新井薬師梅照院(東京)

新井薬師

これは「向かい目」という図柄で、眼病平癒を願う意味が込められています。
「め」という文字をこうやって並べると、ごらんのとおり何ともそれっぽいじゃありませんか。
へのへのもへじ、みたいな。昔は眼病も今よりだいぶ治りづらかったわけですから、深刻な悩みをこうやって楽しくさらっと表してしまうあたりは江戸人のユーモアですね。

向かい目の絵馬は、大抵は薬師如来に奉納されます。
薬師如来といえば病気平癒のご利益ですが、「十二大願の第一である光明普照」というのが経典にあるため、光といえば目ということで、眼病平癒を前面に押し出すことは多いようです。

たとえば仏像好きのあいだで妙な目ヂカラがあると言われてひさしい「新薬師寺の薬師如来像」も、聖武天皇の眼病平癒を祈願してつくられています。

この絵馬は東京の新井薬師梅照院というお寺で出しているもの。徳川の2代将軍秀忠の娘、和子の眼病がこの寺の霊験によって回復したため、江戸中で評判になったということです。

黒い枠付きでしかも手描きという、古めかしくて大変味のあるこの絵馬は、紐がついていないため(一応、辛うじて通すところはありますが)、賽銭箱の上などに枠の足を引っ掛ける形で奉納されています。奉納されている数自体はそれほどでもなかったと思うので(賽銭箱の上は狭いし!)、民芸品としての美しさからお土産にされる方も多いのではないでしょうか。これだけ江戸情緒を色濃く残した個性的な絵馬が、東京の割と便利な場所で入手できるというのは貴重だし、末永く続いてほしいものです。
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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