おみくじはサイエンス?!六甲八幡神社が楽しすぎる件。(前編)
本日、たった今まで放送されていた「ごごナマ」の中の
「にっぽんコレに夢中」をご覧くださった方、
どうもありがとうございました。
これを書いているのがまだ放送前なので、どこまで取り上げられたのかちょっとわからない所もありますが。無事予定通り進行したのであれば、出ていたと思います。
体験型おみくじを中心にご紹介したのですが、
その中に「へびみくじ」というのがあったはずです。
無事予定通りご紹介できました。
この「へびみくじ」を出している「六甲八幡神社」が、
番組中ではとても語り尽くせないほど色々面白い場所だったので、
ひさびさに一ヶ所をがっつりめにご紹介したくてたまらなくなったのです。
アクセスもわかりやすいです。
阪急六甲駅の南出口すぐ。
出口から出ると、視界いっぱいにこの巨大看板です。
とにかく、見上げるほどでかい。
わかりやすすぎです。
看板の後ろには、さらに広大な鎮守の森。
さながら都会のオアシスです。
境内に入るには塀を回って、ショートカットなら社殿裏手の社務所脇、
正面の鳥居と参道を通るには駅から見て裏側まで行かないといけません。
(ショートカットはあまりよろしくないとも言われますね~)
社務所脇側の入り口右側にも、
阪急の出口と同じ大きさの看板があったりするわけですが。
これに負けず劣らず目を引くのが、入り口左側の塀の中に
嵌め込まれた授与品ディスプレイです。
中が蛍光灯で明るくなっているので、けっこう目立ちます。
近付いてみると。
なんか招き猫が御幣をフリフリと動いてたり、
へびみくじ巨大バージョンが飾ってあったりする~!
しかしこれなどは前哨戦(?)にすぎません。
実はこの神社、特におみくじに、
こういった楽しい仕掛けが全力で注ぎこまれているんですよ。
(ていうかこのディスプレイからして
神社自らめっちゃ推してる気がします)
と、その前に。
やはり正式ルートでの参拝は大事です。
というわけで、鳥居と参道。
このスケール感、おわかりいただけるでしょうか?
社殿がもはや消失点くらいに小さく写ってます。
(クリックで拡大したほうがわかるかも)
参道の林には写真の5倍くらいの鳩の大群。
敷地の広さと相まって、かなり迫力がありました。
拝殿。お祀りされているのは八幡様と天照様と春日様です。
本殿よりさらに奥へ進むとあるのが厄神殿。
神仏習合と分離の名残りか、あまり公には触れられない神様。
「厄神さん」と呼ばれ、厄除けの神様として親しまれています。
「厄除大祭」の主役になったりと、実は主祭神より有名かも?
さて、一通り参拝を終えたら、
待ちに待ったおみくじタイム!
何といっても一番人気は、
本日「ごごナマ」で紹介した「へびみくじ」です。
(番組を見ていない方のために改めてご紹介しておきますね)
「へびみくじお願いします」と社務所で言うと、
おもむろに取り出してくれるのがこの謎の物体。
ドラムのようなもの…?フチをぐるり一周、穴が開いています。
番組中では、ジンギスカン鍋とかタコ焼き器みたいなんて話も…。
そして上に乗っているのが、主役の藁へびクンです♪
初めて見るよって方も多いかもしれませんが、
昔は駄菓子屋とかにあったような感じの素朴なおもちゃです。
穴を選んで藁へびの頭を突っ込み、
尾を軽く引っぱると、あら不思議。
おみくじを口にくわえてくるよ!
(禰宜様にやっていただいて撮りました)
藁へびを「へび守り」として持ち帰るのと、
藁へびは持ち帰らずにおみくじの紙だけいただくのとで
御初穂料が違います。
リピートすると、ちょっとお安く引ける
というのも人気のポイントなのかもしれません。
動物とかに入ってる系のおみくじって、
引く側としては色違いでもない限り
同じのをリピートすると器ばかり溜まって
どうしようってなるじゃないですか。
寺社側だって、「かわいい~♡映(バ)える~♡」とか
バズったりして短期的にもてはやされても
リピートしてもらえなかったら後々困るじゃないですか。
これを解消しているのも実はさりげなくナイスアイデアかも。
厄神さんにちなんで厄除けのご利益があるという「へび守り」、
口の中に指を突っ込むと嚙みついてなかなか離れません。
離す方法は、いじっているうちに何となくわかります。
というか、この吸い付くように噛まれる感覚は、
実際に触ってみないとよくわからないのではと思います。
噛まれて厄落とし…ということになるのかどうかは謎ですが、
意味もなくいじくり回していると何となく笑えてきます。
それだけで楽しいです。きっと厄も吹っ飛ぶと思います。
それにしても、どうしてまたこんなにユニークな仕掛けを!?
その秘密の全ては、
クリエイティブすぎる宮司様が握っていました。
なんと、前職が全国の科学博物館の
体験型実験装置を作るお仕事。
誰かの好奇心をそそる役目である前に、
まずご本人が好奇心旺盛で発明大好き。
そして何より、世界の不思議を
楽しくわかりやすく表現するということへの
並々ならぬ情熱がとても素敵だと思います。
当然メカがお得意で電気自動車のレースに優勝されたこともあり、
「よ~いドン!となりの人間国宝」認定を受けておられます。
こうした多才な能力が神社内で色々と活かされているわけです。
なにしろ、神社で体験が重視されるものの中でも、
おみくじはやはり外せないのではないでしょうか。
そこに色々と詰め込まれた工夫の粋を、また後編でご紹介します。
ところで、「へびみくじ」のみくじ箋の内容はこんな感じ。
左上に小さく「中中」って書いてありますよね。
これが実は吉凶のランク名なんですよ。
六甲八幡神社には
大変珍しい吉凶のおみくじが現代まで伝わっていまして、
上々大吉~下下までの12段階あるんです。
こちらは通常の振り出し式おみくじで引くことができます。
上中上大吉なんてわけわからないのまであるのが
何ともマニア心をくすぐったり(引き当てたいいぃぃぃ)。
けどね、これだけでそこまで喜ぶのって、往々にして
私も含めたごく少数の奇特な人間くらいではないかと。。
もっとこう敷居を低くして、広く親しんでもらいたいですよね。
普通の現代人にもわかりやすくなるアレンジとして、
この吉凶順位をへびゲージで表しているというわけ。
つまり中中は下から三番目なんですね。だいぶ悪いぞw
へびの表情も順位で変わります。
そんなわけで、せっかくだからその下を全部、
伝統の振り出し式おみくじの方でお見せしちゃうよ☆
下(ゲ)。
下下(ゲゲ)。
ゲゲゲ。
閑話休題。
途中からネタに走ってスベってすみません。
そのくらいの運気なんで(下も本当に引き当てたw)。
でも鬼太郎おみくじも本当にここで引けるんですよ!
話を元に戻します。
「下下」の右側は以前使われていたもので、
現在は授与されていません。
読み方は左の現行版と同じ。
余っていたのを特別にいただいたものです。
神社に江戸時代から伝わっていた版木を使って、
金箔まで散らした美しい和紙に一枚一枚手刷りされています。
しかしですね、一度はこうして復刻を試みたものの、
材料や刷りの人件費にコストがかかってしまい、
おみくじ代1回400になってしまったことと
普通の人にはそもそも読めないことが災いして
廃絶の憂き目に遭ったとのこと。
私はこういうの大好きなんですけどねえ。う~ん、残念。
丁寧な手作り感とか、時代感とか、美しいじゃないですか(T_T)
というわけで、他の神社仏閣で現在も手刷りのおみくじに出会ったときは
(いくつか知っていますがここでは割愛します)、
読めないからとか高いからって敬遠しないで、これをきっかけに
「めちゃめちゃ貴重なんだ!レア!ラッキー!」という
愛のまなざしを向けてくれたらうれしいです。
さて、「へびみくじ」と、伝統の不思議な吉凶のおみくじに加え、
鬼太郎おみくじやイチハラヒロコ恋みくじといった
オリジナルではないにせよそこそこ引ける場所が限られてくる
話題性の強いおみくじもあったりと、
何かしら好奇心をかき立てるようなことの追究に余念がない神社
だということが少しでも伝わっていれば幸いです。
ここまでだけでも攻めまくりの六甲八幡神社ですが、
なんとまだまだ終わらないんですよ!
ある意味この神社の真骨頂ともいえる
驚きの実験的おみくじを、後編ではご紹介します。
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