんてことは誰も気にせず、色々な願い事などが書かれています。
要は、奉納しても持ち帰って飾っても、どっちでもいいってことなのかも。

中でも際立っていたのは、「晴明サマ」への熱いラブコール。
漫画「陰陽師」が大ヒットした最盛期は大体2000年頃。
私が訪れたのも、まさにそんな時期でした。
耽美な少女漫画風のイラストを描き添える人も多くあり、今でいうオタ絵馬/痛絵馬の先駆けは実はここではないかと思います。

当時はこれと同じデザインのもっと大振りな絵馬に有名人がメッセージを書いたものを展示するコーナーもあり、さながら現代の絵馬堂(奉納された大絵馬や絵馬額を飾る専用の建物)の様相を呈していました。
映画「陰陽師」に関わった人たちのものは当然のように一通りありまして。
そういえば、映画「さくや妖怪伝」がヒットしますように、なんて主演女優の安藤希が書いたのもあったなあ。
こんなようなのも、かつて大絵馬がコマーシャルの機能を担っていたのが形を変えて復活したかのようで、面白いと思います。

豊国神社(京都)・縁結び瓢箪

 京都・豊国神社のひょうたん型の絵馬に、ここ2~3年の間でニュータイプが登場(通常のものは私の知るかぎり、10年以上前からずっとこの形でした)。

豊国神社えんむすび・表

 なにしろ縁結びはどこへ行っても人気が高いようで。

豊国神社えんむすび・裏

 掛けたときに男女それぞれの名前を書いた面が向かい合ってくっつくようになっているというのは、なかなかに粋なはからい。

 こちらは豊国神社の摂社、秀吉の正室ねねを祀る貞照神社に掛けられるもの。「豊臣秀吉公」と「北政所おね様」のペアで結ばれている格好です。やはり貞照神社の神門の両脇を中心に、たわわな千成瓢箪のようにぎっしりと下がっています。

 ねねと秀吉は、政略結婚の多かった戦国時代には珍しい、恋愛結婚。二人が知り合った頃には秀吉の身分も低かったため、ねねの親の反対にあったりと苦労が絶えませんでしたが、そんなことはものともせずに添い遂げたのはひとえに純粋で強い絆があってこそ。しかも秀吉は異例の大出世をするわけですから、ねねの男を見る目も大したものです。そんな二人にあやかろうとするのは、自由でありながら堅実な恋愛を求める現代人にピッタリという気がします。

豊国神社(京都)・千成瓢箪

豊国神社・表 豊国神社・裏

 豊臣秀吉をまつる京都の豊国神社。天下人らしい堂々とした神門の両脇にびっしりと下がっている、しゃもじ?・・・じゃなくって、近づいてよく見たら、ひょうたんの形の絵馬でした。まるで手描きのような朱と墨の文字が和の情緒をかもし出しています。

 門のところ以外にも絵馬を掛けるところは境内のいたるところにあり、無数に下がるさまはまさに千成ひょうたん。ひょうたんは古くから末広がりで縁起が良いとされ、また実をたくさんつけるので子孫繁栄のシンボルでした。

 また、秀吉が信長の家臣だった頃、秋葉城を攻め落とす際の合図に瓢箪が使われ、この成功から金のひょうたんが豊臣家の馬印となりました。ちなみに、これは「ひょうきん」の語源でもあったりします。

 さらに中国では、孫悟空が金角と銀角のもっているひょうたんに吸い込まれてしまう話がよく知られているように、四次元ポケットのようなものと思われたふしがあったようです。ひょうたんの中には仙人などの住まう別世界があると考えられていました。このシンボルは、茶の湯をよくした秀吉の、仙境を想う風流な一面をも表していると言われています。

 この形には、秀吉のように出世したいという願いや、ひょうたんの不思議な生命力への思いが込められているのかもしれません。
 

湯島聖堂(東京)・二つ折タイプ

東京には、もっと手の込んだ個人情報保護絵馬がありました!

湯島聖堂全景

一見すると、古地図から湯島聖堂の景観を描いた地味な絵柄。

大願成就

裏はこんな感じ。「大願成就」のかわりに「合格祈願」になっているものもあり、使い分けることができます。

それにしても、こんなに裏も表も絵柄がぎっしりじゃ、書く場所はどこ?・・・と思いきや。

開くとこうなる

開いた表側

開くんです。

これで書いて紐を通して閉じてしまえば、人に見られたら恥ずかしい志望校とかでも安心。

ていうか、下鴨神社みたいにシールで隠してしまえばすむことのような気もするんですが。
わざわざこんなに手の込んだ設計にしてしまうあたりに、何か強いこだわりを感じます。

昔ながらの木製のおもちゃのようなぬくもりとでもいうんでしょうか。こんなふうにちょっと童心に帰れるスローな仕掛けがずっと使われていると思うと、なんだかほっこりするのでした。

下鴨神社(京都)・干支絵馬

下鴨神社・干支絵馬

個人情報保護シールの先駆け 下鴨神社・干支絵馬説明書

 こちらも下鴨神社。本殿の方に、自分で取ってお賽銭箱に初穂料入れて書く場所が設置されています。干支絵馬といっても、お正月用ではなく、12種類ある中から自分の干支を選んで願い事を書くタイプ。ちなみに干支絵馬はこういったやり方のほうが古くからあり、今のように皆がそろってその年の干支の絵馬に書くという形式が出てくるのは戦後以降になります。ですが今こうして改めてわざわざ各自違うものを選ぶようなプライベートなプロセスが加わると、少し特別感が高まる感じがしますね。絵柄が全部焼き印というところもなかなか渋くてよいです。

 なんと、縁結び絵馬のみならずこんなところにまで個人情報保護シールが用意されているのがこの神社のすごいところ。考えてみると、絵馬は神仏へのプライベートな手紙のようなもの。その昔には、今のように言葉で書くのではなく、絵解きでそれとなく願い事を表す方法がたくさん編み出されて、今に至る絵馬の伝統的な絵柄が成立していきました。祈願主の名前も、今のように住所とフルネームを書くのではなく、年齢や生まれた干支と性別のみを書くのが普通だったわけです。

 願い事のプライバシーを保護したい気持ちは、本当は今も昔も変わらないはず。ただ、現代の絵馬では普通、絵を自分で描くということってなかなかないですよね。そんな手間を省いてなお中身のわからないような工夫をすれば、こういった祈願の形が出てくるのも、ごく自然なことなのかもしれません。

下鴨神社末社「相生社」(京都)・えんむすび絵馬

下鴨神社相生社・えんむすび絵馬

下鴨神社参道途中にある、小さい割に妙な活気のある神社。

こじんまりとした祠のすぐわきにある、二本の樹が幹の途中で出会って合体した「連理の榊」というご神木にちなんで「相生社」という名前になっています。こうきたらもう、ご利益はもちろん、縁結び。

やはりどこへ行っても縁結びの需要は根強いようで。当然、絵馬もたくさん上がるわけですよ。

それにしても、ここのは一味違います。一見してもなかなか手の込んだ感じのする絵馬。

実は、こんなギミックがあったんです。

 

まず、買って袋から取り出すと、裏面はこんな感じ。

びろーん

むむ、これは一体!?と思いつつ説明書を見てみましょう。

下鴨神社相生社・説明書

ふむふむ、芸が細かいですね。

とりあえず、ためしに結ぶだけ結んでみました(さすがに保管用だし願い事は書かないよ)。

結んでみた

なかなかに綺麗な見た目。

この状態で掛ければいいのねっ・・・と、ちょい待った。

これだけで終わりじゃありません。

 

もう一つ、付属品がありました。

下鴨神社相生社・個人情報保護シール!?

よく見るとこれ、シールになってます。

裏には説明が。

下鴨神社相生社・シール説明書

・・・何て芸が細かい!!

そりゃ、縁結び祈願なんて恥ずかしいから、できれば隠したいですよね。

まったくもって心ニクイ気配りです。

これ見つけたのは2002年頃なんで、金融機関とかの大事なハガキなんかについてくる個人情報保護シールが出回るよりかずっと早いですよ!?

当時はムカ絵馬ウォッチングなんかも流行っていたので、そういうものへの対策という面もあったのかもしれませんが。今は個人情報保護なんて当たり前の世の中だというのに、絵馬の世界ではこういうものって、ここ下鴨神社と湯島聖堂ぐらいしか私は見たことないです。

さらにこの絵馬の素晴らしいのは、シールで隠すという他に、結ぶというイベントまで盛り込まれているところ。隠すということが実用のみならず恋の願いのドキドキ感を否が応にも盛り上げるし、思いを込めて結べばさらに気持ちが高まるはず。

ここでも赤と白の紐が使われているのは、やはり男と女の性的なものを暗示していると思われます。そこまで想像すればもはや、結ぶのはただの紐じゃなくて、そこに仮託されたアナタとワタシそのもの。こうも気合が入れば、恋の行方にも希望が持てること間違いなしですよ!

これだけのアクションがぎっしり詰め込まれていて、しかも見た目にも美しい。
金銀のペアの鈴というのがまた縁結びらしくて、つくづく行き届いたデザインだなあと感心してしまいます。
この鈴の音が、ひととおり願いを込め終わってウキウキしながら絵馬を掛けにいくところを祝福してくれると思うと、これもなかなかに素敵なはからいではないでしょうか。

絵馬居酒屋「祈願堂」初訪問+α

 というわけで、「祈願堂」行ってきました。3軒くらい隔てた近くに「絵馬亭」というのがあるからまぎらわしいけど、べつにパチモノとかじゃないですよ。こんなに近いというのに、姉妹店なのでした。2軒分になってしまうほど絵馬があるって、すごすぎる(ていうか、きいたところによると、さらに床下などにも無数に眠らせているそうですから・・・合計7000枚以上!ひいぃっ)。

 ぱっと見は民芸居酒屋風の店構えだけど、なにしろ「祈願堂」なんていう、お店らしからぬ名前がちょっと不思議な雰囲気をかもし出しています。一歩入れば、期待をはるかに上回るほどの絵馬が、そこらじゅうの壁にびっしり。かなり昔のものと思われる色あせた手書きの小絵馬から、新しい立派な大絵馬額まであって、どこを見渡してもテンション上がりまくりでした。「奥の院」と書かれた紫色の暖簾がまたなんともお寺の洞窟の入り口っぽくて、無性にドキドキしてしまいます。伝統的な願掛けの図柄があるかと思えば、なんだかわからないシュールな脱力系の絵があったり、果ては変形絵馬や、妖怪神社の鬼太郎の絵馬まで。いくらながめても、決して飽きることがありません。

 ふと、着飾った猿が何食わぬ顔で踊っている図柄の大絵馬を感心してながめていたら、「こんなふうに生きてみたいと思ってるんだよね」と、お店のご主人。丸メガネのよく似合う、どこかユーモラスな感じの穏やかな方でした。絵馬は100枚以上集めて初めて、並べて飾ったときに嬉しくなってくるんだそうです。うーん、そうかも。私も、自由にできる壁があったら全部ぎっしり吊るしてみたいものです。。。ご主人は、大きな美術品は買えないから、そのかわりのミニチュアのようなものとして絵馬を集めるようになったのだとか。そうはいっても、普通に美術品と言っていいほどの大絵馬がいくつか掲げてあったりするのはきっと人脈の力ですね。

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 人とのつながりが好きだから、と誰にでも気さくに話しかけてくれるのはお店の奥さん。お客に請われるまま絵馬を自作するようになり、今ではすっかりそれがライフワーク。壁いっぱいの絵馬コレクションのなかにも、ところどころ彼女の作品が混ざっているのです。季節ごとに変わるお店のテーブルマットの絵手紙風なイラストも、作品のひとつ。実はもう一軒、奥さんのギャラリーとして作った「絵馬堂」というお店が谷中にあるとのこと。詳しくは、「祈願堂」へ足を運んで直接きいてみてくださいね。こちらも、せっかくだから後日行ってきました。お昼のみの完全予約制で、家庭的なあたたかみのある手料理をゆっくり味わいながら、作品の解説など色々なお話をきくことができます。絵馬と縁起よさげな骨董品でしつらえられた店内には、幸せ感があふれているようでした。ここでは色々なものが地元の人の手作りだったり、家族で古くから大事にされてきたものだったりするそうです。そんなつながりを大切にする気持ちが、幸せの秘訣なのかもしれません。おしながきやお盆も、奥さんの描いたイラスト入り。縁起のいい野菜の詰まった開運汁、絵馬型の器に大黒様の俵をイメージした肉巻きおにぎりを盛り付けたものなど、メッセージ性のあるお料理には縁起物マニアならずとも何だか嬉しくなってしまいます。

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 なかでも注目したいのは、入り口で出迎えてくれるたくさんの「お福さん」の絵馬たち。パンを掲げるお福さん、豆腐を売り歩くお福さん、お習字、三味線、犬の散歩・・・色んなことをするお福さんたち。彼女たちは、谷中に暮らし地元の商店街を支える女性たちだったのです。一人一人、実際にモデルがいます。絵馬堂の奥さんが大病をされた折に、彼女たちが皆で色々助けてくれたそうで、このことへの感謝の意、また谷中という地域が元気になるようにとの願いをこめて描き上げられました。

お福通り道しるべ

近くのヤマザキパンのお店にも、仲子さんの描いた実在お福さんたちが。モデルになった方々のやっているお店にも寄ってみましたが、なるほど、脱力系の絵柄でありながらどこか似た面影を感じることができます。近くのお店の略地図と各作品を対応させたプリントもあるので、実際に訪ねられるというわけ。この作品群はまさに、彼女のリアルに感じている、人と人との絆が織り成す谷中という小宇宙が表された曼陀羅のようなものだと思いました。

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 こんな感じで、ご主人にも奥さんにもそれぞれの絵馬観がありますが、これだけたくさんの絵馬をいっぺんに見ると、自分にとっての絵馬って何だったのかと考え直してみたくなったり、自分でも描いてみたくなったりと、色んな意味で良い刺激になりました。とりあえず、近々「絵馬亭」のほうにも行ってみたいものです。ところで、上の写真は、左が「祈願堂」のレシート(お会計金額が書いてあります)、右は「絵馬堂」のカード。こんなところまで絵馬になっているこだわりに脱帽です。絵馬って、考えようによっては変幻自在!?まァ私自身の絵馬観というのはこのブログで一枚一枚上げながら考えていこうかということで、今後がんばって充実させていきたいと思います。

 ちなみにプロフィール写真の顔ハメは「絵馬堂」にて。もとは「祈願堂」に置いていたものだそうですが。もちろん奥さんの手描きです。七福神とお福さんで八福神、ハマりすぎてる自分の顔みて吹きました(汗)。

IMG_3940.jpg

 っと、これを書いているうちに年が明けてしまった。番外編はこのくらいにして、早く手持ちの絵馬をなんとかしなければ。ええ、なんかもう、この年末はなかなかブログさわる余裕なくて滞ってましたからね。今年はサクサク更新できますように!がんばるぞ~!
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。巷間の多種多様なおみくじを収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・カード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐(悪癖?)。

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