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悪いヤツは、逮捕しちゃうゾ!

前回ご紹介しました「心に鍵」の絵柄は、他にも新たなバリエーションを生んでいます。たとえばこれ。何に見えるでしょうか?

 

 

 

少々わかりづらいかもしれませんが、「悪」という字になっています。「悪」を鍵で封じ込めれば、泥棒除けというわけですね。でも、それだけじゃない。なんと、だまし絵になっているんです。ちょっと焦点をズラせば、ふてぶてしいけど、どこか憎めないヒゲヅラのおっさんが見えてきませんか。それにしても、この顔に鍵穴の取り合わせとくれば、なんだか「黒ひげ危機一髪」を思い出してしまいます。

 

この絵柄、一見すると江戸時代からあったのかなという気がしてしまいますが、実はこれ、1973年から放映された中村梅之助主演のテレビドラマ「伝七捕物帖」を記念して作られたもの。近代以降、文化人や趣味人が江戸時代のユーモラスな絵馬の数々にインスパイアされて、こうしたウィットに富んだ絵柄を生み出していったのです。これも、そんな創作絵馬の流れのひとつだと思います。

 

伝統的な意匠をベースに、新しい絵柄や使い方を考えるのは、実に愉快なもの。現在は東京都の亀戸天祖神社で出しているこの「泥棒除け」も、玄関のドアに掲げたりすると江戸情緒が漂ってお洒落かつ、なにげに実用的です。「セールスお断り」とか「猛犬注意」なんてオプションを筆ペンで書き添えるとさらにグー。

 

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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ(グラフィック社刊)」発売中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月平均2回以上は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石やらトランプ・占いカード類やら喫茶店マッチやらと、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。気になったらとことんハマるのが生き甲斐。

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