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下鴨神社(京都)・干支絵馬

下鴨神社・干支絵馬

個人情報保護シールの先駆け 下鴨神社・干支絵馬説明書

 こちらも下鴨神社。本殿の方に、自分で取ってお賽銭箱に初穂料入れて書く場所が設置されています。干支絵馬といっても、お正月用ではなく、12種類ある中から自分の干支を選んで願い事を書くタイプ。ちなみに干支絵馬はこういったやり方のほうが古くからあり、今のように皆がそろってその年の干支の絵馬に書くという形式が出てくるのは戦後以降になります。ですが今こうして改めてわざわざ各自違うものを選ぶようなプライベートなプロセスが加わると、少し特別感が高まる感じがしますね。絵柄が全部焼き印というところもなかなか渋くてよいです。

 なんと、縁結び絵馬のみならずこんなところにまで個人情報保護シールが用意されているのがこの神社のすごいところ。考えてみると、絵馬は神仏へのプライベートな手紙のようなもの。その昔には、今のように言葉で書くのではなく、絵解きでそれとなく願い事を表す方法がたくさん編み出されて、今に至る絵馬の伝統的な絵柄が成立していきました。祈願主の名前も、今のように住所とフルネームを書くのではなく、年齢や生まれた干支と性別のみを書くのが普通だったわけです。

 願い事のプライバシーを保護したい気持ちは、本当は今も昔も変わらないはず。ただ、現代の絵馬では普通、絵を自分で描くということってなかなかないですよね。そんな手間を省いてなお中身のわからないような工夫をすれば、こういった祈願の形が出てくるのも、ごく自然なことなのかもしれません。
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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家・おみくじコンサルタント。著書「ニッポンのおみくじ(グラフィック社刊)」発売中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月平均2回以上は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石やらトランプ・占いカード類やら喫茶店マッチやらと、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。気になったらとことんハマるのが生き甲斐。

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