【再録】成長する布袋様!?年末年始にレトロでカオスな開運厄除まいり 清荒神清澄寺

年末が近づくと、お正月の飾りや縁起物などを買い回るのは日本古来の風物詩。そのために市が立ったり、時期限定のお守りなどを出したりする寺社も各地にあります。その中でも今回は、ユニークな縁起物で新しい年を迎えられる清荒神をゆるゆるお詣りしてみましょう。

2014年12月10日掲載分01
清荒神駅を降りると、いきなり超レトロなアーケード。
ここから参道がスタートです。

2014年12月10日掲載分02
昭和すぎる商店街が約1kmに渡って延々と続きます。
なんだか浦島太郎気分で、かなりのトリップ感。

2014年12月10日掲載分03
日用品・雑貨からお土産物・縁起物まで、色々揃ってごちゃごちゃしてるのが楽しいです。中には、会うと運が良くなるリアル白蛇を飼っているお店があったり、謎の精力がつきそうな漢方薬屋さんがあったりと冒険心をかきたてられます。

2014年12月10日掲載分04
お寺が近付いてくると、これまた昭和のバラック市場のような、お祭りのような、独特の雰囲気に。

2014年12月10日掲載分05
清荒神清澄寺の山門まできました。古きよき庶民的なお詣り情緒が生き続けています。


2014年12月10日掲載分06
境内に入ると正面には、御本尊の大日如来という仏様をお祀りしている本堂が見えます。

2014年12月10日掲載分07
大日如来様は大宇宙そのものを擬人化した仏様なので、一番えらいというわけ。無事に生かされていることへの感謝の祈りを捧げるのが良いでしょう。

2014年12月10日掲載分08

大日如来様の御朱印。曼荼羅の形に同じ梵字がぐるりと並んでいる印で、大日如来様が宇宙すべてを満たしている様子を表現。やはり梵字だらけはかっこいいです。

では、もっとこまごまとしたお願い事は?心配ご無用。清荒神には、具体的で親しみやすい神様仏様がたくさんいらっしゃいます。
2014年12月10日掲載分09
たとえば、本堂の前には「おびんずる様」。自分の体の悪い所と同じ箇所をなでると、調子を良くしてくれます。えっ、頭?しょーもないなぁ。なんて言ってるアホは置いとくとして(私かw)、たくさんの人から頼りにされているので全身テカテカです。

2014年12月10日掲載分10
本堂の手前右にそびえる巨大なお地蔵様は、三礼してから柄杓で水をかけると願い事をひとつ叶えてくれます。といっても、大きすぎるし距離もあるからなかなか上手くかからないんだな、これが。ついついアツくなってしまいます。



そして、ここから先が、いわばこのお寺の主役。
2014年12月10日掲載分11
笑顔でドーンと構える布袋(ほてい)様ゲートに迎えられて、荒神様のエリアへ。

2014年12月10日掲載分12
荒神様は、正式には「三宝荒神」といって、日本古来の荒ぶる神を仏教的な姿で祀っているそうです。その成立にはまだまだ謎が多いのですが、火を司る神様で、かまど・台所を守るとされています。

そういうわけで、先ほども鳥居が見えたと思いますが、お堂の建て方もまるで神社みたい。上の写真の「天堂」のちょうど裏には、「護法堂」(下写真)。御本社とも呼ばれ、作りはもろに神社風です。
2014年12月10日掲載分13

神社に例えれば、「天堂」が拝殿で「護法堂」が本殿であるかのような雰囲気。実際には、どちらのお堂もそれぞれ違った名前の神様を祀っているのですが、両方とも本体は荒神様で、その現れ方が違うといった感じです。
2014年12月10日掲載分14
荒神様の御朱印。「三宝」荒神だけに、3つの宝珠がシンボル。

2014年12月10日掲載分15
護法堂の周りの塀は、奉納された千羽鶴と写経だらけ。荒々しい神様ほどその働きは激しく、願いを叶える力も強いということがリアルに感じられます。

そして、「護法堂」のこれまた真裏、神社でいえば御神体の鎮まるべきポジションには、清荒神で一番のパワースポットが。
2014年12月10日掲載分16
ご神木「荒神影向の榊」です。影向(ようごう)というのは、神様が人間の前に姿を現した、という意味。そんな重要な場所なので、大切に柵で囲われています。

ところで、柵の間からちょいちょいはみ出している木の棒、何だと思います?見ると、よくお詣りに来ているとおぼしき人たちが、柵に張り付いて何やらゴソゴソやっているではないですか。

柵の中から木の棒を使って掻き出そうとしているのは…
2014年12月10日掲載分17
お賽銭として投げ込まれている五円玉。
見つけられたらラッキー、らしいです。
だけど、ただ持っていくだけでは駄目。
願いが叶ったら、もしくは一年経ったら「倍返しやで~」とのこと。
そうでもしないと、全然なくなっちゃいますもんね。
誰かがちょっぴり幸せな気持ちになる瞬間を想像しながらそっと五円玉を中に置いていく、なんてアメリみたいなプレイも粋かもしれません(←古っ)。情けは人のためならず、です。



お詣りがすんだら、授与所を兼ねた眷属(けんぞく)堂へ。
2014年12月10日掲載分18
眷属堂では、荒神様のお使いとされている福の神、布袋様をお祀りしています。


中には、伏見人形の布袋様がずら~り。
2014年12月10日掲載分19
実はこれ、毎年12月23日~翌年2月5日までの期間限定の縁起物。
連れて帰って、来る年の福をたっぷり授かっちゃいましょう。
大きさは、一年生から七年生までの七段階(べつに留年とかじゃないんだからねっ!)。毎年、新たに一回り大きいものを受けることになっています。
2014年12月10日掲載分20
私が受けてきた「一年生」。一番小さくても、この彩色の細やかさ。
これから毎年一緒に成長していくと思うと、親しみがわいてきます。
七年かけて全サイズが自宅にずらりと並べば、自分もあの頃からがんばってきたんだなあ、とか色んな感慨が駆け巡るのかもしれません。その時には、幸せもこの布袋様のように何倍にも大きくなっているはず。

2014年12月10日掲載分21
もうひとつの期間限定縁起物が、荒神様の福笹「吉兆」。
こちらも毎年12月23日~翌年2月5日までです。
笹は一年を通して青々としていることから、生命力を表すおめでたい物。しゃもじ、ほうきといった家庭的なシンボルがついていて、台所の火の元の安全を守ってくれます。
日本最後の文人画家といわれる富岡鉄斎の書がデザインに使われていて、なにげにカッコイイ。境内には、約1200点ものコレクションを誇る富岡鉄斎美術館も。お詣りのついでに、鉄斎の描いた渋くも瑞々しい理想世界に心を遊ばせてみては。


これから厄年を迎えてしまう人は、コチラに注目。
2014年12月10日掲載分22

何やら、巨大な棒のようなものがたくさん奉納されています。

2014年12月10日掲載分23
身長よりも大きい!なんと全部、火箸です。
今ではあまりなじみのない道具ですが、かまどや囲炉裏で、燃えている炭をつまんだりするのに使う金属製の箸です。

2014年12月10日掲載分24
下の方には、普通の大きさの火箸が山積み。荒神様の厄除開運火箸です。火を司る荒神様の力を借りて、アチチでイテテな厄を火箸でつまみ出してしまえとのココロ。眷属堂で受けてきて自宅の神棚に祀るのですが、これも厄年が終わったらお礼に「倍返し」なので、たくさん奉納されているというわけ。この圧倒的な量こそ、たのもしさの表れ。気が重い厄年も、これで安心ですね。納められた火箸は、たまったらリサイクルされて社会福祉事業や東日本大震災復興支援に役立てられるそうなので、厄除けしながら社会貢献もできて一石二鳥。

謎多き荒ぶる神という性格からなのか、各所に種々雑多なエネルギッシュさのあふれる清荒神。その激しさと懐の深さが、人々の身近な悩みや素朴でささやかな願いを受け止め続けている力の源泉なのかもしれません。古い年に溜め込んでしまった様々な思いが渦巻く年末こそ、この混沌に身をまかせれば、荒神様の見えない炎で心の垢を燃やしてしまえそうな気がします。楽しく運気をリフレッシュして、ハッピーな新年をお迎えください。

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●清荒神清澄寺 公式サイト http://www.kiyoshikojin.or.jp/
≪アクセス≫・阪急宝塚線「清荒神」駅より徒歩約20分
兵庫県宝塚市米谷字シ1番地
0797-86-6641
 
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。巷間の多種多様なおみくじを収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・カード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐(悪癖?)。

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