山寺奥の院、超かっこいい魔除絵馬

さてさて、前回記事でお知らせしたとおり、山寺の50年に一度の御開帳、
秋の部が今週末からはじまります。10月20日(日)~26日(土)まで。

ふもとの根本中堂で御本尊様を拝観したあとは、やっぱり登らなきゃ。だって山寺だもの。
山寺参道1
そこに山があるからさ。

ちなみに、山寺では時々、本格的な登山スタイルでいらっしゃる方を見かけました。
中には、ストックを持って登る山ガールズ&ボーイズも。
断言します。そこまでしなくていいです。
写真の通り、どこも石段がバッチリ整備されてますから。
(ご年配の方や足腰の弱い方なら、当然、杖を持つべきですが…)

それにしても、杉木立と奇岩のそそり立つ参道の風情には、いつ訪れても圧倒されます。
松尾芭蕉「奥の細道」の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の句でも名高い場所。

岩塔婆・石仏1

岩肌に刻まれているのは、岩塔婆といって、死者を供養するために戒名などを記したもの。
古くからこの山は、あの世へつながる場所として大切にされてきました。

岩塔婆・石仏2

いたるところに岩塔婆と石仏が。

後生車・岩塔婆

びっしりと置かれているのは、後生車。輪のついた卒塔婆のようなものです。
輪を回せば経文を唱えるのと同じ功徳があるとされ、これで死者を供養します。

それにしても、特に上写真の右上あたり。岩場のあるパワスポ的な所でよく見かけますが。
どうしてこういう場所では、お賽銭を岩の溝にびっしり埋め込む人がいるのか。
どうして触ったりしてもびくともしないのか。ていうか、どうしてこんなしっかりはめられるの?
景観的に微妙だけど、そこまでやれるなんて純粋な信仰心かもわかりませんし。謎だらけです。

山寺参道2
遠足の中学生びっしり。びっしりだらけですな。
とある中学生の一言「立体機動装置で登りたい!」
だからそこまでせんでええがな。
そんなこんなで、仁王門(上写真中ほど)が見えてきました。
このへんまできたら、もうちょっとです。

この先には、塔頭(たっちゅう)寺院がいくつかあります。
御朱印もいただけるので、たくさん集めたい人はトライしてみては。

仏頭
ある塔頭で祀られていた仏頭。置かれ方が、なんかシュール。触って拝むんだそうです。。。

「五大堂」という絶好の眺望スポットにも行けるので、お見逃しなきよう。

一番上まで上り詰めれば、奥の院に到着です。
山寺奥の院
右側が如法堂、左側が大仏殿と、二つのお堂がつながっています。

どちらのお堂の中にも、「ムカサリ絵馬」という山形地域に独特な死者供養のための絵馬が奉納されています。現在も奉納は絶えることなく、プライベートな信仰の場であるため堂内の撮影は禁止。なにしろこの「ムカサリ絵馬」、未婚のまま亡くなった故人を絵の中(あの世)で結婚式させて、悔いなく成仏していただこうというもの。その切なる願いの生々しさには、手を合わせて彼らの幸せを祈るほかありません。

実は、私もここを訪れた今年の5月に、友人と二人で「ムカサリ絵馬」を奉納し、それぞれ非業の死をとげた親族を供養してきました。ただし、山寺ではなく県内の他のお寺ですが。それに至るまでには、友人にも私にも、少々不思議な出来事があったのです。それについては、また機会を改めて・・・。


ところで、山寺奥の院のお守り授与所では、かな~りカッコイイ絵馬が2種類出されています。
そのひとつが、コレ。
鎌の魔除絵馬
なんと本物の鎌の刃先が付けられています。
この地域では、鎌に赤い房をつけて軒先に掲げ、魔除けにする風習があったとのこと。
如法堂の堂内にも、ムカサリ絵馬と並んでこれの大きいバージョンが一枚奉納されていました。

もうひとつが、コチラ。解像度1920×1080で見てほぼ実物大。
剣の魔除絵馬
額に剣をはめ込んだ絵馬は、色々なお寺のお堂の内外に奉納されています。
少し注意して探してみれば、特に不動尊系のお寺でよく見つかると思います。
コレクターとしてはそういった絵馬額を思わせる「本物らしさ」がたまりません。

参考までに、鎌の絵馬は2500円、剣の絵馬は3000円でした。私は以前、10年ほど前に訪れたとき、両方ほしくても予算が足りなくて泣く泣く鎌のほうだけ受けて帰ったという苦い思い出があるので、ほしい人は計画的に…と老婆心ながら。念願の剣のほうは今年やっと入手(笑)。

額面だけ見ると絵馬としてはお高く感じるかもしれませんが、鎌は本物の鋼の鎌ですし、剣は本格的な鉄の鋳物。どちらも職人の手仕事の風格を感じさせる、納得の品です。やはり良いものは良いのです。質の高いものを、むしろ気軽に手元に置いて愛でられるのは幸せなこと。そんな気持ちがまた、魔除けの効果を高めてくれるのかもしれません。
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。巷間の多種多様なおみくじを収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・カード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐(悪癖?)。

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