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彗星に乗ってトップを狙え!

丸い絵馬をもうひとつ。陶製というのも珍しい埼玉県飯能市の長念寺が出している絵馬は、「願昇」と名付けられています。

 

 

 

主役は、韋駄天(いだてん)という仏教の神様。韋駄天走り(いだてんばしり)という言葉もあるくらい、足の速いことで有名です。お釈迦様の遺骨「舎利」が盗まれたとき、韋駄天は犯人の鬼神を追いかけて天の一番高いところまで走っていき、見事つかまえました。これにあやかって長念寺の絵馬掛け所では、長距離短距離を問わず陸上競技で活躍したい人の祈願が絶えません。

 

さらに、この韋駄天の足下にご注目。なにやらリボンのようなものに乗っています。これを右上までたどると、星マークが2つ。韋駄天が乗っているのは、彗星のしっぽなんです。

 

なぜ彗星かというと、戦時中に梵鐘を供出され長らく空っぽの鐘楼しかなかった長念寺が、檀家の協力で新たに梵鐘を制作することになったのは1986年。奇しくもハレー彗星大接近の年でした。これを記念して、鐘にハレー彗星のデザインを盛り込むことに。鐘楼に上がれば、鐘に浮き彫りされた天女とともに舞ういくつもの流れ星マークを見ることができます。

                

このハレー彗星に乗って、宇宙のてっぺんまで一気に駆け昇る韋駄天。ぐんぐん運気が上がるよう流れ星に願いをかければ、スポーツ祈願のみならず天までバッチリ届けてくれそうです。

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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ(グラフィック社刊)」発売中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月平均2回以上は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石やらトランプ・占いカード類やら喫茶店マッチやらと、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。気になったらとことんハマるのが生き甲斐。

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