おみくじの心得などへの私見

これまでにいくつか、おみくじに関するweb記事やテレビ番組の監修をさせていただきました。


というか、以前は縁起モノや絵馬のことばかり書いていて、その一貫ではあれ、私がおみくじの収集もしてきたことなんてのはプロフィールの片隅にちょこっと書いておいたオマケみたいなものにすぎないと思っていたわけです。


それが思いのほか目に止めていただけていることに、むしろ本人が驚いているくらいで。


こういった機会を得たことで、おみくじについて色々なことを考えたり、それを自分なりの備忘的な考察にまとめてみたりもするようになってきました。


中でも、どうやら多少なりともおみくじを気にかけ始めた人が、まず一番知りたがるのは、
「おみくじの常識」みたいなものだったりします。


それって、私のように当たり前にしょっちゅうおみくじを引きまくっている特殊な人種にとっては、どれも当たり前すぎるので、実を言えばわざわざ質問されることに当初は戸惑うばかりでした。


ですが、こうしてそれまで気にも止めなかったことを改めて言葉にしていく作業を通して、新たにわかってくることはたくさんあります(ありがたいことです!)。


そんなわけで今回は、おみくじ(の常識?!などなど)について私が生意気にも何かモノを言う上で、常に基盤としている考え方を書かせていただきます。




昨今、より多くのご利益を得たいからなのか、寺社参拝のマナー/ハウツーを教えるメディアが巷に溢れています。おみくじについてのことも、そのひとつ。まさかそういったものに私自身が関わることになるとは、夢にも思いませんでした。


とはいえ関わる以上は、質問に答えて何かを指南したり、他のところでは大体どんなことが言われているのかに目を通したりすることになります。


そんな中、こうしたマナー/ハウツー記事の需要の背景には、「こうでなければいけない」と言いたい人、あるいは誰かに言ってもらって安心したい人が多いのかな、という印象を私は持ちました。


しかも、悩ましいことには、こういったテーマを扱うと
賛否両論あるものが必ず出てきます。
それはもう、嫌というほど。


そんなときに、どうしているか。


まず、どのような事についてにせよ、私のやり方や意見がひとつの参考例にすぎないということは最初に断っておくとして。


伝統や歴史資料に裏付けできる根拠のあるやり方も、単なる俗信でしかないと片付けられてしまいそうなことも、それが何であれ実際に今の世の中に「ある」ものとして意味をもっているはず、という立場を私は取ります。


ですから、私はどちらも否定しません。
「こうでなければならない」など、ないのです。
少なくとも、何か実害がない限りは。


実害って、たとえば木に結ぶのは木を傷めてしまうから絶対ダメ!とか、そういうことです。


また、神社仏閣はまがりなりにも宗教施設ですから、神職さんや僧侶さん、あるいはその関係者の方々、そして何より、真剣に信心している方々の、気持ちなどを傷付ける行為も絶対にダメです。


このような最低限の基準で、私は書籍や自分のブログ記事を書いたり他メディアの監修として意見したりしております。そのあたりを知っていただきたく、この記事を書いておきました。


時には色々な都合上、何かひとつのやり方・方向性を選んで(あるいは誰かに選ばれて)お伝えしなければいけないこともありますが、基本的に、そこに表現されたことが全てだと私が考えているわけではありません。


私自身は、おみくじには、より幅広く、色々なスタンスがあっていいと思っています(しつこいようですが、実害さえなければ)。


そのほうが、より色々な人にとって楽しめたり役立ったりできるだろうし、すでにおみくじに親しんでいる人には新しい見方を開くことができるのではないでしょうか。


そして、その幅を少しでも広げるような方向にしていけたらというのが、拙いながらの理想です。




それと、もうひとつ。


以前は単に「気楽に引いてみよう!そしてもっと深く楽しんでみよう!」しか言ってこなかった私ですが、おみくじについて責任をもって色々と調べたり書き出してみたり誰かと喋ったりしていくうちに、少し考えが変わってきました。


というよりそれは、より深く楽しむ方法として発見したこと、と言ったほうがいいかもしれません。何事も入り口は、気楽であっていけないことなどないのですから。


色々なおみくじを引いていく楽しみは、
おみくじそれぞれの個性を見つけることだと私は以前から思ってきました。


そして、その上で最近気付いたのは、気軽に引いていいおみくじと、真剣に向き合うべきおみくじとを上手に使い分けるのが重要ということです。


人生の問題や、真面目な悩みについてヒントを引き出すのに向いているタイプのおみくじを、それなりに受け止める覚悟もなく気軽に引いてもあまり意味がありません。


逆に、気楽にふらりと、あるいは仲間同士ワイワイと引くのに向くタイプのおみくじを変に気張って引いても、楽しくなくなるじゃないですか。


もちろん、両方の要素を兼ね備えているおみくじだってたくさんあるわけです(それこそがおみくじの最大の魅力でもあるような気がします)。


こうしたバランス感覚は、その時その場での目的などによっても、また違ってくることでしょう。


…要は、そういうことだと思います!
そのへんの見極め、大事。


それがどんな加減かは、拙ブログや色々な本など参考にしてもらってもかまわないのですが、自分で興味をもって様々なおみくじを体験していけば、おのずとわかってくるものではないでしょうか。


まずは自由に、でも時々は色んなことに思いを巡らせながら、楽しんでもらえたらいいなと。


そんな感じで、おみくじについていくらかでも気になっている人の疑問に、少しでも役立つことができれば幸いです。



最後に、よく「おみくじとは何?」という質問を頂くことについて一言。

信仰上などの理由で様々な意見がありますが、私はあくまで「占いの一種」という立場です。そのほうが、偏らず幅広い見方ができるのは間違いないので。

とはいえ、そこはブレないようにしつつも、やはり、何かしら信仰を持っている人の尊厳を傷付けるような表現はできる限り避けるべきです。これは何か多少なりとも宗教的なことに関わる情報を発信する上での、最低限のマナーとして捉えてください。



なお、私に仕事依頼などされる方は、以上のスタンスをご理解の上、コンテンツ作成を行われますようお願い申し上げます。

特に、取材による記事作成の場合、皆が皆とは言いたくないですが、最近のライターさんは上記のような事柄への理解や宗教的な事柄に関する一般教養に乏しい場合が多く、私が原稿をチェックしてほとんど直さなければ読むに耐えないレベルのものとなってしまいます(ちなみに某週刊誌のような、訂正を無視した上に最終チェックさせない、明らかに誤った情報を載せる、など不誠実なメディアは論外です、今後お断りします)。私自身の物書きの責任として、そんなものにそのままで私の名前を出させるわけにはいきません。この種の記事チェックは正直、大変な無駄手間であり、最初から私自身に執筆させてほしいと常々思うところです。もしそれができないなら、最低限、情報を提供される側としての誠実な対応を望みます。

お互い気持ち良く効率良くお仕事ができますよう、何卒ご了承くださいませ。
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ」(グラフィック社刊)もうすぐ発売。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

当ブログの著作権は著者に帰属します。引用するときは引用元記事もしくはブログトップページへのリンクを必ず行ってください。

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