おみくじの効果的な引き方。本気なら生年月日を念じるべし!

おみくじの正しい引き方とはなんぞや、ということを最近よく訊かれます。


まず、参拝後に引く、というのは最低限のマナー。

そもそもおみくじは、神様仏様に「何か一言ください!」とリクエストするものです。

誰だって、何の挨拶すらなしに頼み事をされたら、いい気はしませんよね。神仏も同じです。



さて、今回は、ここからもう少し踏み込んでみましょう。

「正しい引き方」、というのには少々語弊を感じるのですが、それならおみくじ発展の系譜的にみて「本来の引き方」とはどのようなものだったのか。


おみくじの最も古いルーツを辿ると、それは「託宣」、つまり神仏から直接お告げが降りてくることに行き着いてしまいます。

現在でも、神仏と直接交信できるというシャーマン=霊能者さんの中には、何かを引くわけではなく、単にお告げのことを「オミクジ」と呼ぶ人がいます。これは特別な才能のある人にしかできないことです。



では、もう少し簡単にするにはどうすればいいでしょう。

そこまで才能がなくても、特別な修行を長い間がんばればできるようになる方法を人々は考えました。

これに当たるのが、天台宗系のお寺で僧侶さんの引くおみくじです。僧侶さんたちは「みくじを取る」と言います。依頼者のかわりに引き、悩みに応じて解説を行うのです。

お寺によくある、「元三大師百籤」と呼ばれる漢詩のおみくじは、今でこそ自分で引いて自分で読み解くセルフサービス式ですが、かつては僧侶さんに引いてもらうものでした。

僧侶としてこれができるようになるまでには、大変な修行が必要です。それに、いざ「みくじを取る」ときは、まず全身を清め、観音経を三回読み、御真言(仏様を讃え、その力を引き出すための呪文のようなもの)を計999回唱える、などを始めとした大変な時間とエネルギーを要する複雑な儀式を行ってからでないと引くことが許されません。引くときも願文を読んだり様々な所作を行ったりしながら精神統一を必要とするなど、やはり大変です。それでも色々な調子などでインスピレーションのようなものが降りてこないときには、最初からやり直さなければならないことさえあるとか。いずれにせよ、一般人の精神力でマネするのはとても不可能なのです。

今でもこの「本来の引き方」を行える僧侶様がいらっしゃるのは、私の知る限りでは、比叡山元三大師堂と廬山寺です。ただし、現在は特に関係の深い限られた信者さんに対してしか、この方法での「おみくじ」は行われていません。各お寺様へのお問い合わせなどもご遠慮ください。

ひとたびこの大変さを思えば、おみくじも有り難みが増すというものです。さすがにここまでできなくとも、せめて参拝前に手水舎などでお清めをしてみてはいかがでしょうか。


ちなみに東大寺の二月堂では、おみくじを引くときに仏前で一人ずつ座れるよう、文机を並べてあります。

各机にはおみくじ筒とともに、般若心経や観音経の載っている経典と木魚が。これはもう、引く前に読経したほうがいいよ、ということで置いてあるのが明らかです。

ゆっくり座って参拝し、読経まですれば、気持ちが落ち着いて、今おみくじで知りたいことについても心の中が整理されてくるはず。お寺ならば、他の所でも時間に余裕のあるときは取り入れてみてもいいかも。よくわからないなら般若心経だけとかでも充分すぎるくらいだと思います。要は心の持ち方の問題ですから。



ところで、私は行く先々でおみくじを引いてきましたが、最近気付いたことがあります。

数ある神社仏閣の中には、おみくじを引くときにセルフサービスではなく、依頼者のかわりに筒を振って引いてくれる所が案外存在するのです。



まずは戸隠神社。この場所で江戸初期の天海大僧正の夢に、平安時代の元三大師こと良源大僧正が現れて「元三大師百籤」を授けたとの伝説がある同社は、この筆頭と言えます。明治の神仏分離以前には、お寺と同じ元三大師百籤を使っていました。

今でこそ神社らしく和歌のおみくじを使っている戸隠神社ですが、引くときは神職さんが祝詞を唱え、願文を読み上げた上で引いてくれます。そして興味深いことには、願文に依頼者の生年月日を盛り込んで読んでいるそうです。なお、戸隠神社のおみくじについては、成蹊大学の平野多恵先生にご教示いただきました。


次に、私は旅先で何度か、おみくじをお寺の職員さんがかわりに引いてくれる所に行き合っています。思い出せる限りでは、布施弁天(千葉県)と雨引観音(茨城県)です。
いずれも元三大師百籤で、そのとき職員さんには生年月日をきかれました。


それと、浅草の酉の市で有名な鷲神社の隣にある「酉の寺」長國寺では、酉の市の日に、僧侶様がものすごい気迫で「善星皆来悪星退散!」と唱えながらおみくじを引いてくれます。

何度となく足を運んでいますが、毎回同じ僧侶様でした。こちらは、生年月日をきかれないし、元三大師百籤ではなく法華経を使った日蓮宗のおみくじですが。


いずれも、かつてのおみくじが専門家に引いてもらうものだった名残と言えるのではないでしょうか。


さらに、先ほどおみくじ「本来の引き方」を受け継いでいる所として挙げた廬山寺では、テレビ番組中でこれを特別に行うとき、出演者に「名前と住所と生年月日と願い事(ききたいこと)」を書き出させていました。やはり願文に盛り込むためではないでしょうか。長國寺のような例外はありますが、セルフサービスでないおみくじでは総じて生年月日をきかれることが多いように思います。これも、もしや「本来の引き方」の名残なのでは、と思うのです。



もしそうだとすれば、私たちがセルフサービス式おみくじを可能な限り本気で引くときにできることも、引く前に参拝するとき「名前と生年月日と住所」を念じて、神仏に自分が何者かを伝えることではないでしょうか。普通に参拝して祈願するときのマナーとしても、よく言われていることですよね。そして、どうやら中でも生年月日の重要性は高そうです。



最後に、忘れちゃいけないのはやはり、おみくじで何をききたいのか、具体的に念じること。


このときの質問内容は「できるだけ具体的」なほど良いです。そのぶん、結果の読み方も具体的に解釈できるようになるので、占いとしての意義が深くなります。

おみくじの漢詩や和歌や運勢全般解説はそのままでは抽象的なものでしかないので、自分で「具体的な質問」という輪郭を与えることではじめて、具体的な自分自身の物語として機能するようになるからです。

こうすれば、思わしくない結果が出たときなども、丁寧に読み解いていくことで自分なりの現実的な対策が浮かんでくるようになります。





そして、出たおみくじは持ち帰り、大事に読み返すことで開運に役立てると良いでしょう。持っておくか置いてくるかは自由ですし、個人の好みや考え方によりますが、持ち帰るほうがより日々の指針として「使える」ものになることが多いと思います。せっかくおみくじを引いたなら、自分なりの「生かし方」を考えたいものです。

それか、最近は結んだり納めたりすることで願掛けできる所も増えています。読んだ内容をしっかり心に刻みつけてさえいれば、あえて願掛けに「使う」ことで、決意を強めることもできるかもしれません。そのときの自分にとって、しっくり来る方法を選ぶと良いでしょう。



以上のことから、最も効果的なおみくじの引き方は、こんな手順になりそうです。

1.手水舎などでお清めする。

2.参拝。「名前・生年月日・住所・質問」を念じる。
 (お寺なら、できる範囲で読経も)
 質問内容はできるだけ具体的に!

3.頭をからっぽにして引く。

4.結果は吉凶だけでなく内容をよく読む。

5.とりあえず持ち帰ってさらに噛みしめる。
 または、しっかり心に刻んでから、願掛け。



引くときの本気度が強いほど、神様仏様も本気で答えてくれるのではないでしょうか。悩んでいたり、どうしても役立つアドバイスがほしいときは、ぜひ参考にしてみてください。

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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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