【再録】三陸鉄道南リアス線に乗りに行こう!絆の聖地 恋し浜駅

2014年10月29日掲載分01
釜石駅に着いたら目に飛び込んでくるのが、ドラマ「あまちゃん」でもおなじみだったこの車両。ドラマに登場した三陸鉄道は北リアス線と南リアス線に区間が分かれており、こちらは南リアス線です。平成26年4月5日に全線運行再開したばかり。

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前回はSL銀河を追いながらJR釜石線を花巻~遠野と乗ってきました。その終点が釜石駅なので、上手に予定を立てればSL銀河と三陸鉄道を丸一日で一気に楽しむぜいたくな鉄旅もできちゃう。

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三陸鉄道南リアス線の魅力は、アテンダントさんがガイドや車内販売で旅気分を盛り上げてくれること。イベント列車なども定期的に開催。目の前は「あまちゃん」の世界そのものです。

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おなじみ三鉄カラーだけでなく、こんなお洒落な新型レトロ調車両もやってきます。全線復旧に合わせて新たに導入されました。

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内装も豪華。「これ乗るのに予約とか追加料金とかいらないの!?」なんて戸惑いそうになりますが、何もしなくても通常料金で普通に乗れちゃいます。

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車窓からは、いまだ津波の爪痕生々しい被災地が垣間見えますが、これが今まさに復興へ向けて一歩一歩がんばっている姿です。皆さんとても親切な三鉄のスタッフさんたちも、お一人お一人が心に抱えておられることは様々なはずですが、それにもかかわらず、まばゆいばかりの笑顔であたたかく旅人をもてなしてくれます。

そんな真心のこもった電車で向かう縁結びの名所が、この「恋し浜」駅。
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もとは「小石浜」駅でしたが、2009年に改称されました。ロマンチックな駅名標です。


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ホームからは海も見渡せる、こじんまりとした可愛らしい眺め。

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こちらには、地元の人が1985年に駅の開設を喜んで詠んだ短歌「三鉄の藍(愛)の磯辺の小石(恋し)浜 かもめとまりて汐風あまし」が記されています。「小石浜」駅は地元民の要請で造られた一番新しい駅でした。ホタテの養殖が盛んな土地なので、この短歌にちなみ命名されたのが「恋し浜ホタテ」のブランド。全国屈指の大変美味しいホタテとして有名です。駅名の改称は、この「恋し浜ホタテ」の漁師さんたちのアイデア。開設当初から地域住民が主体となって守り、盛り立ててきた元気な駅なんですね。

そして、恋し浜駅といえば、何と言ってもこちらの待合室。
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近づいていくと、窓からのぞくものは・・・


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中にはホタテの貝殻絵馬がびっしり。もちろん恋し浜ホタテ使用。
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恋し浜ホタテの養殖は、牡蠣の養殖と同じように穴を開けて紐で吊るしておくのが特徴。こうすることで、貝が砂を吸い込まずにすむそうです。絵馬もこれと同じ吊るし方になっているのが密かなポイント。


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床にまで、びっしり。

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こちらの机で、絵馬を書いていけます。いつも貝を洗って準備してくれる三鉄のスタッフさんさまさまです。当初は縁結びの願い事が主でしたが、震災後は復興を願うメッセージや日常への感謝などが中心になりました。念願叶って全線復旧した三鉄を、積み重なる想いでそっと支え続けるホタテ絵馬。全国から訪れる人々と被災地との心をつなぐ、もっと大きな縁結びの形が、ここにあります。

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片隅の本棚に、何気ない日々の面影。

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栃木の市民団体から贈られた、折紙の千羽鶴ならぬ千枚ホタテも。たとえ何もできないとしても、何かを伝えることで少しでも力を取り戻してほしい。そんな温かで純粋な祈りが、全国各地から次々とこの場所に集まってきます。こういう感じこそが本来的なパワースポット、聖地の趣きに思えてなりません。

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ホームには、天使やバラの透かし模様が美しい「しあわせの鐘」。
恋し浜駅では停車時間が少し長めになっているので、終点まで途中下車しなくても鐘を鳴らしたり絵馬を書いていったりと充分楽しめます。一人で来ても、アテンダントさんが記念撮影のシャッターを押してくれたりするので安心。


ここでは、せっかくだからもう少し降りてみます。

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小さな無人駅ならではの佇まいにくすぐられる旅情。


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よく整備された花壇には、バラの花が咲いていました。実はこのバラ、地元出身の人が命名した新品種「恋し浜」。つまりオリジナルです。これも密かなロマンチックポイント。「しあわせの鐘」のモチーフも、これにちなんでいます。

以前は鉄道ファンがホームで結婚式を挙げたこともある恋し浜駅。幾多の悲しみを乗り越えて、再びそんな幸せの花が咲く日も確実に近づいてきています。それはきっと、もっと大きく深いものに違いありません。



再び電車に乗り込みます。終点が近づいてくると、車内で二人のアテンダントさんが宮城県の海の民謡「斎太郎節(さいたらぶし)」を歌いながら手躍りを披露してくれました。
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お客さんたちと一体になって、車内のテンションは最高潮に。


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終点では、最後まで乗客の一人一人を最高の笑顔で見送ってくれる姿に感涙。旅人を楽しませながら被災地の記憶を広く伝えていく試みの数々、実際に一度その場で触れると応援せずにはいられなくなります。むしろ生きる力を分けてもらったような気持ちで、忘れられない旅になりました。ちなみに窓の下に書いてあるアラビア語は、震災にあたり東北に多大な支援をしてくれたクウェート国への感謝の言葉。三鉄の心は世界につながっていきます。


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終点(起点)の盛駅の通路も、復興への熱いメッセージでいっぱい。

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「盛駅ふれあい待合室」は、地元の人や旅人の憩いの場。同時に、三陸鉄道南リアス線のイベントや地域の色々な支援活動の拠点となっています。豊富なお土産グッズを選んだり、お茶を飲んでおやつを食べたりして、ほっと一息。付近にはグルメスポットも色々あるので、ぜひスタッフさんたちに教えてもらってください。
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地元の人たちによる手芸品も色々売っています。写真は、ちりめんで作られた「盛の椿」ストラップ。ブローチもありました。和のテイストが良い感じです。

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記念に切符をコレクションしてみるのも、鉄旅のお楽しみのひとつ。盛駅と釜石駅では、昔ながらの紙質と印刷のレトロな硬券切符を発行してくれます。しかも台紙つき。窓口で気軽にお願いしてみてください。恋し浜行きの硬券が手に入るのは、盛駅だけ。あとは起点から終点までの通し切符と、釜石駅・盛駅の入場券です。乗るとき使えるタイミングで買えるのが一番ですが、場合によってはそのとき実際に使わない切符でも寄付だと思って買ってコレクションに加えてしまうのはアリですよ。

次回は、再び三陸鉄道南リアス線で釜石のひとつ前の平田駅まで戻り、もうひとつの沿線パワースポットへと向かいます。

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●三陸鉄道 公式サイト http://www.sanrikutetsudou.com/
●盛駅ふれあい待合室 公式サイト http://santetsufureai.web.fc2.com/

テーマ : 鉄道旅行
ジャンル : 旅行

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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ」(グラフィック社刊)もうすぐ発売。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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