【再録】江戸人気分でこんぴらまいり・その1 門前町と歌舞伎と絶品スイーツ 金刀比羅宮周辺

昨年の式年遷宮の熱もさめやらぬ伊勢と並んで、江戸時代の人たちがこぞって遠路はるばるお参りしたのが讃岐の金刀比羅宮(ことひらぐう)、通称「こんぴらさん」。こうした徒歩と船の長旅は、当時の人には一生ものでした。それならせっかくだからと、お伊勢詣りのついでに足をのばす人も多く、あるいはそこからさらに四国八十八ヶ所を巡ってしまうなんてツワモノもいたそうで。奇しくも今年は、四国霊場開創1200年。この旬な機会に、江戸末期パワスポブームのあこがれの地「こんぴらさん」にもお詣りしてみては。

2014年03月05日掲載分01
現代ではさすがに徒歩はムリですが、スローな電車の旅には心和みます。金刀比羅宮周辺はとにかく石段の多い町なので、車でのアクセスは避けたほうが快適そうな印象でした。「ことでん」の黄色い「こんぴらさん」ラッピング電車で高まるお詣りムード。

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レトロモダンな駅舎のことでん琴平(ことひら)駅のすぐ隣には、日本一高い灯籠「高灯籠」。航海安全の神様「こんぴらさん」を船の上から拝める目印にと、江戸時代も終わりの1865年に建てられました。町にはこの時代の熱気を今に伝える古い建物が多く、金刀比羅宮までの道のりは見どころ満載です。

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川に沿って少し歩けば、神事のときのみ使われる「鞘橋」。刀のような美しい反りに注目。明治初期の再建。

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うどん屋さんも、江戸時代そのまま。築150年になる「てんてこ舞」。併設の「中野うどん学校」では、予約でうどんの手打ち体験も。

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こちらはおそば屋さん。うどんもあります。店先の彫刻が見事な元旅館の「虎屋」は創業明治44年。店内も当時のままの重厚感。

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参道の石段を少し上がり始めたあたりには、創業100年の「とら丸旅館」。長旅を癒す宿屋でにぎわう江戸時代のパワースポットの雰囲気を残しています。

人々が集まる江戸時代の巡礼地では、宿屋はもちろんアミューズメント施設も大繁盛。一口に聖地巡礼というとおカタいイメージですが、ついでに遊ぶのは当時から当たり前。遊ぶことで日々の心のアカを落とし清めて、今後の活力をチャージするのも立派な(ウラの)大義名分なのです。

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そんな土地柄から作り上げられてきたのが「旧金毘羅大芝居」。現存する日本最古の芝居小屋です。今でも毎年、春のシーズンに「こんぴら歌舞伎」が上演されています。今年は、4月5日~20日まで。歌舞伎って、全く触れたことがないと難しそうに思えるかもしれませんが、そんなこと全然ありません。たとえセリフの意味がわからなくても、ド派手なビジュアルと肉体パフォーマンスがヒーローショーみたいで、それだけで無邪気に楽しめてしまいます。だまされたと思って一度は見に行ってみると良いですよ。

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「旧金毘羅大芝居」では、歌舞伎公演のないときは入場料300円で内部見学できます。写真は2階席からの眺め。

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楽屋や舞台裏も見学。暗くてまるで秘密基地のような奈落には、舞台を回転させる巨大な装置が。これを目の当たりにすると、江戸時代人の発想の大胆さに改めて驚かされます。実は回転舞台や花道を世界で初めて発明したのが日本の歌舞伎。ということは…これが現存世界最古!この圧倒的な空間で演じられる歌舞伎、想像するだけで鳥肌ものです。




さて、ここへ公演にやってくる歌舞伎役者がお忍びで買いに来るという、知る人ぞ知る名物スイーツのお店をご案内。

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「こんぴらレトロ街道」というその名もナイスな商店街アーケードの中に、そこらのレトロを軽く飛び越すほどの存在感を放つ和菓子店、それが「へんこつ屋」。江戸中期の建物をそのまま使い続けています。
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入口の木彫も見事。

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格子状に編まれたアーチ型の網代天井が格調高さを醸し出す店内。「へんこつ」というのは、何があっても志を貫く頑固者という意味。たとえ建物が古すぎて不便を感じることが多くなっても、そこはがんばって後世まで末永く守り抜くという気概こそ「へんこつ」魂と言えましょう。

2014年03月05日掲載分13
お菓子は店内でお抹茶とともに味わうこともでき、注文すると奥へ通されます。というか、まさかの奥行きにびっくり。廊下には年季の入った馬具とともに、色々な有名人のサインが飾られていました。

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そして一番奥の部屋へ。こののれんの向こうには・・・









向こうには・・・















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ハイ、異空間です。



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天井も照明の笠さえもおおい尽くす落書きパラダイス。

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そんな中にこれまたレトロすぎる火鉢。

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部屋の片隅には文机が。慣れない手つきで硯に墨をすり、下の引き出しから半紙を取り出しておもむろに適当なことを書いたら左脇の箱の中に置いておくと、適当に貼ってもらえる感じです。


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落書きを見たり書いたりしているうちに、お抹茶とお菓子が運ばれてきます。2大看板メニュー「へんこつまん」と栗ようかんです。見た目が地味だからとあなどるなかれ。一口食べれば、必ず違いがわかるはず。どちらも明らかに高級な砂糖を使い、手間暇かけて丁寧に作られなければ絶対に出せない繊細で贅沢な味わい。それもそのはず、添加物・保存料などは一切使わないで伝統の材料と製法を守り続けているとのこと。だからあまり数を作れないし日持ちもしないので、売店などに卸すことは決してなく、ここのお店でしか買えないんです(それでも栗ようかんは賞味期限が長めなので、お土産に最適)。大量消費の便利さや目先の効率に流されず、常に最高の味であることを貫く。これぞ「へんこつ」魂。上質を知っている役者さんたちに選ばれるのはワケがあるんですね。

古き良きものが桁違いのスケールで数多く受け継がれてきた、この門前町。その秘訣はやはり、時代を超えた「こんぴらさん」の求心力なのかもしれません。次回はいよいよ金刀比羅宮をご案内。

↓江戸人気分でこんぴらまいり 続きはコチラ↓
その2 境内でアートを堪能、時々おやつ
その3 超時代的パブリックアートここにあり!
その4 御朱印集めて巡礼?それともマラソン?!


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●旧金毘羅大芝居「金丸座」 http://www.konpirakabuki.jp/
≪アクセス≫・ことでん琴平駅から徒歩15分、JR琴平駅から徒歩20分
香川県仲多度郡琴平町乙1241
0877-73-3846

≪イベント≫第三十回記念「四国こんぴら歌舞伎大芝居」公演
平成26年4月5日(土)~20日(日)
A席13000円、B席9000円
チケットのお求め方法等は公式サイトをご覧ください。

●へんこつ屋
≪アクセス≫・ことでん琴平駅から徒歩2分、JR琴平駅から徒歩7分
香川県仲多度郡琴平町琴平240-2
0877-75-2343
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。巷間の多種多様なおみくじを収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・カード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐(悪癖?)。

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