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三十三間堂(京都)

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これも、あんまり絵馬に見えない絵馬。なにげに超メジャーな寺、三十三間堂のものだ。

祈願・祈祷の寺というよりは、ひたすら仏像を見に行く寺というイメージがあるが、絵馬掛け所も案外にぎわっている。切り抜きまで施された見事なダイカットの絵馬の裏に文字が書かれ、ぎっしりと吊り下げられているさまは、さながらメッセージカードやオーナメントといった趣だ。

中央に仏画をあしらい、丸い形で梵字を周囲にめぐらすデザインは、曼陀羅のようで、神秘的。
同時に、80年代末~90年代初頭頃の少年漫画のふろくを思わせるような、何か漫画的な魔方陣のような、妙になつかしいダサかっこよさ(←ほめ言葉)も持ち合わせている。

この仏画が三十三間堂に居並ぶ千体の千手観音の大ボス、真ん中の一番大きな千手観音の座像を表していることは疑いない。座像の千手観音は、扇状に広げたたくさんの手が像全体としての円形を思わせ、しかもそれが無限の世界を象徴しているあたり、それ自体でなんとなく曼陀羅を連想させる。そして、これをコンパクトにまとめてしまったこの絵馬の絵柄は、限られたスペースにキャラクターを無理矢理濃縮してデフォルメするビックリマンシールを思い出させなくもない。しかし、その全体はあくまでスッキリと洗練された印象を与えている。

そんな摩訶不思議なデザインの絵馬が、誰からも「これが絵馬かいな」などと特にツッコまれることもなく堂々とメジャー観光寺院に掛かる。面白い絵馬は、実は身近なところにひそんでいるのかもしれない。あとはそこに目を向けるかどうかだ。
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ(グラフィック社刊)」発売中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月平均2回以上は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石やらトランプ・占いカード類やら喫茶店マッチやらと、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。気になったらとことんハマるのが生き甲斐。

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