おたま地蔵

「おたま地蔵」は、あの新薬師寺の隠れ名仏。名前だけでも、妙な方向にワクテカなインパクトがありますね。実際に見るとまたびっくりなこの仏像は、金堂ではなく、香薬師堂というところに安置されています。

はじめは景清地蔵という何ら特徴のない鎌倉時代の地蔵でした。

が、修理のときに服をフィギュアのパーツよろしくカパッと外すと、中は以下のリンクのとおり。
http://www.k5.dion.ne.jp/~shinyaku/img/butuzou/img1.html
裸の地蔵が出てきましたとさ。しかも、下半身には「おたま」付き。

普通、如来・菩薩の裸形仏像のアソコは謎の渦巻き状態で、そのなかにナニがコンパクトに収納されているという「陰馬蔵相」というスタイルをとります。それにもかかわらず、このように可愛い「おたま」がついているのは、大変珍しいことなのです。

しかも、布製の服を着せているのでなくて、パーツ(?)に覆われていたというのがまた、この仏像の特徴的なところ。造立当初の持ち主が亡くなってから裸形仏であることを隠すために服などが作られ、それに合わせて頭のサイズも別材を嵌め込んで大きくされたのだと言われています。なんだかトランスフォーマーな感じですね。

現在、香薬師堂には、服をつけた状態と裸の状態のそれぞれ両方に合わせて復元された2体の地蔵が並んでいます。秘仏ということにはなっていますが、拝観料を納めれば適当に御開帳してくれる感じで、普段はおもしろおかしい解説つきらしいです。私が行ったときは解説の人がいなかったので、いつかはリベンジしてみたいものです。

写真は、以下のリンク先にあります(新薬師寺の公式サイト内です)。
http://www.k5.dion.ne.jp/~shinyaku/butsuzou.html

実はこの「おたま地蔵」、せんとくんをデザインした仏像修復家兼彫刻家の薮内佐斗司さんイチオシというか、氏の人生を決定づけた運命の仏像でもあります。頭の大きさ以外にも、いわゆる裸形像から普通の地蔵に作り直されるにあたってさまざまな調節がなされたこの像は、仏像修復の奥深さをおしえてくれたのだとか。

それにしても、言われてみれば、藪内氏の作品って、身体がまるで仮面や球体関節人形のようなパーツに別れている表現、多いですよね。

というわけで、不可思議な魅力満載の「おたま地蔵」、十二神将のついでにでも一度は要チェック!ですよ。

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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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