【再録】玉の輿も一歩から 今宮神社

2013年02月27日掲載分01
バスの車窓に突然現れる立派な楼門。女性なら誰もが手にしたくなるような話題のお守りがある今宮神社は、大徳寺からも近く、上賀茂神社行きのバスルート途中という、京都の旅プランに組み込みやすいナイスロケーション。気になったアナタはぜひバスを降りて、ご利益いっぱいの境内を楽しく散策しながらパワーチャージといきましょう。

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楼門をくぐると、広々とした空間に中央の舞台をはさんで本社がみえてきます。ここにお祀りされているのは、今でこそ日本神話の神様の形をとっていますが、実は疫病を司る荒々しい神様。そのなごりが、上の写真で本社のすぐ左わきに屋根だけ見えている「疫(えやみ)社」です。

そういわれると怖いかもしれませんが、心配はご無用。この神社は平安時代、疫病の神様が人々に害をなさないよう、なぐさめ鎮めるために建てられました。その力をおそれて敬いさえすれば、もとが怖い神様ほど、かえって強力なご利益を発揮してくれるのです。心をこめてお詣りすれば、病気や災難から守ってくれるでしょう。

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さて、例のお守りですが、その名も「玉の輿(こし)お守り」。左から金時にんじん、聖護院大根、賀茂なす、と愛らしい京野菜の絵柄です。でもどうして野菜なの?!

それはこの今宮神社に守られた西陣の土地に、八百屋の娘から江戸幕府三代将軍徳川家光の側室となり、やがて五代将軍綱吉の母という女性のトップへと大出世をとげた桂昌院が生まれていたから。桂昌院というのは出家したあとの名前で、もとは「お玉さん」といいました。これが「玉の輿」の語源です。

とはいえ、お玉さんはある日いきなり将軍から見初められたわけではありません。縁あって公家に仕えるところからはじまり、大奥に入ってからも、権謀と嫉妬が渦巻く中、まず将軍に直接会える身分となるまで出世するには相当な忍耐と努力が必要です。その段階なしには、彼女の「玉の輿」はありえませんでした。

だけど、そう考えれば「玉の輿」は奇跡的な大ラッキーでもなんでもなく、毎日をがんばっている貴女にも充分可能性があるってこと!

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境内の桂昌院像をなでると玉の輿に乗れるといわれています。日々の困難に立ち向かう勇気と、未来を切り開く強運を彼女に分けてもらって。

桂昌院は地元西陣の興隆と、当時荒れていた今宮神社の復興につとめました。西陣といえばやっぱり織物。「玉の輿お守り」の袋も、この地域で作られています。軽く10種類以上あるカラーバリエーションは、どれも高級な和服を思わせる優雅で繊細な色合いにウットリ。いつかは着てみたい憧れの色で選んでみては。

2013年02月27日掲載分05
境内には西陣織の守り神、織姫神社もあります。両側に立っているオブジェは機織(はたおり)の道具「杼(ひ)」の形。糸と糸とを結び合わせていく織物の神様は、縁結びが大得意。また、七夕の織姫ですから遠距離恋愛を守ってくれます。

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願い事に手ごたえがほしいなら、ぜひこの不思議な石「阿呆賢(あほかし)さん」へ。まず石を三度たたくと怒って重くなるそうで、そのあと願いを込めて三度なでてあげてから持ってみて、軽くなっていれば願いが叶うとか。石にさわった手で体の悪いところをさすれば病気平癒のご利益も。

今宮神社では、毎年4月の第二日曜日に京の三奇祭のひとつ「やすらい祭」が行われます。これも長く途絶えていたのを桂昌院が復興させました。花笠の行列と一緒に「やすらい花や」のかけ声で鬼が踊る独特なお祭りです。

平安時代には、桜の散る頃に疫病が流行ると信じられていました。これを防ぐために桜の花の霊を鎮めるのが、やすらい祭の目的。大自然の力を敬う日本人の心が感じられるはず。

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上の「やすらい人形」で、お祭りの力を借りた厄除け祈願を。
また、花笠に入れば健康でいられると言われています。
お花見も兼ねて、開運ざんまい。

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こちらが今宮神社の御朱印。
やすらい祭を表す「鎮花」の印が右上に。

最後に、ここへ来たら絶対に外せないおやつをご紹介。
東門を出るとすぐ、2つのお店が向かい合っています。
日本最古の和菓子屋といわれる「一和」は平安時代創業。
江戸時代からの「かざりや」も負けずに味をみがいてきました。
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どちらも、売っているのは名物あぶり餅。
お店の中でゆったりとお茶を飲みながらいただくことができます。
2013年02月27日掲載分10
きな粉と白味噌のコクがたまらない素朴なおいしさ。
御幣(ごへい)のような形をしているのは、それもそのはず、今宮神社に奉納された斎串(いぐし)をいただいて使っているから。食べると厄除けになる縁起物です。

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手作り中♪

2013年02月27日掲載分12
両方のお店とも風情は満点。微妙に味わいが違うので、ぜひ食べ比べを。
時にはこういう所でほっこりして活力を養うのも、開運への第一歩ですよ。

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●今宮神社 http://www.imamiyajinja.org
≪アクセス≫
・阪急烏丸駅より市バス46番 上賀茂神社行「今宮神社前」下車スグ
・市バス「船岡山」下車 北へ徒歩7分
・大徳寺より北へ徒歩10分
京都府京都市北区紫野今宮町21
075-491-0082
境内自由 社務所9:00~17:00

≪イベント≫
やすらい祭 毎年4月の第二日曜日
2013年4月14日(日)12:00~17:00 雨天中止
最新の詳しいスケジュール等は公式サイトをご覧ください。
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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