【再録】秘仏御開帳!50年に一度しか会えない文殊様 竹林寺

今年で開創1200年を迎える四国霊場。これだけでもビッグイベントだというのに、さらにダブルで特別な年を迎えてしまうお寺があります。それが竹林寺の、50年に一度の御開帳。今年2014年の10月25日~11月25日の間だけです。急げ!

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竹林寺は高知県随一の花や展望の名所「五台山(ごだいさん)」のふもとにあります。山門の額にも「五台山」の山号が。この地名は、中国にある文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の聖地「五台山」に似た場所ということで奈良時代に名付けられました。

今回御開帳されるのは、この文殊菩薩という仏様です。「日本三文殊」のひとつというくらいなのに50年に一度しか見られないなんて、これは事件ですよ!藤原時代の仏像で、獅子に乗り四人のお供を従えた「渡海文殊」という形式の仏像。

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イラスト看板で四人のお供が、一足先に出迎えてくれます。

お供の中でも人気者は、小さな男の子「善財童子(ぜんざいどうじ)」。この子は華厳経(けごんきょう)というお経の主人公でもあり、文殊菩薩の教えのもと、色々な人に出会って学びを得る旅をしていきます。

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御開帳を記念して今年できたばかりの善財童子像。自由に手をふれてお詣りできます。あらゆるものを見聞きするたび成長できる、素直な心を取り戻せるかもしれません。


そんなわけで、せっかくだから境内をひとめぐりしてみましょう。


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まず目を引くのが五重塔。四国八十八ヶ所のうち四ヶ所にしかない五重塔のうちのひとつです。


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願かけスポット発見!お願いをひとつ叶えてくれる一言地蔵。


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境内はどこも苔が美しく手入れされていて、やわらかな緑に癒されます。


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苔と石仏と花と。こんなお気に入りの風景に出会えれば、至福のひととき。四季折々に違った表情をみせてくれる草花が、そこかしこから語りかけてくれるはず。御開帳期間の後半あたりなら、紅葉も見頃になりますよ。


そして見逃せないのが、江戸時代の建築になる客殿から拝観する名勝庭園です。この庭を作った鎌倉末~室町時代の禅僧「夢窓疎石(むそうそせき)」は、京都の天龍寺や苔寺の庭園の作者としても有名。
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客殿では、御開帳期間中、堂本印象画伯による襖絵が見られる日も。詳しい日程は未定なので、近くなったら竹林寺の公式サイトをチェックしてみてください。こちらも45年ぶりの公開ということで、必見です。色々な仏像の並ぶ宝物館もお忘れなく。今だからこそ強く結ばれる仏様とのご縁を悦びながら、芸術作品や美しい庭をのんびり眺めて満たされる、そんな心やすらぐお寺めぐりの醍醐味が竹林寺には詰まっています。


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さて、四国霊場なので大師堂にお詣りしてから…


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いよいよ最後に、今しか会えない文殊菩薩様のいらっしゃる本堂へ。文殊様は、知恵の仏様。実は「高知」という地名も、竹林寺の文殊様のおかげで知力が高い、というのが由来だったりします。

文殊菩薩様のお姿は、基本的にクールなイケメン。煩悩を断ち切り頭を明晰にするシンボルの剣を右手に、知識を表す経巻を乗せた蓮の花を左手に持っています。竹林寺のお像もこのお約束の通りで、やはりイケメンなのですが、藤原時代らしくナチュラルさと上品な洗練性をあわせ持ち、とても柔和で気品に満ちた印象です。渡海文殊としては日本最古だからなのか、鎌倉時代以降の文殊像にありがちな厳しさがありません。

今年の春の御開帳では乗り物の獅子だけいかめしい江戸時代のものでしたが、今度の秋の御開帳では藤原時代に同時に作られた獅子に乗ります。この獅子が、実はなにげに脱力系。てろっとしたツルツルの体に、どんぐりまなこを見開き大笑いするような顔は、一度見たら忘れません。これで文殊様も、素朴な造形の4人のお供と合わせて、ますます優しく愛らしい感じになっていることでしょう。

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50年に一度の今しかない、大変レアなお守りも。渋いストラップに、重厚でかっこいい桐箱入り袋守、どちらも文殊菩薩様を表しお力をいただく神聖な文字「梵字(ぼんじ)」が入っています。勉強熱心な人や、受験を控えたお友達へのお土産にすると喜ばれること間違いなし。かわいいイラスト入り記念グッズもたくさんあって、目移り必至。

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御朱印は、もちろん1200年記念スタンプ入り。獅子の顔の絵柄になっています。限定カラー御影札も、忘れずにもらって!



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竹林寺は高知市内のメジャー観光スポットを巡回する「MY遊バス」のルートに入っているので、ついでに龍馬像で知られる景勝地「桂浜」に行くのも簡単。「桂浜水族館」や「とさいぬパーク」も隣接し、一日リゾート気分を満喫できちゃいます。



場所的には少々離れてしまいますが、もう一ヵ所ついでに行ってほしいのは、ちょうど同じ時期に1200年記念の御開帳を行っている札所、大日寺です。
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ずっしり大きい御本尊の秘仏、大日如来様を間近でじっくり拝めるので、かなりオススメ。地方色豊かな脇仏の観音様にも注目。どちらも平安時代後期の作になります。仏像好きなら、ぜひともプランに組み込んで。

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こちらは大日寺の御朱印と御影札、1200年バージョン。

今年ならではの札所巡りに徹するも良し、レジャースポットと組み合わせるも良し。この機会に、高知を思いっきり楽しんでみてはいかがでしょうか。

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●竹林寺 http://www.chikurinji.com/
≪アクセス≫
・JR高知駅からMY遊バスで約26分
MY遊バス時刻表・路線図・運賃などはコチラ→ http://www.attaka.or.jp/kanko/kotsu_mybus.php
高知県高知市五台山3577
0888-82-3085


≪イベント≫
秘仏本尊文殊大菩薩 平成の御開帳
秋期 平成26年10月25日(土)~11月25日(火)
期間中毎日8:30~17:00 (11月4日(火)午前中を除く)

●大日寺

≪アクセス≫
・土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線「のいち」駅から徒歩40分
高知県香南市野市町母代寺476-1
0887-56-0638

≪イベント≫
御本尊大日如来・脇仏聖観音菩薩 御開帳
秋期 平成26年10月21日(火)~11月28日(金)
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雑誌掲載のお知らせ

本日発売のビジネス雑誌「月刊 リベラルタイム 2014年 10月号 」に私が載っております。島地勝彦先生の連載「ロマンティックな愚か者」で絵馬伝道家として取材していただきました。本屋さんで見つけたら手に取っていただければ幸いです。また、島地先生のエッセイは人生観が変わるくらい面白いので、ぜひ単行本を読んでみてください。


【再録】女神宿る海の道と秘境の古代ロマン 宗像大社

いまだ覚める気配を感じさせないダブル式年遷宮の熱気。昨年話題だった東京国立博物館での大神社展も、まだ記憶に新しいのではないでしょうか?その中でも異彩を放っていた海の正倉院とよばれる宗像大社(むなかたたいしゃ)の宝物が今、都内でもう一度みられるチャンスです。丸の内の出光美術館では、2014年8月16日(土)から10月13日(月・祝)まで宗像大社国宝展を開催中。国家クオリティの古代祭祀用品や、まばゆいばかりのエキゾチックな工芸品など、これが小さな秘境の島から出てきたなんて、と驚きの連続まちがいなし。今回は、その宗像大社をちょっぴり駆け足でご案内します。


まずは宗像大社の辺津宮。

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博多から電車やバスで行くことができる、いわばメインスポットです。宗像大社は辺津宮(へつみや)・中津宮(なかつみや)・沖津宮(おきつみや)の三社で成り立っています。というのも、ここにお祀りされているのは、三姉妹の女神様。それぞれ1ヶ所ずつにいらっしゃるのです。なお、田心姫神(たごりひめ)を祀る沖津宮がある沖ノ島は禁足地で、一般の人は入れません。だからこそ宗像大社は、この現代においても神秘と威厳を保ち続けているんですね。

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神門の前には「皇族下乗」の石柱が。なんという格式の高さ!伊勢や出雲と並ぶほど国家規模の崇敬が篤かったことをまざまざと物語っています。

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森に囲まれた広大な境内に、桃山時代の社殿が堂々と鎮座。辺津宮にお祀りされているのは、市杵島姫神(いちきしまひめ)。三姉妹の女神様は、記紀神話でスサノオノミコトの剣から生まれています。また、もともとはこの地方の海を征した豪族の守り神でした。

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御朱印には、日本書紀でアマテラスオオミカミから三女神に下された、「皇室をお助けし、皇室から大切に祭られなさい」というお言葉が書かれています。墨書が素敵すぎる、ビジュアル系御朱印

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女神らしいピンクの御朱印帳もかわいいです。

この女神様たち、日本書紀では道主貴(みちぬしのむち)という別名で呼ばれています。三女神の鎮まる玄界灘は古代、大陸との交通の要衝でした。この、日本の玄関口だった海の道を守る宗像大社は、それゆえ政治的に大変重んじられ、沖ノ島にたくさんの宝物が奉献されたというわけ。

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普通の日常生活でも、道は命綱。今ではどこの寺社でもおなじみの車に吊るせる交通安全御守りですが、実はこのタイプを日本で初めて授与したのが宗像大社なんですよ。

余談ですが、宗像大社のある福岡県は、交通安全に対してとても意識が高い土地柄だと感じました。たとえばお正月シーズンには、たまたま訪れたどの神社も飲酒運転撲滅ということで御神酒を一切出さず、かわりに甘酒や飴をふるまっていたくらいです。他の県ではこういうことってあるんでしょうか?

さて、辺津宮で絶対見逃せないのは、なんと言っても神宝館。寺社の宝物館って普通はついスルーしてしまいがちですが、ちょっと待った。ここは別格。大きめの博物館くらいの規模に、総計で8万点の国宝が待ちかまえているときたら、これはもう見ずには帰れませんってば。沖ノ島の遺跡や祭祀方法を再現した臨場感あふれる展示方法で、禁断の聖地の雰囲気に迫れるのもここならではの魅力。なお辺津宮の境内にも、高宮祭場という古代祭祀場が残されているので、神宝館をみてから足を運んで往時の姿を想像してみては。女神降臨の地と伝えられ、パワースポットとしても人気です。


辺津宮をひととおり巡ったら、中津宮にも行ってみましょう。

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それにはバスで神湊まで行き、船またはフェリーに乗ります。


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海の向こうに見えている大島に向けて出港。


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このルートは、毎年10月1日に行われる「みあれ祭」で辺津宮・中津宮・沖津宮それぞれの御神体を乗せた御座船の通り道になります。こうして年に一度だけ海上で三女神が一堂に会するのを祝い、大漁旗で飾り立てた数百隻の船が、ここでいっせいに御座船を囲んで海を埋め尽くしパレードするさまは感動まちがいなしです。これから行くなら、ぜひともこの日に!


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中津宮のある大島に上陸。のどかな港町です。





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港から少し歩いて中津宮へ。


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石段を登ってお詣り。海もよく見えます。


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中津宮でお祀りしているのは湍津姫神(たぎつひめ)。小振りながら落ち着いた風格ある社殿は、こちらも桃山時代。裏手には湧水もあり、パワフルな御神水として地元で親しまれています。

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御朱印は、ここで中津宮と沖津宮を同時にいただけます。天気の良い日に車で島の裏側まで行けば、沖ノ島の姿を海の向こうに拝することも可能。はるか海の道に想いを馳せて。



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大島で帰りの船を待つ間に、発着所内の食堂で名物イカ刺身丼を食べました。新鮮な歯ごたえと、とろけるような旨味がベストマッチ。玄界灘は海産物が美味しいことで知られ、辺津宮の付近や大島内を車で走ればお店も豊富です。大島にはレジャースポットも多いので、レンタカー推奨。車なら、辺津宮から数キロの津屋崎古墳群まで足を延ばすのも良いですね。宗像大社の創建にもゆかりのある場所なので、古代祭祀の息吹に触れる旅をさらに深めるのにピッタリ。折しも宗像大社国宝展が東京にやってくるこの夏、見てから行くか、行ってから見るか?!

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●宗像大社 http://www.munakata-taisha.or.jp/
≪アクセス≫
辺津宮・JR「東郷」駅北口から神湊波止場行きバス(宗像大社経由)で約12分「宗像大社前」下車スグ
福岡県宗像市田島2331
0940-62-1311

中津宮
福岡県宗像市大島1811
0940-72-2007
・JR「東郷」駅北口から神湊波止場行きバスまたは福間行きバス(神湊経由)で約20分「神湊波止場」下車、市営渡船「しおかぜ」またはフェリー「おおしま」で大島港へ渡り、徒歩5分

≪イベント≫
秋季大祭(田島放生会) 毎年9月30日~10月3日
以下の行事は、この秋季大祭のハイライトです。詳しいスケジュールについては変更の可能性もありますので、公式サイトをチェックしてください。
みあれ祭 毎年10月1日 午前9時20分から10時40分まで海上神幸
高宮神奈備祭 毎年10月3日 午後6時~ 行燈のやわらかな明かりの中、高宮祭場にて神事

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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。巷間の多種多様なおみくじを収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・カード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐(悪癖?)。

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