【特別編】桐生「芭蕉」に絵馬と棟方志功の壁画を訪ねて・其の壱

序章はコチラ

 

55年越しの封印を解かれた棟方志功の壁画があるという洋食屋さん「異国調菜 芭蕉」。幾度も建て増しを重ねたというそのミステリアスな外観もさることながら、一歩踏み入れるとその複雑な構造には驚かされるばかり。木と土のあたたかな感触が織りなす落ち着いた理想の田舎的空間のそこかしこに、子供時代を思わせるなつかしい好奇心をふと呼び覚ますような趣向が無数にちりばめられている、そんなお店なんです。

 

早くも玄関脇の棚には、三春駒や藁馬、立絵馬など、馬をかたどった民芸品が所狭しと並んで客を迎えていました。

 

↑玄関脇の様子。

 

 

入って正面の帳場からすぐ右を向けば、古い木造住宅ならではの風情ある重厚な階段と、屋根裏の秘密基地のような作りの場所がみえます。これだけでも、なんだかトム・ソーヤーの小屋のようでわくわくしてしまいます。この屋根裏部屋には階下の室内を見渡す窓が作られていて、そのすぐ脇の吹き抜けには噂の壁画が!

 

↑これが例の壁画。

 

 ↑壁画のすぐ脇には屋根裏風2階の窓が。

 

 

階段を上ると、屋根裏部屋はいくつかの個室風に区切られていました。もちろん真っ先に、壁画を臨む窓のある区画へ。各区画にはアンティークな銅鑼やら鐘やらはたまた太鼓などと何らかの鳴り物が置いてあり、お店の人を呼ぶときに使うようにと書いてあります。こういうのを鳴らす機会なんてそうそうないので、張り切ってお寺の法要が始まるときっぽくガンガン叩いてみる私。すぐにお店の奥様が飛んできて、「はいはい聞こえてますよー(笑)」

 

というわけで、名物「馬小舎らんち」を注文。

 

 ↑割り箸には松尾芭蕉の句が。

 

メンチカツとスコッチエッグのあいのこのようなオリジナルのフライ料理「肉団子」と、豚肉・野菜の串焼きにコクのある自家製ソースをかけたものの盛り合わせです。どちらも、こだわりぬいた素材の風味を生かした混じりっけなしの天然、手間暇かけた繊細な味わい。サラダのドレッシングとマヨネーズに至るまで手作りという徹底ぶりは、こんな時代にスバラシイとしか言いようがありません。器もすべて、選び抜いた良いものを使い続けているとのことで、隅々まで美意識が行き届いています。

 

↑印度カレー。

 

こちらも名物、100年前から変わらぬ味を伝える「印度カレー」。そして「馬小舎カレー」(なぜか馬小舎と書いてマドラスと読む)。

 

印度カレーは、やわらかで自然な甘みの奥にじんわりと刺激がきいてくる、まったりとした濃厚な食感がクセになりそう。馬小舎カレーはさっぱりとした口あたりに、ナッツのような旨味とフルーティな香りが南国情緒を醸し出します。どちらもカレー好きにはたまらない、奥深い美味しさです。カレーに絵馬に棟方志功と、私の好物がこれでもかと詰まったこのお店にもはや興奮が止まりませんでした。

 

丁寧に淹れられた美味しい食後のコーヒーをいただきながら、壁画発掘の様子があらわされたお店のアルバムのページをのんびり繰りつつひととおりくつろぎ終えると、改めて周囲をながめ回してみました。

 

↑席の一例。

 

 

↑床の間風の飾り付けの一例。足利・大手神社のものらしき絵馬と。

 

↑大絵馬の一例。

 

↑そこかしこに絵馬。下は土壁。

 

どの席の区画にも、鳴り物ばかりでなく小さな床の間のような部分があり、生花や民芸品、絵馬などが素朴ながら上品な様子で飾られています。私のいる席の、吹き抜けに面した窓の上には、インドのお寺から持ってきたかのような何本も灯明を立てることのできる燭台が掲げられていました。また、大きな蝋燭を飾って祭壇に見立てられているしつらえなども所々に見受けられます。どの区切られた空間も、まるで小さな神様たちが息をひそめているかのよう。

 

↑(ちなみに一階席の柱の上には、こんな祠までありました!)

 

しばし見とれてこのフォークロア的浪漫あふれる世界に浸っていると、これまたみちのくのおふくろさんといった風情のいでたちをしたお店の奥様がやってきて、私たちに声をかけてくださりました。

 

 ↑奥様。帳場にて。

 

 

落ち着いたら、奥をご案内しましょうか?」

えっ、ここ以外にもまだあるの!?

 

さてさて、そんなわけで、ここからが探検の本番です!(其の弐へつづく) 

 

 

其の参はコチラ

 

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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。現在、初の著書を執筆中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月に最低2回位は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石・鉱石やトランプ・占いカード等、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。何でもとことんハマるのが生き甲斐。

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