おみくじはサイエンス?!六甲八幡神社が楽しすぎる件。(後編)
前編でご紹介した「へびみくじ」が人気の六甲八幡神社。
そのユニークすぎるアトラクションの仕掛人は、
かつて科学博物館の体験型実験装置を作るお仕事をしていらした
クリエィティブすぎる宮司様でした。
ちょっと細野晴臣さん似かなと勝手に思ったり。うん、テクノだね。
宮司様は現在、目が不自由で、禰宜様が常に介助されています。
お二方とも気さくで、声をかければ色々教えて下さるはずですよ。
そんな楽しく素敵な人たちが営む都会のオアシスには、
まだまだ驚きのおみくじが満載なのです!
というか、今回のものたちこそが真骨頂のような気さえしました。
「へびみくじ」の次くらいに人気の「水晶みくじ」では、
おみくじの数あるルーツの中でも重要な位置を占めると考えられる
古代中国発祥の「易占い」が気軽に体験できちゃいます。
使うのはまず、
社務所前の右端にでかでかと鎮座する石造りの装置。
易占いが確立したとされる古代の
青銅器を彷彿させる重厚なデザイン。
この上に、説明書きが掲げてあります。
もう一つ、大事な道具は
「陰」か「陽」かを出して決めるための水晶球と
(本来、2択の結果を出せるものなら何ででも占えます)、
どちらが出たかを6回記録するための「算木(さんぎ)」。
黒い棒みたいのが算木です。その上が水晶球。
水晶がシーグラス並みの擦りガラス状になっているところから、
どれほど参拝者の皆さんに
使い込まれ親しまれてきたかが感じられます♪
この水晶を、装置の中に転がして占い開始。
これがまた実に驚きです。
自宅でコイントスする易占いとは感動が違います。
見てください、この軌跡の美しさ。
こんな荒いGIFではとてもお伝えしきれません。
転がっていく音も、深く涼やかな響きが心地良いんです。
科学的理性で計算し尽くされた美の凄味がありました。
ぜひ一度現地に足を運び、目と耳で確かめていただきたいと思います。
水晶が真ん中の穴に落ちた後は、
装置下の、左の黒い出口か、右の赤い出口から出てきます。
黒いほうから出たら陽、赤いほうから出たら陰です。
これを6回繰り返し、算木を下から順に置いていきます。
算木では真ん中が赤いのが陰です。
6回の陰陽の組み合わせで64通りの結果を出すのが易の基本。
さて、この組み合わせの結果は…
こんな感じでした。
兌為沢は互いに喜び合うことを表す卦(結果)で、
一般に割と良さげなはずだけどこの吉凶グラフは(--;
う~ん、前編で「へびみくじ」とか引いた結果からしても、
なぜかこの日(時期)は微妙に全体としてツイてない感じがしてたな。
でもこんなに面白い神社とご縁ができて楽しかったのは、
この卦の一般的な意味でいえば当たってたんじゃないかと。
どんな種類のおみくじをどこで何度引いても、
そういうときって大体そういう結果ばっかり集中して出るのが
本当に不思議だと思います。
そして、さらにさらに。
「実は今、試験運用中の新しいおみくじがあるんですよ~」
と、禰宜様が知られざるオススメをご紹介下さりました。
おもむろに取り出したのは、…印籠!?
とりあえず目に入りました…が、
単に入れ物として丁度よかっただけらしい(笑)
中から木片を取り出して…
無作為にばら撒きます。
この撒き散らす動作って、ある種すごく占いっぽさを感じますね。
ルーンストーンとか、ジオマンシーとか、米粒占いとか…
どれも(というかこの新おみくじも)占いとしての原理は違いますが。
掴んで散らす、って行為にはいかにも乱数らしさがあります。
ここでまたまた、凝りまくった装置が登場。
社務所窓口右側に鎮座する、謎の祠です。
普通に考えたら何か祀られてるか神棚をディスプレイしてるか、
そのあたりと思ってスルーしてしまいそう。
ですが今写真を細かく見て初めて気付きましたよ。
祠の左脇に隠れてすごい小さく
「神殿みくじ」って書いてあるの。
授与品の一覧にはまだ出ていないので裏メニュー的扱いです。
本格運用はこれからだそうですが、言えば普通にできるので、
ぜひ気軽に声をかけてトライしてみてください。
何か祀られてるのかと思ってたぶん、
開けたら爽快なほど空っぽで逆にびっくりしました。
この中に、先ほど木片を散らしたトレーを入れます。
でもって、閉じてしまいます。
「ここで、魔法のスイッチをポン☆」
と禰宜さん。どうやら裏にメカが仕込まれている模様。
少し待つと結果が印刷されてきました。
な、なんだろうこれは。
見比べてみるとわかりました。
先ほどランダムに撒き散らした木片のスキャンです。
何が根拠で小吉なのかはよくわからないけど。
(他が濃すぎて訊くの忘れてきた…反省)
何かこの日はこんなんばっかり出る日だなあ。
なんてぼんやり見てたら、
一緒に印刷された説明の紙を渡されました。
あまりにも私の理解を超えるので、
そのまま転載させていただきます。
読んだ瞬間、脳みその悲鳴が聞こえてしまったよ。
(もとい、思わず奇声を発してしまったらしい)
理数系赤点常連の私には全っ然わからん。
…のですが、少なくとも
偶然と確率の中に統計的必然性を見出している
という話であるらしいことは辛うじて理解しました。
てことはナニかい?
この日、やたらとソレげな吉凶しか出なかったのは必然!?
世界にはまだまだ不思議なことがたくさんあるんですね!
理数系に自信のある人は、もっと詳しく色々訊いてみれば
きっとノリノリで教えていただけるんじゃないかと思います。
偶然と確率を考え抜いた古代中国の叡智という意味では
易占いも似たような根拠で成り立っているのかもしれません。
あらゆる卜占、もちろんおみくじだってそうだし、
バタフライエフェクトとか何とかもそういうのかもだし。
もはや自分でも何を言っているのか
よくわからなくなってきましたが、
未知や神秘を実感として教えてくれる
凄いおみくじの数々、圧巻でした。
この世界観は六甲八幡神社しかなしえないことだと思います。
ぜひ一度、これらのおみくじを体験して感じてみてください。
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