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大仏様におたよりを書こう!

 

霞ヶ浦のほとりの広大な平野にそびえ立つ、120メートルの牛久大仏は、余裕で日本一の巨大仏。創建当初は世界一の高さだったので、当然ギネスにも載っています。ちなみに左下の一見すると謎な物体は、螺髪(らほつ)という大仏様のパンチパーマみたいな髪型の中からたった一巻き分を再現したもの。これだけでも、両手をめいっぱい広げたくらいの幅があり、牛久大仏の大きさを実感することができます。

 

そんな牛久大仏にも、絵馬が用意されています。説明書きには英語も。世界的にも現在2番目の高さということで、諸外国からも訪れる価値は充分ですね。

 

 

 

 

 

 

裏側(写真右)をみると、「阿弥陀様へのおたより」となっているのが、温かくて心の込もった雰囲気を醸し出しています。そんなところは絵馬の原点をふと思い起こさせてくれるかのよう。願い事を書き込む欄の左側に書いてある漢文は、日本の阿弥陀信仰において最も重要な書物のひとつとされる「浄土論」の一説。これがわざわざ書いてあるというのも、なんだかそれだけで写経を奉納した気分になれそうです。

 

書かれたものをざっと見てみると、色々な願い事に混ざって外国の文字がたくさん目につきます。

 

 

 

よくよく見ると、これはタイ語。外国語で書かれた絵馬のほとんどが、タイ語です。そんなにタイ人が多く訪れるのは一体なぜ!?

 

それは実際に牛久大仏の胎内を参拝し、エレベーターで最上階(!)まで上ってみるとわかります。そこに安置されているのは、タイの仏像。

 

 

 

 

明治三十三年に、タイ国(当時はシャム国)から仏舎利が贈られたのです。左写真の仏像の左下にみえる舎利容器に収められています。また、約一千年前に造られた仏像も二体、シャム国王から贈られました。

 

仏教への信仰篤いタイ国民、これだけ自国と縁深く仏舎利が祀られているとあらば、日本へもツアーを組んで巡礼に訪れます。そんな人々の思いが、仏様への「おたより」として絵馬にしたためられていくというわけです。こんなところから、絵馬の精神が国を超えて伝えられているのかもしれないと思うとなかなか意外ですね。

 

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鏑木麻矢

Author:鏑木麻矢
文筆家。著書「ニッポンのおみくじ(グラフィック社刊)」発売中。2012年5月から2014年12月まで、㈱H.I.S.公式ブログとして「麻矢の不思議カワイイ!?ご利益モノがたり」連載。現在、当ブログ内にすべて再録。縁起物をこよなく愛する。約20年来、巷間の多種多様なおみくじを自らの足で歩いて独自に収集・研究中。絵馬コレクターでもある。かつて、仏像マニアのテレビ番組に出たことも。全ては神社仏閣・仏像巡り趣味から始まっている。旅と町歩き・路上観察、手仕事なモノ(郷土玩具、民藝)、美術鑑賞(月平均2回以上は美術館博物館に行くのが癒し)、古風なもの、レトロな雰囲気などが好き。何にせよ、知られざる面白いモノゴトを自分なりに発見していきたいです。他、天然石やらトランプ・占いカード類やら喫茶店マッチやらと、気まぐれかつ雑多な収集癖あり。以前、下手の横好きでオペラを習ったこともあったり(今も観賞大好き)。気になったらとことんハマるのが生き甲斐。

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