オマケのルーツはおみくじにあり?!食玩の元祖でたのしいお正月♪

前回その前の前で触れてきた、日本のおみくじのルーツのひとつ「辻占(つじうら)」。その一貫としての「辻占菓子」は、フォーチュンクッキーのようにちょっとした占いが出てくるという、江戸時代から続く楽しいお菓子でした。

今回紹介するのは、これの豪華版みたいなもの。



その筆頭は、「辻占福寿草」と同じ金沢「諸江屋」さんの「福徳煎餅」。

毎年11月の終わりから1月上旬にかけて、諸江屋ネットショップで買うことができるお正月の縁起物です。


形は打出の小槌・砂金袋・米俵の3種で、どれも中に幸せが詰まっていそうなモチーフ。黄色と白の2色を表裏で合わせているのは、黄金と白銀を表しているとのこと。


何も知らなければ、見た目はただの最中。




ところが、割ると…




↑中から可愛いサイズの土人形が!
(こちらは食べられませんw)

どれもカラフルで、ゆるかわで、郷土玩具好きにはたまりません。フルコンプした~いっ!



↑「金華糖」というお菓子が出てくる、中まで食べられるバージョンもあります。

素朴な形の中に、和菓子らしい色彩の美しさ。

これ、一見するとただの砂糖の塊みたいですが、サクッと軽くかじれて口の中でほろほろ溶けていく優しい食感に、あっさりとした上品な甘さで、驚くほど美味しいです。ものすごく質の良い砂糖を使ってると思います。

まわりの最中の皮と一緒に食べるとさらに美味。っていうか、これがなかったら本当にただの最中の皮ですな(;´∀`)

ちゃんと合うようにできてるんですね~。



土人形バージョンも金華糖バージョンも、何が出てくるかは開けてのお楽しみ。

江戸時代に考え出され、子供たちへのお年玉にされてきました。


出てきたものから新しい年の運勢を何となく占ったりもしたというので、やはり辻占の豪華版なのでしょう。

どれもハッピーなものばかりなので、占いと予祝(未来の幸せを先に祝い幸運を祈ること)を兼ねていると思われます。


家族団らんの場に、初笑いの楽しいおしゃべりと幸福感をもたらしてくれる素敵菓子です!

そして今時、私のようなおひとりさまにはコレクションしてニヤニヤする幸福感を(ry



七福神の土人形が出てくる「ふくとこ宝船」というバージョンもあります。

こちらは中身が決まっているのでドキドキワクワクはないけど、とにかく豪華。

箱や包装も凝っていて素敵な上に、オマケも豪華です。

↑オマケのひとつ、手刷りの宝船版画。しかも、初夢祈願として枕の下に敷いて使っちゃってもいいように2枚セット!気がきくなあ。

他に、ポストカードと江戸情緒な錦絵風のすごろくもついてました。


お菓子を割ると、土人形のほかに和三盆まで入ってます。至れり尽くせりです。でもって和三盆むちゃくちゃ美味しい!
(実際は、衛生面を考慮して人形はビニール袋に入った上で最中の皮に入れられてます)


全員集合で撮ってみました(*´ω`*)




他に似たような趣向では、山形県の伝統菓子「からからせんべい」というのがあります。




こちらも、中から色々な民芸品が出てきます。
(衛生面から薄紙に包まれて入っています。
       でもって、食べられませんw)

やはり元は子供たちへのサプライズだそう。
干支などお正月っぽい縁起物も。

「福徳煎餅」と比べて辻占的な要素は薄まってきていますが、「何が出るかわからない」という点は神託としての「くじ」や天からの「授かり物」に通じるので、根底に流れるものは同じだろうなと思います。

種類はこちらのほうが、キリないほどものすごく多そうです。

素朴で昭和レトロな風情がなつかしく、大人でも童心に帰ってしまいます。

個人的に、上の写真の中では右上のメンコ2枚セットが特にツボでした(^o^)

プラ物とかもあるけど、どれも昔のグリコのオマケみたいな絶妙な味わいを醸し出してます。


ちなみにお煎餅の味は、黒糖の風味が力強くて、かなり美味しいです。これだけでも時々ムショーに食べたくなりそうな勢い。

「からからせんべい」は楽天で買うことができます。


今回紹介した昭和レトロな「特製おもちゃ(民芸)」バージョンと、今時な子供向けプラ物しか出てこない(単に)「おもちゃ入り」バージョンの二種類あるので、買うときは間違えないように気を付けてください(上記リンクからなら大丈夫です)。




それにしても、この、何が出るのかわからないオマケのワクワク感、そしてお菓子とオマケのどっちがメインかわからない加減。

これって、食玩のルーツかも!

しかも、「福徳煎餅」と近いルーツをもつ辻占には、オマケカード/トレカの元祖的な性質もありました。

というわけで、お菓子のオマケ/食玩は日本の伝統文化なのかもしれません(オチ



続きを読む

辻占煎餅3番勝負

前々回は辻占(辻占)を紹介し、辻占菓子についても触れました。

では、その一種、「辻占煎餅(つじうらせんべい)」って知ってますか?


↑写真は、「いなりや」さんの辻占煎餅。

この見た目の通り、フォーチュンクッキーの元になりました。中にも同じように、ちょっとしたおみくじ(こういうのが「辻占」)が入っています。

アメリカで日系人の売った辻占煎餅が中国系移民の間で広まり、材料や製法などを変えつつ中華料理屋の定番になっていったのがフォーチュンクッキーです。


さて、フォーチュンクッキーではなく昔ながらの辻占煎餅は、今でも伏見稲荷参道の味噌煎餅(甘い小麦粉生地にほんのり隠し味の味噌が香ばしい瓦煎餅)のお店で手作りされ、さかんに売られています。

今のところ3店舗を確認できたので、全て食べ比べ、独断と偏見で通信簿をつけてみました。



1ヶ所目は「いなりや」さん。

店頭では、焼いて、曲げて、と製作工程を実演中。


で、こんな感じで売ってます。

一個ずつバラ売りのものは、当たりつき!
当たれば「金きつね」がもらえます( ☆∀☆)




割ってみました。
フォーチュンクッキーと同じように、中から出てきます。

おみくじ(辻占)は、こんな感じ。

「辻占」煎餅なのに「おみくじ」と言っているだけあって、運勢の解説がきめ細かく現代的。

なんと250種類もあるそうです(゜ロ゜;ノ)ノ
これならよく当たるかも?

昔ながらの辻占の風情はありませんが、来るたびに占ってみたくなっちゃいます。何より、当たりも狙いたいし!

いなりや「辻占煎餅」
おいしさ★★★
美しさ★
楽しさ★★★★★






2ヶ所目は「宝玉堂」さん。

ノスタルジックな佇まいがいい感じ。
伏見稲荷参道で一番古くから開業している味噌煎餅屋さんです。

こちらも製造実演してます。

買ったらオマケで割れ煎をちょこっと試食させてくれたのが嬉しかったなあ(^.^)



昔ながらの形には、占いの紙がフォーチュンクッキーみたいに中に入ってるのではなくこうやって挟まってるものもあるんですね~。

といっても、かなりぎっちりと挟まっているので、引っ張って抜こうとすると破れちゃうことがあります。けっこう硬いですが、がんばって割りましょう!


辻占はこんな感じ。

レトロな手刷り風の印刷が味わい深い!

昭和10年の創業当初から変わらないスタイルを貫いているそうです。スバラシイ(*´ω`*)

文言が都々逸(どどいつ)の七・七・七・五調で統一されている、まさに伝統的な「辻占」スタイルです。

それにしても左下の、

「さぞやさぞさぞさぞ今頃や
 さぞやさぞさぞさぞやさぞ」

って、ものすごく気になる言葉!

謎めいた言い回しも魅力です。


そして、特筆すべきは、そのお味。

胡麻と芥子の実の香りが効いてるのは3店舗中ここだけ。味噌風味は抑え目で、より優しい甘味が引き立ちます。

好みの問題もあるかもしれませんが、私はこちらのものがダントツ一番美味しいと思いました(*^^*)

宝玉堂「いなり煎餅」
おいしさ★★★★★
美しさ★★★★
楽しさ★★★






3ヶ所目は、「松屋」さん。

こちらも昔なつかしい店構えです。


「鈴せんべい」も、占いの紙は挟まってるタイプ。


割ると中には大豆が入っています。
このため「鈴」の名の通り、振るとコロコロやさしい音がします(^.^)

お煎餅の表面には鳥居や狐さんの絵が型押しされていて綺麗。「いなり煎餅」も似たような感じだけれど、こちらの「鈴せんべい」のほうが柄の出方が鮮明です。


辻占はこんな感じでした。
こちらもレトロな印刷の都々逸調です。

個人的に一番気になる言葉はコレ。

「こうすりゃこうしてこうなるものを
    知りつつこうしてこうなった」

なんでこれが大吉なんだろう(^o^;)
深そうで深くない言葉選手権に出れそうw

「いなり煎餅」の辻占との内容的な違いについては、まだどちらも一度買ってみたのみなので、もっと集めてみないことにはわかりません。

ですが、何となく、「鈴」になっていたり見た目が綺麗だったりと趣向が凝らされているからなのか、こちらのほうがやや全体的に情緒豊かで洗練されているような気がします。

松屋「鈴せんべい」
おいしさ★★★
美しさ★★★★★
楽しさ★★★★




以上、あくまで独断と偏見での比較なので、ぜひ自分の目と舌で味わってみてください!

いずれにせよ、昔と変わらない形の辻占は、昭和初期のレトロな雰囲気が好きな人にはたまらないはず。

未来につないでいきたい駄菓子遺産(造語)です。





あけましておめでトリん♪

あけましておめでとうございます。

なんだかんだで今時、細々とですが当ブログが続いていることに驚かなくもない今日この頃です。

まるで昔の「ほおむぺえじ」というやつのままじゃないかぐらいの時代に逆行っぷりですが、まあなんか、べつにいいやと思ったり思わなかったりしております。

本年もよろしくお願いいたします。


年末には、お伊勢参りに行ってきました。


伊勢神宮では、鶏を特に大切にしています。

夜明けを告げる鶏は、アマテラス大御神の岩戸開きにも一役買っているからです。


そんな伊勢神宮の、酉年の絵馬というのは何ともぐっとくる気がします。

夜明け、つまり闇からの復活再生を表すということで、酉年は一陽来復の年とも。

というわけで、今年の消しゴムはんこ自作絵馬は鶏をパワーアップさせて火の鳥とか鳳凰な感じを狙ってみました。

数年ぶりに細かいのをがんばった。けど、微妙にただの変な怪鳥という気もする( ̄▽ ̄;)



気を取り直して、お気に入りの鶏な郷土玩具でも載せていきます。


まずは伊勢の一刀彫り。

宮大工が神宮の余った御用材で作るという伝統の品です。

やはり伊勢ですから、干支と関係なく鶏が主役っぽい感じ。雌鳥がちょこんとしてて可愛いです。


伊勢神宮で授与される、毎年変わる伊勢一刀彫り干支守りはこちら。

大胆な造形がかっこいいです。

新鮮な楠のアロマが効いているので、しばらくは手近に置いて森の香りに癒されたいところ。

神宮の干支守りは、毎年受けると強運になるという噂もどこからとなくあったりします。

一巡して同じ干支になっても必ずデザインが変わるので、集めていても飽きないそうですよ。


もうひとつ鶏がイチオシなのは、秋田県米沢市の笹野一刀彫。

同じものがモチーフの干支絵馬をバックに飾ってみました。

こちらの特徴は、何といっても、木を繊維の向きに沿って薄く削り、繊細にカールさせていく「削りかけ」という技法。

しっぽや羽の、ひだのような表現にこれが生きています。

そして、この「削りかけ」を最強に極めたのが、こちらの「尾長鶏」。

幾重にも重なる、今にも壊れそうな尾が美しいです。笹野一刀彫は「お鷹ぽっぽ」が有名ですが、私はこの「尾長鶏」が間違いなく最強だと思います。

まあ何というか、今年もこんな感じで、ゆるゆると好きなものを愛でていきたいです。




選ばれました!2017年9月現在
おすすめブログ認定
検索フォーム
最新記事
おみくじたんbot
  (取扱説明書はコチラ)
リンク
最新トラックバック
最新コメント
 著書
オススメ記事
プロフィール

鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ(グラフィック社刊)」発売中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

当ブログの著作権は著者に帰属します。引用するときは引用元記事もしくはブログトップページへのリンクを必ず行ってください。

おみくじ関係のお仕事をご依頼の方は、必ずこちらの記事を読んでから依頼・質問等してください。

仕事依頼・連絡先
(ご依頼は有償となります)
kabura@gmail.com

カテゴリ
QRコード
QR
   
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる