赤乳神社・白乳神社(奈良)

春日大社末社の夫婦大国社境内の片隅には、びっくりするような絵馬の掛かる場所がある。
まさかあの超メジャー観光地の中に?という感じで、衝撃もひとしおだ。

とりあえず、つべこべ言わずに見てほしい。

上半身


下半身

はい、おっぱい。そのまんまですね。
そのまんますぎて、このインパクトにはもう言葉を失ってしまう。

では、下のは何だろう?
なんか女性の着物みたいだけど。
足だけ出てるのが奇妙な感じ。

ていうか、どちらも書いてあるんだけどね。
おっぱいは上半身、着物と足は下半身。
上半身はそのまんまなのに、下半身はやけに奥ゆかしかったりするんだ。

枠つきの古式絵馬の型に、白木のままマジックで手描きの脱力系手作り感。
こうやって枠がついているのは小絵馬の古い形を遺すものだが、最近はずいぶん減ってきてしまっているから貴重だったりする。加えて、体の一部やそれを表すものを描いて、その部分の健康・病気平癒を願うパターンは各地にみられる。こうした中で、女性の下半身を着物のすそでそれとなく表すというのも絵馬の世界では定型だ。乳房は関西地方を中心に、また着物のすそは足利、秩父、福岡などの各地で伝統的に描かれてきた。

この絵馬の奉納先は、春日大社や春日夫婦大国社ではなく、下半身は赤乳神社で上半身は白乳神社。ただしいずれも、社殿がそこにあるわけではない。にぎやかな夫婦大国社の境内にある小さな祠は、あくまで遥拝所。本体は、どちらも奈良市内ではあるが不便で目立たないところにひっそりとある。やはり小さな祠だ。どんな場所か気になる人は、下のリンク先へ!

ブログ「奈良の寺社」さんの「赤乳神社・白乳神社」紹介記事


下の写真は、遥拝所にこの絵馬が掛かる様子。わざわざ便利なところに場所を移して絵馬を奉納するあたりに、婦人病治癒祈願のニーズの多さが感じられる。

赤乳白乳遥拝所
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ」(グラフィック社刊)もうすぐ発売。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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