【再録】初詣はやっぱり羊でいこうか!? 羊神社・法輪寺

メリークリスマス、そして、もういくつ寝るとお正月ですね。せっかく初詣にいくなら、その年の干支と関係のある神社仏閣にしてみようかな、なんて思うことはないでしょうか。

だけど来年は羊。羊って、日本では明治時代まであまりなじみのない動物でした。むしろクリスマスのほうが羊っぽいんじゃないかというくらい(キリスト教にはよく登場してるし)。だから十二支の中でも群を抜いて、羊な寺社って少ないんですよね。そこをなんとか、2ヶ所みつけてきました!


まずは名古屋の、その名もズバリ「羊神社」。

2014年12月24日掲載分01
住宅街の真っ只中なので、案内板がたよりです。

2014年12月24日掲載分02
そこから地図的には入り組んでいるものの、意外とわかりやすく到着。
さあて、羊をさがしますかね。










2014年12月24日掲載分03
なんてリキむほどのこともなく、さっそく手水舎からコレ。
かわいい子羊ちゃんにテンション上がります。

2014年12月24日掲載分04
羊の親子像も。


どうしてこの神社が羊なのかというと、どうやら2つの理由があります。
ひとつは、奈良時代に今でいう群馬県のほうからやってきた羊太夫という人が建てたから。それで、このあたりの地名は昔は「火辻(ひつじ)」と言ったのですが、いつしか「火」がとれて「辻町」になりました。火事にならないよう験をかついで「火」がとれたと言われています。とはいえ逆に考えれば、そもそも火の神様を祀っていることから元々「火」のつく名前になって、神社も地名も「ひつじ」になったのかもしれません。これが、もうひとつです。


2014年12月24日掲載分05

こちらが社殿。日本神話の最高神「アマテラスオオミカミ」と、火の神様「ヒノカグツチ」をお祀りしています。社殿を隠すようについたてがあるのは、神様のいらっしゃるところが常に直接見えてしまっていると畏れ多いから。伊勢神宮でも、そうなっています。日本の神様は、人前においそれとは姿を見せないものなのです。
2014年12月24日掲載分06
近づいてみると、ついたての飾りにも、しっかり羊が。

羊神社は、地元では火事よけのご利益で知られています。火の神様がいらっしゃるからというのはもちろんなのですが、そのパワーも実証済み。空襲のとき、この地域は多くの焼夷弾を受けたにもかかわらず、ほとんど火災にならなかったそうです。戦争はなくても様々な火の粉がふりかかる中を生き残っていかないといけない現代ですから、そんな災難よけにも効果がありそう。

2014年12月24日掲載分07
羊神社の火伏せの伝承のみならず、中国では天下泰平や家族の安泰を表すとされてきた羊ですから、絵馬も平和な感じ。新しい年は何事もなく安泰に過ごせることを願って。ここではもちろん、絵馬は干支と関係なくいつでも羊です。

2014年12月24日掲載分08
こんな授与品もありました。「ふきん」ということになっていますが、要はハーフサイズの手ぬぐいです。染めの素朴な風合いが素敵。今度のお正月なら、誰かにあげると喜ばれること間違いなし。先回りしてお年賀の準備にいかが?
2014年12月24日掲載分09
羊神社の御朱印。



2つめの羊な寺社は、京都の嵐山にあります。
2014年12月24日掲載分10

五山送り火のビュースポットとして知られる、法輪寺です。

2014年12月24日掲載分11
境内の舞台からは、渡月橋がよく見えます。五山送り火では、鳥居型の送り火と灯篭流しが一度に見渡せて、夜空の向こう側へと誘われるような幽玄な眺めに。


2014年12月24日掲載分12
本堂にお祀りされている御本尊は、この宇宙を満たしている全てのキオクやキロクのような概念を擬人化した、虚空蔵菩薩という超絶的に物知りな仏様。子供が13歳になると虚空蔵菩薩様に知恵がつくようお願いする「十三まいり」で全国的に有名なお寺です。

左右に牛と虎の石像がいるのは、虚空蔵菩薩様が丑年と寅年の守り本尊だから。今はあまり気にしないようにしましょう(笑)。で、来年の主役はどこにいるのかというと…



2014年12月24日掲載分13
山門から本堂へと続く石段を登り切って右手に、羊小屋(?)のようなものが。


2014年12月24日掲載分14
羊は、虚空蔵菩薩様のお使いだからだそうです。
おすましした表情が、なんとも頭よさげ。



嵐山の法輪寺でもうひとつ珍しいのは、電気の神様。
2014年12月24日掲載分15
石段の途中の案内板のとおりに少し道をそれると…



2014年12月24日掲載分16
「電電宮」です。もともと雷や光の神様で、法輪寺の創建当初からこのお寺の守り神でした。戦後に入ってから電気電波関係の技術や事業の神様として見直され再建されたとのこと。ITの発展めざましい現代には、もはやご縁のない人はいないくらいですね。

2014年12月24日掲載分17
電電宮への感謝に寄せて、山門近くには電気技術の功労者を顕彰する電電塔も。両脇の肖像レリーフは、電気の利用方法を発明したエジソンと電波を発見したヘルツです。
う~ん、これまた何だか頭がよくなりそう!?

2014年12月24日掲載分18
そしてこれが法輪寺/電電宮の名物(?)お守り、情報安全護符ステッカー。パソコン周りなど好きな所にペタペタ貼りまくれます。もちろん、ウイルス対策ソフトを入れたりデータバックアップしたり等の現実的な安全策は自己責任でやっておかないといけません。とはいえ、今時はネット上の色んなアレとか、データがいきなり消えた!とか、神頼みでしかどうにもならないことも増え続けていますからね…。心強いお守りですね。携帯やタブレット向けには蒔絵シールタイプもあり、シンプルな梵字のデザインがお洒落です。

2014年12月24日掲載分19
さらに、珍しい超ハイテクお守りも。マイクロSDカード&アダプターとして普通に使えちゃいます。これぞという大事なデータを取っておくのに良いかも。カードメディアの中にも、デジタルお守りとして虚空蔵菩薩様の画像データが。あらゆる自然現象を掌握し、世界中のデータの化身でもある虚空蔵菩薩様。電電宮の神様も、その現れ方のひとつなんだそうです。羊だけでなく、そんなサイケでトランステクノな世界を垣間見られるのも法輪寺の密かな魅力です。

2014年12月24日掲載分20
法輪寺の御朱印。

未年は、物事が熟すときといわれる穏やかなイメージの年。話のタネにも来年の干支にちなんだ寺社を訪れて、楽しい新年をお過ごしください。

2014年の終わりとともに、この連載も、今回で最終回になります。今までお読みくださった方々、どうもありがとうございました。

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●羊神社
≪アクセス≫・名鉄「上飯田」駅より徒歩約5分
愛知県名古屋市北区辻町5-26
052-912-0063
【注意】通常、火曜の午後と水曜・金曜は社務所不在につき御朱印・お守り等を受けられません。

●法輪寺 公式サイト http://www2.ocn.ne.jp/~horinji/
≪アクセス≫・阪急嵐山線「嵐山」駅より徒歩約3分
・JR京都駅より京都バス・市バス「嵐山」下車
京都市西京区嵐山虚空蔵山町68-3
075-862-0013
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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