奈良に謎のピラミッド!?

頭塔がみえてきた

奈良の春日大社参道入り口から高畑方面に向かって歩くと、旅館や長屋の立ち並ぶ一角に突如として現れる奇妙な光景。なんじゃこりゃ。なんだかアステカあたりのピラミッドに見えなくもなかったりする謎の土塁。

頭塔


実はこれ、「頭塔(ずとう)」と呼ばれる遺跡なのです。

まあいずれにせよ怪しい場所にはちがいなく、「頭塔」という名前の由来は、そのむかし藤原広嗣という人の怨霊に祟り殺された興福寺の玄僧正の頭がどこからともなく飛んできたのを供養したからだと言われています。

調査研究の結果、この説には歴史的な根拠は全くないそうです。

こんなふうに発掘・整備が進む前は、こんもりした小山に木が鬱蒼と茂り、石仏が埋もれ、ところどころに五輪塔が置かれていたようなところですから、それはそれはこんな伝説が語られてしまうくらい禍々しかったことでしょう。

なお、石垣は半分くらいは史料をもとに復元するとき補ったもので、屋根瓦は単に石仏を雨風から保護するため便宜的に取り付けてあるものです。石仏はすべて天平時代のもので、どれも顔とか丸っこくて可愛らしかったりします。

頭塔石仏


それにしても、事情はどうあれこのピラミッド型、なんだか子供の頃にテレビの不思議特集か何かで見た、世界各地に分布する謎のピラミッドなんと日本にも!みたいのを思い出して、どうしても童心に帰ってしまいます。そんなテレビを見てから何度も、近所の裏山に隠された異次元に通じるピラミッドを探検する夢なんかよく見ていたものです。そのイメージがちょうど、こんな感じの石造りだったものだから、なんだかデジャ・ヴュな気分。

そうでなくても、さまざまな時代がひとつの土地で交錯する奈良町に忽然とこんな奇妙な形の遺跡がある、ということだけで充分に不思議な気持ちがしてきます。奈良における美の本質は滅びだ、なんていうようなことを入江泰吉が言ってましたが、ひたすら時間だけが堆積してただの藪になってしまった場所に、思いがけず遠い昔に滅び去った天平時代への扉があったりする。また改めて書くかもしれないけど、奈良町というのは数メートル歩くごとに誰でも時をかける少女になってしまうような町です。そんな中にこの頭塔があるということに、やはり何か異次元への入り口を感じずにはいられなかったりします。

ところで、この頭塔、東大寺開山の良弁僧正の命によって造営された、インドのストゥーパを模した仏塔だということがすでにはっきりとわかっているということです。この点は、謎でも何でもなく。べつに呪いのスポットとかでもないです。石仏には、華厳経の世界観が表されていて、立体曼荼羅的表現のさきがけと言われています。

完全に復元すると、こんなふうになるらしい。

頭塔復元


それはそれで禍々しいというかなんというか。

宗教系珍建築の走りのような気もしまくりです。 しかも奈良時代だぞ。先走りすぎ!

いずれにせよ、色んな意味でミステリアスな場所にはちがいないとゆーことで。ハイ。
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ」(グラフィック社刊)もうすぐ発売。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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