【再録】京都が異界とつながる日・その2 六道珍皇寺・西福寺ほか

前回は、六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)と地獄の不思議な関係についてお話しました。ではそこで年に一度、毎年8月7日~10日の4日間行われる「六道まいり」とは!?

2013年07月31日掲載分01
夜店でにぎわう「六道の辻」、普通の縁日のような屋台に混じるのは、お盆用品と、高野槙(コウヤマキ)の枝を売る店。高野槙の穂先は、前回出てきた「冥土通いの井戸」で、あの世との橋渡しの役目を担っていました。

そう、この「六道まいり」の目的は、お盆にこの世へとやってくるご先祖様を無事お迎えし、おもてなしすること。その手順はこう。

まず高野槙を買い、経木でできた水塔婆(みずとうば)を六道珍皇寺の本堂前で求め、ご先祖様の名前を書いてもらいます。これを持って、平安時代から続く「迎え鐘」へ。長い行列が沿道まで続いていました。
2013年07月31日掲載分02
鐘は壁でおおわれ、外からは見えません。地下に半分もぐった状態なので、撞く位置は腰のあたりとだいぶ低め。地獄にまでも音が響きわたるように、こうなっているのだそうです。「迎え鐘を撞いたときに、ご先祖様が自分の肩にふわりと乗ってくるつもりでやってみてね。送り火のときまで一緒にいてくれるからね」毎年お手伝いをしているという地元の女性の言葉が印象的でした。

次に、本堂でお詣り。このとき、お線香を焚いて、煙で水塔婆を清めます。
2013年07月31日掲載分03


最後に、お地蔵様にお詣りします。お地蔵様は、六道の全てを見守り、たとえ地獄に落ちたとしても自ら救いに来てくれるという、たのもしい仏様。
2013年07月31日掲載分04

このお地蔵様たちの前には長い水槽があります。「水回向(みずえこう)」といって、ここでぬらした高野槙の穂先で水塔婆をなでると、ご先祖様が喜んでくれるとのこと。それから所定の場所に水塔婆を納めれば完了。五山送り火の翌日に、お寺でご供養していただけます。高野槙は、お盆が終わるまで自宅の仏壇にお供えします。

2013年07月31日掲載分05

六道珍皇寺の他にも、「六道の辻」エリアに位置するお寺では、お盆の行事が営まれています。

たとえば、西福寺では毎年8月8日から10日まで「お精霊(しょうりょう)迎え」。
2013年07月31日掲載分06


ここでも、お地蔵様の前で水回向が行われていました。
2013年07月31日掲載分07


本堂の中には、これまた前回ご紹介したような六道絵や地獄絵がズラリ。絵の内容を詳しく解説する「絵解き」のイベントも毎年行われています。
2013年07月31日掲載分08


六波羅密寺では、同じく8月8日から10日まで、萬燈会(まんとうえ)です。
2013年07月31日掲載分09


この灯火、よく見ると、送り火と同じ「大文字」の形になっています。
2013年07月31日掲載分10
本堂内のロウソクも、大文字の形に並んで灯されていました。
大文字は、5方向に線が伸びていることから「地水火風空」という天地自然の5つの根幹要素「五大」を表しています。ご先祖様のいる目に見えない世界に敬意を払い、大宇宙のすみずみまで祈りを届けるための形です。


2013年07月31日掲載分11
六波羅密寺にも、迎え鐘が。やはりほとんど地中にかくれています。


2013年07月31日掲載分12
西福寺御朱印の梵字は、本堂「法王殿」に祀られる、人々を極楽浄土へと導く阿弥陀如来様。右は六道珍皇寺の通常の御朱印。御本尊の薬師如来様です。


最後に、ちょっぴり涼しくなっちゃうお土産をご紹介。
2013年07月31日掲載分13
「子育て幽霊」のお話、まんが日本昔ばなしの世代なら知っている人も多いかもしれません。まだ土葬が一般的だった時代、誤ってお墓の中で生まれてしまった我が子の命をつなぐために、救出されるまで毎晩欠かさず飴を買いにきた母親の幽霊。

2013年07月31日掲載分14
その幽霊に選ばれたのが、このお店だったとか。こんなことがあるのも「六道の辻」ならでは。いまやすっかり名物となった「幽霊子育飴」、なつかしい濃厚な味わいの、大変美味しいベッコウ飴です。

あの世とこの世、そしてご先祖様と自分。ちょっと怖いけれど、なぜかほっこり優しい気持ちになれるのが京都のお盆の魅力です。異界と身近に触れ合い、命のつながりを再発見する夏へ、迎え盆にはぜひ「六道の辻」で夕涼みがてら散策を。

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●六道珍皇寺 公式サイト http://www.rokudou.jp/
≪アクセス≫
・京阪電車「東山五条」駅下車徒歩20分
・市バス「清水道」下車徒歩5分
京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町595
075-561-4129
≪イベント≫
六道まいり 毎年8月7日~10日 朝から夜9時頃まで
特別公開(不定期) 2013年7月13日(土)~31日(水)、8月20日(火)~9月30日(月)
          10:00~16:00 拝観料600円
         *法要等により拝観できない日が生じる場合もあります。

●西福寺
≪アクセス≫
・六道珍皇寺から徒歩2分
京都市東山区松原通大和大路東入2丁目轆轤町81
075-551-0675
≪イベント≫
お精霊(しょうりょう)迎え 毎年8月8日~10日 朝から夜8時頃まで

●六波羅密寺 http://www.rokuhara.or.jp/
≪アクセス≫
・六道珍皇寺から徒歩3分
京都市東山区五条通大和大路上ル東
075-561-6980
≪イベント≫
萬燈会(まんとうえ) 毎年8月8日~10日 日没から夜8時頃まで

●みなとや幽霊子育飴本舗 公式サイト http://kosodateame.com/
≪アクセス≫
・六道珍皇寺から徒歩2分
京都市東山区松原通大和大路東入2丁目轆轤町80番地の1
075-561-0321
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。巷間の多種多様なおみくじを収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・カード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐(悪癖?)。

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