絵馬居酒屋「祈願堂」初訪問+α

 というわけで、「祈願堂」行ってきました。3軒くらい隔てた近くに「絵馬亭」というのがあるからまぎらわしいけど、べつにパチモノとかじゃないですよ。こんなに近いというのに、姉妹店なのでした。2軒分になってしまうほど絵馬があるって、すごすぎる(ていうか、きいたところによると、さらに床下などにも無数に眠らせているそうですから・・・合計7000枚以上!ひいぃっ)。

 ぱっと見は民芸居酒屋風の店構えだけど、なにしろ「祈願堂」なんていう、お店らしからぬ名前がちょっと不思議な雰囲気をかもし出しています。一歩入れば、期待をはるかに上回るほどの絵馬が、そこらじゅうの壁にびっしり。かなり昔のものと思われる色あせた手書きの小絵馬から、新しい立派な大絵馬額まであって、どこを見渡してもテンション上がりまくりでした。「奥の院」と書かれた紫色の暖簾がまたなんともお寺の洞窟の入り口っぽくて、無性にドキドキしてしまいます。伝統的な願掛けの図柄があるかと思えば、なんだかわからないシュールな脱力系の絵があったり、果ては変形絵馬や、妖怪神社の鬼太郎の絵馬まで。いくらながめても、決して飽きることがありません。

 ふと、着飾った猿が何食わぬ顔で踊っている図柄の大絵馬を感心してながめていたら、「こんなふうに生きてみたいと思ってるんだよね」と、お店のご主人。丸メガネのよく似合う、どこかユーモラスな感じの穏やかな方でした。絵馬は100枚以上集めて初めて、並べて飾ったときに嬉しくなってくるんだそうです。うーん、そうかも。私も、自由にできる壁があったら全部ぎっしり吊るしてみたいものです。。。ご主人は、大きな美術品は買えないから、そのかわりのミニチュアのようなものとして絵馬を集めるようになったのだとか。そうはいっても、普通に美術品と言っていいほどの大絵馬がいくつか掲げてあったりするのはきっと人脈の力ですね。

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 人とのつながりが好きだから、と誰にでも気さくに話しかけてくれるのはお店の奥さん。お客に請われるまま絵馬を自作するようになり、今ではすっかりそれがライフワーク。壁いっぱいの絵馬コレクションのなかにも、ところどころ彼女の作品が混ざっているのです。季節ごとに変わるお店のテーブルマットの絵手紙風なイラストも、作品のひとつ。実はもう一軒、奥さんのギャラリーとして作った「絵馬堂」というお店が谷中にあるとのこと。詳しくは、「祈願堂」へ足を運んで直接きいてみてくださいね。こちらも、せっかくだから後日行ってきました。お昼のみの完全予約制で、家庭的なあたたかみのある手料理をゆっくり味わいながら、作品の解説など色々なお話をきくことができます。絵馬と縁起よさげな骨董品でしつらえられた店内には、幸せ感があふれているようでした。ここでは色々なものが地元の人の手作りだったり、家族で古くから大事にされてきたものだったりするそうです。そんなつながりを大切にする気持ちが、幸せの秘訣なのかもしれません。おしながきやお盆も、奥さんの描いたイラスト入り。縁起のいい野菜の詰まった開運汁、絵馬型の器に大黒様の俵をイメージした肉巻きおにぎりを盛り付けたものなど、メッセージ性のあるお料理には縁起物マニアならずとも何だか嬉しくなってしまいます。

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 なかでも注目したいのは、入り口で出迎えてくれるたくさんの「お福さん」の絵馬たち。パンを掲げるお福さん、豆腐を売り歩くお福さん、お習字、三味線、犬の散歩・・・色んなことをするお福さんたち。彼女たちは、谷中に暮らし地元の商店街を支える女性たちだったのです。一人一人、実際にモデルがいます。絵馬堂の奥さんが大病をされた折に、彼女たちが皆で色々助けてくれたそうで、このことへの感謝の意、また谷中という地域が元気になるようにとの願いをこめて描き上げられました。

お福通り道しるべ

近くのヤマザキパンのお店にも、仲子さんの描いた実在お福さんたちが。モデルになった方々のやっているお店にも寄ってみましたが、なるほど、脱力系の絵柄でありながらどこか似た面影を感じることができます。近くのお店の略地図と各作品を対応させたプリントもあるので、実際に訪ねられるというわけ。この作品群はまさに、彼女のリアルに感じている、人と人との絆が織り成す谷中という小宇宙が表された曼陀羅のようなものだと思いました。

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 こんな感じで、ご主人にも奥さんにもそれぞれの絵馬観がありますが、これだけたくさんの絵馬をいっぺんに見ると、自分にとっての絵馬って何だったのかと考え直してみたくなったり、自分でも描いてみたくなったりと、色んな意味で良い刺激になりました。とりあえず、近々「絵馬亭」のほうにも行ってみたいものです。ところで、上の写真は、左が「祈願堂」のレシート(お会計金額が書いてあります)、右は「絵馬堂」のカード。こんなところまで絵馬になっているこだわりに脱帽です。絵馬って、考えようによっては変幻自在!?まァ私自身の絵馬観というのはこのブログで一枚一枚上げながら考えていこうかということで、今後がんばって充実させていきたいと思います。

 ちなみにプロフィール写真の顔ハメは「絵馬堂」にて。もとは「祈願堂」に置いていたものだそうですが。もちろん奥さんの手描きです。七福神とお福さんで八福神、ハマりすぎてる自分の顔みて吹きました(汗)。

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 っと、これを書いているうちに年が明けてしまった。番外編はこのくらいにして、早く手持ちの絵馬をなんとかしなければ。ええ、なんかもう、この年末はなかなかブログさわる余裕なくて滞ってましたからね。今年はサクサク更新できますように!がんばるぞ~!
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。巷間の多種多様なおみくじを収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・カード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐(悪癖?)。

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