【再録】寄り道しながら大阪七福神・その3 大乗坊・法案寺

寄り道しながら大阪七福神・その1 四天王寺
寄り道しながら大阪七福神・その2 今宮戎神社・大国主神社
↑前回まではコチラ↑


大国主神社から北へ難波駅に至り、大阪屈指の電気街として名高い日本橋でんでんタウンのオタロードを通って一本わき道にそれると、打って変わって静かな一角にそのお寺はあります。大阪七福神の毘沙門天(びしゃもんてん)を祀る大乗坊は、日本四大毘沙門天のひとつ。今でこそ小ぢんまりとしたお寺ですが、戦前まではとても広くてにぎわっていました。

2013年01月16日掲載分01

その歴史は古く、創建当初から脈々と続く信仰の祈りを受け止め続けている素晴らしい仏像が、ここ大乗坊の御本尊様です。それは3体もいらっしゃる毘沙門天立像。秘仏なので普段はそのうち1体の、お厨子(ずし、中に仏像を入れてお祀りするお仏壇のようなもの)の前に立っているお像しかみられませんが、年に二日だけの御開帳では、3体ずらりと勢ぞろいの大変迫力あるお姿を拝することができるのです。この特別な日は、毎年5月・11月の第二日曜日。上の境内写真はそのときのものなので、お祝いの幕がかかり、雨の降る中でしたが、ほのかに活気付いているのがわかります。

さて、気になる御本尊様3体のお姿ですが、特に許可をいただきまして、ここに公開します。おそらく全て揃ったお姿としては、インターネット上ではこれが初公開です。

2013年01月16日掲載分02
↑クリックでさらに拡大できます。

毘沙門天は、仏教を守る戦いと財宝の神様。四天王という東西南北を守る神様のグループで北の方角を担当していますが、その中でも最強のリーダー格。単独で祀られるのは毘沙門天だけというほどです。悪魔をなぎ払う圧倒的な力と、無限にあふれ続ける幸せエネルギーで、強運を授けてくれます。

引き締まった体のラインが魅力的な一番前の毘沙門天は、鎌倉時代の作。鎧や兜のデザインがひときわ華やかで、ギラリと睨みをきかせる目力の凛々しい真ん中の毘沙門天は、江戸時代。そして、一番後ろに控えて私たちを見守る、大きくて優しそうな毘沙門天。体こそ江戸時代のものですが、その渋くも穏やかな表情のお顔は奈良時代にまでさかのぼります。小・中・大と順番に並んでいるのは、ご利益が大きく広がっていく様子を表しているのです。

向かって右側にいらっしゃるのは吉祥天という幸運の女神。毘沙門天の奥様です。息子の善膩師童子(ぜんにしどうじ)も左側に。家族まで勢ぞろいです。さらに、別の小さなお厨子で祀っている弁才天と大黒天、それに毘沙門天の足元を支える邪鬼までもが全員何かしらの親戚関係にあるのだとか。大家族の大集合ということで、一族安泰・家内安全を願うには最適の場所となっています。

これだけの仏像を納めるお厨子は、かなり大きく、屋根までついていて、まるでお堂の中にもうひとつお堂があるかのよう。カラフルな装飾も大変立派ですが、見た目だけではなく、中心部は耐火構造という徹底ぶりです。度重なる戦火にお寺は小さくなってしまっても、ご本尊様だけはしっかりと守られてきました。これもきっと、はるか昔から積み重ねられてきた人々の祈りの力でますます強力になった毘沙門天の、強運のたまものにちがいありません。今でも地元の人が定期的にお詣りに来ては毘沙門天様に近況を報告して感謝を捧げ、悩み事を告げてはうまくいくようお願いする、そんなひそやかな信仰の空間が息づいています。

2013年01月16日掲載分03
ここ大乗坊には、伝統ある美しい縁起物も。参拝の記念に、旅のお土産に、これで毘沙門天のパワーを持ち帰ることができます。上の写真の「宝の杵(きね)」(右)と「宝の鈴」(左)は、もともと鈴を鳴らしながら杵を振って毘沙門天に祈るための独特な仏具でした。特に鈴のほうは、江戸時代の土鈴コレクターの間で西の大関(当時は横綱がなかったのでこれがチャンピオンです!)と称された逸品。とてもにぎり心地がよく、鈴の四方に配された「笑門来福」の文字どおり、カラカラと鳴らせば優しい音に癒されほっこり笑顔に。

杵も鈴も、毘沙門天の持ち物をかたどっています。ここでは真ん中のお像が持っているので、ぜひ見比べてみてください。右手の「宝棒」という武器が杵。鈴は「宝珠」というあらゆる財宝を生み出す魔法の玉の形です。かくれて見にくいですが、左手には「宝塔」という小さな建物を持っていて、その中には「宝珠」があるとされています。杵は厄除けに、鈴は幸せを生んで開運に。セットで男と女を表しているので、縁結びのご利益もあるかも。

御朱印の印部分は、右上には「宝塔」の形、真ん中は毘沙門天を表す梵字(←解説はこちら)が入っています。
2013年01月16日掲載分04

2013年01月16日掲載分05




大乗坊を出たら、お次は弁財天の法案寺へ。道頓堀を通って行くので、ランチスポットには困らないはず。

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真っ赤な山門が目を引く法案寺。「大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)」と書かれた提灯が見えます。本堂にお祀りされているのは、この略して「聖天(しょうてん)さん」とも呼び親しまれる神様。七福神ではないですが、願い事を何でも叶えてくれる福の神です。

2013年01月16日掲載分07

聖天さんのシンボルは巾着と大根。本堂の香炉は巾着形で、提灯には大根の絵が。しっかりお詣りしていきましょう。

2013年01月16日掲載分08
聖天さんの御朱印も、「愛・寿・福」と、いたれりつくせりなご利益が書かれた巾着の絵柄です。

こちらが法案寺の弁財天を祀るお堂。
2013年01月16日掲載分09

2013年01月16日掲載分10
今年はへび年で、へびは弁財天のお使い。この新年に、特にお詣りすると良い神様です。弁財天について詳しくは、こちらの記事<四宮神社の記事へのリンクを張ってください>をぜひご覧ください。琵琶を奏でる美しい女神様です。芸術・学問を司り、金運や縁結びにもパワーを発揮してくれます。

2013年01月16日掲載分11

2013年01月16日掲載分12

これで大阪七福神も、残すところあと2箇所。
次回は福禄寿と寿老神をお詣りしていきます。

↓続きはコチラ↓
寄り道しながら大阪七福神・その4 長久寺・三光神社、そしてゴールの後は…?

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●大乗坊
≪アクセス≫
・JR「難波」駅下車、徒歩3分
大阪府大阪市浪速区日本橋3丁目6-13
06-6643-4078
≪イベント≫
御本尊御開帳 5月と11月の第2日曜日
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●法案寺
≪アクセス≫
・近鉄・地下鉄千日前線・地下鉄堺筋線「日本橋」駅下車、徒歩3分
大阪市中央区島之内2丁目10-14
06-6211-4585
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●大阪七福神について
四天王寺(布袋尊)、今宮戎神社((えびす神)、大国主神社(だいこく神)、
毘沙門天(大乗坊)、弁財天(法案寺)、福禄寿(長久寺)、寿老神(三光神社)

専用色紙1500円(御朱印大別途・1カ所につき300円)
ミニ絵馬1ヵ所につき1枚100円、ミニ絵馬を飾る専用絵馬1000円
通年対応、専用色紙と専用絵馬は上記各寺社で授与
(いつでも、どこからでもスタートできます)
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テーマ : 神社・仏閣巡り
ジャンル : 旅行

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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ」(グラフィック社刊)もうすぐ発売。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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