伏見の長建寺、宝貝といえばアレ!

水運と酒造の町・伏見にピッタリの弁財天をまつる、豊臣秀吉の信仰も篤かった長建寺。
前から色々楽しげな感じで気になっていた所です。

楼門

まずはこの竜宮造の山門。これがあるだけでも、民間信仰的ハデハデ感がいよいよ盛り上がってまいります。写真を拡大してよくみるとギリギリわかるくらいなんだけど、門を入ってすぐの足元にコンナ立て札が立っています。「山門迎福 この門を通るだけでも福がくる。弁財天におまいりすることによりどんなに、ご利益があることでしょう。」いきなり、なんというかコテコテな情熱が満載です。

柴灯護摩行場

門を入るとすぐに、柴灯護摩(屋外での護摩)をたくスペースが。柴灯護摩というのはもともと修験道に特有のもので、新宗教や霊能者など民間の宗教者にも広まっていきました。そんなところからも、何やらごちゃごちゃっとした庶民的な雰囲気が感じられます。

さて、まずこのお寺で気になっていたのは、おみくじ。
まあ、たまたま本で知ったからだけど、実際に境内を見ておどろきましたよ。

おみくじ舎
↑クリックで拡大!

「おみくじ舎」なんて設備は初めて見たぞ。似たような役割のもので単なる屋根つきボックスみたいのは割とどこにでもあるけど、ここのはやけに立派な「建造物」。「幸福」の提灯が妙に直球で笑えてくる。よくわからないけどとにかく気合が入っているということはよくわかります。「お金を入れるのを忘れずに」とか書いてあるのがまた、どちらかというと大阪の寺テイストです。ここ、京都やけどね。で、おみくじの中身はこんなん。

おみくじ
↑クリックで全部読めます!

手書きコピーです。今時いとおしいくらいに、オリジナリティありすぎ(笑)。
こちらのこれまたナイスな手作り感あふれるパンフレットにも、おみくじの紹介が。

パンフレット
↑クリックで拡大してツッコミ!

ナウ~いですか、そうですか。昭和だなあ。ていうか、貝と具を間違えるのはどうかと思うんだ。昔、ハウス「カリー工房」のCMで「具が大きい」を小学生がお習字で「貝が大きい」と間違えちゃうCMあったよね(これも昭和)。

さて、もひとつ、というか、ある意味この寺で一番有名かもしれないのが、「宝貝のお守り」です。ええ、「宝貝」と言った時点でピンとくる大した妖すぃ~センスをお持ちの方もあるかもしれませんが(笑)。ソレげなお守りでございます。

のーがき               宝貝のアレ
↑能書きです。クリックで拡大してツッコミだ!

[ピー]を象った全体の中、さらにその中の[ピー]をムリヤリ五輪塔で表しています。そしてどう見ても[ピー]にしか見えない部分を「古代大河の流れ」とのたまっているあたりが最強にぶっ飛んでて素敵。このプリミティブかつ宇宙的で壮大なスケールは案外、海外のセクシュアリティ系アーティストなんかにウケるかもしれませんよ。インテリな外国人へのウィットに富んだお土産にいかが?ちと高いけどキーホルダーバージョンもあるよ。他に、男性のソレ形の鈴もありますが、この宝貝にはインパクトとして全然かなわない感じです。いやいやまったく、これだけでも来てみた価値は充分すぎ!


周辺は酒蔵の町で、とってもいい町並みでした。

酒蔵

長建寺の向かいの川には、十石舟。遊覧船に乗ることもできます!

十石舟

で、これが寺田屋ね。見学時間過ぎてたから中入れなかったけど。

寺田屋

龍馬通りというイイ感じにレトロな商店街もあったりします。

龍馬通り1龍馬通り2
龍馬通り3

最後に、ちょっぴり珍スポット。
この酒蔵の町には、色んな酒造メーカーの記念館や資料館があるんですが、黄桜の「かっぱ資料館」というのもあったので入ってみました。
入ってすぐの部屋は、あのセクシーなかっぱの絵の原画がたくさん展示されていたり、CM集が上映されていたりします。が、その奥の部屋に一歩足を踏み入れると・・・


かっぱ資料館
いきなりUMAな感じ。
全国の河童をモチーフにした民芸品のコレクションがあったり、各地の祭りや伝承を紹介するパネル展示があります。妖怪マニア垂涎。これまた、怪すぃ~ですよ。伏見に行ったときは、立ち寄ってみるとだいぶ横道にそれた感じがして面白いかもしれません。







スポンサーサイト

今戸神社(東京・浅草)

imado.jpg

空前の縁結びパワスポブームだったり、双子の女性宮司さんがいたりと、このところ何かと話題の尽きない今戸神社。鳥居がみえてくると同時に可愛い招き猫の絵が目を引きます。境内にもいたるところに、この絵柄が。社殿の中には狛犬ほどもある招き猫がにょろりんと手を伸ばしながらもでんと構えて、「写メすると良縁にめぐまれます」なんて張り紙されてたりするノリノリっぷりです。

そんなウキウキスポットだけに、いつも女性客で行列状態。授与所も、イラストレーターの女性宮司さん自らデザインしたキュートなお守りが充実しまくりで大人気です。もちろんこの絵馬もそのひとつ。右のが旧版、左のが現行版。

旧版は、シンプルな雌雄一対の招き猫を、いかにも縁結びらしい紐が囲む絵柄。この姿は、今戸神社が今のような人気スポットになる以前から授与されている縁起物、縁結びの招き猫がモチーフとなっています。この招き猫は、江戸の伝統工芸「今戸焼」。今戸焼は、現在では窯元が残り一軒となってしまっているので大変貴重です。招き猫の最も古い形といわれる丸〆猫(まるじめねこ)も、今戸焼の名品のひとつ。雄猫の特徴的なブチ模様は、これを模したものです。

新版では、お雛様にコスプレ。古くから女性の願いを引き受けてきた雛人形は、新しい女の聖地にピッタリです。

ところで、こちらの絵馬は新旧ともに円形。これにはちゃんと理由があります。

円=縁。
これほど現代的な絵馬にまで、駄ジャレの精神は脈々と受け継がれているのでした。

鷲神社・熊手を買う人(東京・浅草)

鷲神社・商人

浅草の酉の市で有名な、鷲神社の絵馬です。ここの絵馬は、境内の景色にちなんだものや干支など色々な絵柄を出しています。その中でも、酉の市の様子を描いた絵馬は、屋根つきという力の入れよう。

実はこの型の絵馬、2種類ありました。もう一方は、歌舞伎役者のような伊達男二人が熊手を物色しているというなんともカッコイイ絵。それなのになぜか、やる気なさげな何ともさえない男の絵を選んで買ってしまうのは、マヌケ物収集好きの悲しい性といえましょう。

顔も覇気がなければ足取りもおぼつかない。熊手を買っていくくらいだから商人でしょうが、ハッキリ言って、もうかってなさそう!熊手のデザインも、なんとなくイケてない!こういう絵馬は、早々に在庫が切れたらそれきりなくなってしまう可能性があります。レッツ保護(笑)

ていうか、伊達男のほうは江戸時代で男二人というだけにソレげな展開を疑ってみてもよかったかも、ということに今更ながら気付きました。今度改めてチェックしに行こうと思います。

平等院(京都)

平等院1

雲中供養菩薩に鳳凰ときたら、もはやベタなほどに平等院。
10円玉でおなじみの鳳凰堂と、そこにおさまる定朝の阿弥陀如来像よりも、どういうわけか土産の世界ではこっちのほうが人気者だったりするようです。

この平等院、ミュージアムのグッズがかなり豊富。そのほとんどが、鳳凰と法相華文と雲中供養菩薩モチーフだったりします。とにかくオサレなのです。ただ、その中でも個人的に出色だと思っているのは、雲中供養菩薩トランプだったりするわけですが。雲中供養菩薩全52躯(13×4!)+ジョーカー鳳凰一対(つまり2躯!)という絶妙のピッタリ感がたまりません。やっぱり平等院グッズといえばこの組み合わせが最強!

それはさておき、ある程度寺社巡り慣れしてくると、ここで「おや?」と思うポイントがひとつ。なにしろ「授与所のお守り」じゃなくって、「ミュージアムのグッズ」ですから(いつのまにか通販までしてるし!)。とはいえ仮に「授与所」であったとしても、昨今はほとんどグッズコーナー化が進んでいることに変わりないような気もするので、逆にこの潔さは素敵だと思います。まさに時代の最先端!

そんなグッズコーナーに並ぶ、黄金コンビなこの絵馬はかなりのミニサイズ。キーホルダーのように鞄に提げてもいいくらいの可愛らしさです。裏面はこのとおり。

平等院2  平等院の袋

はじめから文字が入っているので、あまり願い事を書くことは想定されていない雰囲気だし、境内に絵馬掛け所らしきものも見当たりません。そして購入すると右の写真のような、これまた可愛い脱力系の袋に入れてくれます。一応は寺社の公式の絵馬でありながら(絵馬型の根付でもないのに)、これほどまでにどこからみても土産物であることを貫いているのは平等院の絵馬くらいではないでしょうか。

戦後の観光ブームに乗って、絵馬そのものの土産物化という動きが避けられなかったのは確かです。けれど私が思うに、寺社巡り観光がブームになったからといって、そこでよりよい人生を願う気持ちがなくなったわけではありません。絵馬も同じ。たとえ本来の目的とズレていたとしても、色んな楽しみ方があっていいんだと思います。それはきっかけにすぎないのですから。可愛い絵馬で、ほっこり幸せに。自分なりにお洒落で楽しい使い方を考えてみるというのもオススメです。

こんにゃくえんま源覚寺(東京)・塩地蔵

関連記事→こんにゃくえんま源覚寺(東京)

源覚寺・塩地蔵

えー、コレはなんでしょう?

雪だるま、じゃないですよ。


実はこの白いのは、塩です。

そしてこの、なんか塩の柱みたいな謎の物体の中には、お地蔵様が隠れていたりします。

それが、塩地蔵。
正確には、塩を塗って願掛けするお地蔵様なわけですが。

塩地蔵というのは都内に何箇所かあって、塩を普通に品良くお供えするものから、こんなふうに原型を留めないほど完膚なきまでに塗り込めまくるものまで様々です。少なくとも、こんなありさまで絵馬の絵柄になっているのは、ここだけですけどね。

塩を供えて祈願し、叶ったらまた倍にして供えるとか、自分の体の悪いところと同じ箇所に塗り込むとか、そんなのいいからとにかく塗って塗って塗りまくって祈願するんだとか諸説紛々ですが、ひとつだけ言えるのは、やりすぎだということです。

こういった願掛け地蔵というのは、時としてこのやりすぎ感がたまらないわけですよ。縄だらけの「縛られ地蔵」とか、顔におしろいを塗られまくる「化粧地蔵」とか、削られすぎてなんだかわからなくなってる「かんかん地蔵」とか、数を挙げ出すとキリがありません。いつだってやられ放題で、しかも喜んでそいつらの願いを叶えてやっている地蔵たちは間違いなくマゾです。

そして地蔵を描いた絵馬は数あれど、こんなやられすぎな姿で絵馬になっているのは、やはりここだけですよ。金町(東京都葛飾区)の縛られ地蔵の絵馬でさえ、少なくとも顔ぐらいは出ていますから。そもそもこの塩地蔵絵馬、もし何も説明がなかったら、何の絵だか見当が付かないんじゃないかと思います。この唐突さにまさる絵馬を、私はむしろ知りたいくらいです。

こんにゃくえんま源覚寺(東京)

源覚寺・えんま

東京は後楽園近く、小石川の源覚寺。通称、こんにゃくえんま。なんだかわけのわからない取り合わせですが、これには涙ぐましいエピソードがあるんです。むかしむかし、とあるお婆さんが右目を患って、源覚寺の閻魔様に治癒を祈願し続けていたところ、閻魔様はなんと自分を犠牲にしてお婆さんを救いました。それ以来、ここの閻魔像は右目が黄色く濁っているんだとか。かつて眼病といえばほとんど不治の病でしたから、これはかなり奇跡的なことです。お婆さんはお礼に、自分の好物だったこんにゃくを禁食して、閻魔様にお供えし続けました。自己犠牲には自己犠牲をもって応えた、ということなのでしょうね。

これにちなんで、こんにゃくえんま源覚寺では、毎年1月16日に、こんにゃくえんまのご縁日が行われています。こんにゃくえんまの像も、この日に御開帳。山積みのこんにゃくがお供えされ、参拝者にもお下がりのこんにゃくが振舞われます。こんなにこんにゃくこんにゃく言っていると、舌がもつれそう。こんなときはこんにゃくゼリーを誤って喉に詰まらせないよう気をつけたいものです。ちなみにこんにゃくゼリーはお供えされていなかったから大丈夫(何が?)。

さて、この絵馬も、「こんにゃくえんま」の文字にはインパクト充分。向かい目の絵柄(こちらも参照)まで盛り込んで、眼病平癒はもうバッチリです。そして、なんといっても、こんにゃくのような閻魔様。思いっきり、こんにゃく色!ていうか、御開帳でこちらの閻魔像を拝みましたが、こんな色してないですから。鎌倉時代の木像で、長年の篤い信仰からか香煙で黒く煤けています。だけどあえて、こんにゃく色!それほどまでに慕われる優しい閻魔様だからこそ、皆が思いを込めてこんにゃくをお供えし続けた積み重ねが、絵馬の中だけでも閻魔様をこんにゃく色に染めたのかもしれません。

赤坂氷川神社(東京)・社宝絵馬

赤坂氷川神社1

赤坂氷川神社2

六本木ヒルズからほど近い都会のオアシス、赤坂氷川神社。一歩踏み入れば鎮守の森にワープしたかのような凛とした空気の中、社殿脇に掛かる随分と大振りな絵馬の、何と元気のよいこと。

絵馬そのものにも「社宝」と書いてあるとおり、この2枚の絵柄は神社所蔵の都重要文化財、狩野豊久の筆になる「紙本着色神馬額絵・獅子額絵」を元にしたものです。金屏風の中に、絵馬をかたどってそれぞれ描かれています。美術品としての価値も高い、名門絵師の手になる大絵馬が社寺に奉納されだしたのは室町以降ですが、こちらは絵馬そのものではないものの、こうした派手好みのバリエーションなのでしょう。

何が嬉しいって、そんな贅沢な一品のミニチュアを持ち帰って家で飾れること。まさに小さな美術品。日本画的にかっこいい絵柄をコレクションしてニヤニヤするのも、絵馬蒐集の大きな楽しみです。なにしろ、我々一般庶民は、本物の高い絵なんかにはとても手を出せませんからね。絵馬はそんな身の程知らずの所有欲をささやかに満たしてくれるナイスアイテムでもあるというわけ。この赤坂氷川神社の絵馬のように、印刷も丁寧で、美しい風合いならなおよし。はっきり言って、クオリティ高いです!特に、下の獅子の毛並みの細かい渦巻きが金色の細い線でしっかりと再現されているのは、繊細な和モノ好きのツボをくすぐるはずですよ!

さて、勢いがいいのは絵柄だけじゃない。この大きなサイズに皆がはりきって書いていく願い事も、活気に満ちています。目に飛び込んでくる文字は、「きよし」、「ズンドコ」、「~ヒット祈願」・・・あれ?しかもなんだか、痛絵馬顔負けの美化しまくりな氷川きよしイラストまで!そう、氷川といえばきよし。べつにこじつけというわけじゃありません。実はここ、氷川きよしの芸名の由来となった場所なんです。名付け親のビートたけしがかつてバイク事故にあった時、母親がこの赤坂氷川神社で回復祈願をしたからということ。今やたけしも回復のみならず世界的な映画監督というわけですから、霊験あらたかですね。あやかりたい、あやかりたい。

そんなわけで、ここは氷川きよし氏にとって大切な場所ですから、新曲を出すたびにヒット祈願のご祈祷も欠かさないそうです。ここでは絵馬に書かれたたくさんの応援メッセージも、きっとご本人への力強い励ましとして、直接その心に届いているんだと思います。これも現代絵馬の、大きな力のあらわれの一つではないでしょうか。

ところで、きよし応援絵馬にまじって、たまにセーラームーンの火野レイちゃんの痛絵馬もいくつか奉納されていたりしますが、それは赤坂ではなく麻布氷川神社。近いけど、惜しい!
検索フォーム
最新記事
おみくじたんbot
  (取扱説明書はコチラ)
リンク
最新トラックバック
最新コメント
オススメ記事
プロフィール

鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。巷間の多種多様なおみくじを収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・カード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐(悪癖?)。

当ブログの著作権は著者に帰属します。引用するときは引用元記事もしくはブログトップページへのリンクを必ず行ってください。

おみくじ関係のお仕事をご依頼の方は、必ずこちらの記事を読んでから依頼・質問等してください。

仕事依頼・連絡先
kabura@gmail.com

カテゴリ
QRコード
QR
   
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる